東華菜館でヴォーリズ唯一のレストラン建築に触れて北京料理を堪能

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“京都はんなりずむ”を訪れて頂きありがとうございます。

京都在住のブロガーKyotaroです。

京都の繁華街、四条河原町近くを流れる鴨川にかかる「四条大橋」の袂には、東側の南に威風堂々の「南座」と北にレトロ建築「レストラン菊水」、そして西側南にあるもうひとつの近代西洋風建築の「東華菜館本店」3つの歴史を感じさせる建築ビルが建っています。

四条大橋南側を子供の頃から歩いてきたKyotaroにとって「東華菜館本店」という本格北京料理の中華料理店があるのは知っていましたが、店内に入ることは一切ありませんでした。

今回、はじめて店内に入り、そして北京料理を堪能してきました。

詳しくみていきましょう。

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東華菜館本店はヴォーリズが残した唯一のレストラン建築

東華菜館本店は京都市民にとって四条河原町、鴨川沿いに建つランドマーク的存在であり、前を通過するばかりで外観はよく知ってるけど、その外観から高級中華料理屋で一般庶民が行く店ではない、と固定観念に縛られる人が多いのではないか。

そんな高級中華料理店のイメージであった「東華菜館本店」に今回機会があり、Kyotaroは初潜入し、建物外観、内装、そして本格北京料理を堪能してきました。

まず最初に建築様式が非常に希少な部類に入るとのことで派手な外観から店内の様子を紹介します。

東華菜館本店の歴史

東華菜館本店の建物はもともと八百屋を営んでいた「八尾政」が新しいビアレストランの店舗として今から約100年前の1926年(昭和元)に完成させたのが始まりです。

「東華菜館本店」としての歴史は、戦後に「八尾政」の後を継ぐかたちで中国山東省出身のオーナーが中国料理「東華菜館」として再開したことが始まりで現在に至り、建物としての歴史は約100年という古さということになります。

設計はヴォーリズ建築事務所、施工は大林組によります。

ヴォーリズの設計史上唯一のレストラン

「東華菜館本店」は鴨川に面して建つ5階建てで京都繁華街、四条界隈のランドマーク的存在となっています。

設計したのは宣教師として来日し、戦前に滋賀県近江八幡を拠点に活躍していたアメリカ人の建築家・ウィリアム・メレル・ヴォーリズ。

もともとヴォーリズ建築は大学の校舎などに多く見られ、レストランのような商業建築は非常に珍しいとされ、その証拠に内部設備に酒類運搬の配慮がなされず、階段ホール横に喫煙室がわざわざ設けられるなど、レストランらしからぬ設計になっていたと云われます。

建築様式はスパニッシュ・バロック様式の様相を呈し、派手な装飾が特徴的でその様子は正面玄関を見上げると伺い知ることができます。

玄関部分の装飾いちばん上には羊の頭が、その下にはホタテ、貝、巻貝、魚、イルカなど魚介類の装飾が施されており、玄関の扉上にはタコが貝を食べている躍動的な装飾があり、とても印象的でした。

とにかく建物に入る瞬間から過剰な装飾に圧倒される、そんな派手で珍しい建築様式を堪能することが「東華菜館本店」ではできます。

東華菜館本店内装の見どころ

「東華菜館本店」は鴨川に面して建つ5階建てと紹介しましたが、その内装は中国料理店なのにスパニッシュ・バロック様式となっており、とても興味深い世界観が店内には広がっていました。

日本最古級のエレベーター

まず驚かされたのは内装もさることながら、最上階の5階へ上がる際のエレベーターです。

このエレベーター、Kyotaroは最初エレベーターでなく、その見た目の仰々しさから奥に厨房の入口か何かかな?と思っていたのですが、実はこの建物が完成した当初から残る日本最古級のエレベーターで現在も現役で活躍しています。

アメリカのオーチス社製のエレベーターでとても希少であり、現在も月に数回のメンテナンスを行い、大切に使用され、実際にお客様を上層階へ乗せて移動する現役エレベーターとして活躍しています。

必ず従業員が同乗してレバーをおろす手動エレベーターで扉が2方向にあり、フロアによって開く扉が変わる優れもの。

屋上のモザイク張りドームは貴重な建築遺産

また、5階から屋上にあがる貴重な機会に恵まれ、外から眺めていた帽子のようなドームを間近に見ることもできました。

実はこの屋上、とても眺望絶好で京都東山を南北に見渡すことができ、眼下には南座をはじめ四条大橋、鴨川を見下ろすロケーションで北は比叡山から南は伏見桃山城まで眺めることができます。

屋上は滅多に使用しないようですが、夏場のビアガーデン営業などで5階にあるテラス席がいっぱいになった場合、屋上にお客様をご案内することもあるようです。

屋上のドームには幾何学模様のモザイク張りで装飾された特徴的な外観となっており、この様式がそのまま遺されているのは非常に珍しく、貴重な建築遺産といえそうです。

折衷式インテリアが作り出す独創的な空間

5階一般客席には今では珍しいタイルが遺されていたり、屋上同様にテラス席からも鴨川越しに正面に南座、その向こうには東山が眺望でき、知恩院や清水寺、北方向には霊峰・比叡山や右大文字こと如意ケ岳を眺めることもできます。

また、4階の半個室席は天井がとても高く、幾何学的で重厚なアーチが美しいのが印象的でした。

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3階には完全個室も用意されており、家族のお祝いや大切な人との食事に利用できそうな小部屋も複数用意されていました。

各フロアには長椅子などヴォーリズの調度品も数多く残されており、もともとのスパニッシュ風の着彩天井に後の改装に伴い、中華風の吊り灯籠型照明がほどされる折衷式のインテリアがとても調和がとれ、独特の空間を作り出していました。

2階、5階は広いフロアの一般客席で4階は半個室、3階は完全個室とフロアごとに客席のカテゴリーが分けられており、1階では京都夏の風物詩でもある納涼床の席も毎年夏季営業期間(5~9月)になると設営されます。

東華菜館本店の名物は春巻き?その特徴とは?ランチコースを実食

さて今回、Kyotaroはランチで東華菜館本店を訪れました。

北京料理のコースランチですが、前菜からいきなり驚かされる内容で、訪れた甲斐があったのとその後の料理に期待が膨らむ瞬間でもありました。

コースすべての料理を紹介しましょう。

前菜

前菜は、全4種(クラゲの酢の物、若鶏の蒸し物、他2種)プラス野菜でとてもカラフルで可愛らしい印象でした。

大根のさくら漬けがとても美味しすぎて繰り返し食べることができる、あっさりした食感にハマりました。

前菜ということですべて食感はあっさり、この後のメニューに向けての準備体操、食欲がそそられる前菜でした。

玉子スープ

続いてスープはきゅうりとシイタケの入った玉子スープで味もとても美味しくて、こちらもお代わりしてしまいました。

シイタケの旨味ときゅうりのシャキシャキ食感がより玉子スープの風味を引き立ててましたね。

揚げ物

続いてメインディッシュに入っていき揚げ物が出てきました。

春巻きと唐揚げで唐揚げはとても大きく、ひと口ではなかなか食べきれないサイズでした。

そして注目したいのが「春巻き」です。

東華菜館本店の春巻きの皮は、通常のぎょうざのような皮ではなく、薄焼き玉子で包まれたジューシーな春巻きです。

その証拠に見た目がとても黄色い衣の春巻きになっていて、お土産で買って帰る人も多いようです。

東華菜館本店へ行ったなら必ず食べて貰いたい逸品です。

炒め物

続いて八宝菜が出てきました。

東華菜館本店の八宝菜は野菜たっぷり、酸味が利いた美味しい逸品でお肉は入っていません。

野菜が豊富でとてもヘルシーかつ大きめに切られた野菜なので食べ応えがありました。

エビチリ

ピリ辛で美味しいエビチリですが、食べた感触はさっぱりしてました。

見た目はコテコテですが、そのギャップが堪りませんでしたね。

酢豚

メインデイッシュも後半、酢豚が出てきました。

ピーマン、人参をはじめカラフルな野菜とジューシーな豚肉がたっぷりで野菜との相性も抜群、絶妙な味わいでした。

気付けば結構、お腹がいっぱいになり、満腹感が…。

水餃子

食事の最後は水餃子で中身は野菜も入っていてとても美味。

焼き餃子でなく、料理の〆となる最後はやはり水餃子ですね。

こちらもお土産で人気の逸品とか。

杏仁豆腐

最後はデザートの杏仁豆腐です。

薄切りりんごの酸味と杏仁豆腐の甘さがコラボした新感覚の杏仁豆腐でした。

ご馳走様でした。

東華菜館本店の詳細について

●東華菜館本店
TEL:075-221-1147
〒600-8012 京都府京都市下京区四条大橋西詰
■営業時間 11:30~21:30(ラストオーダー21:00)
■定休日  なし
■アクセス 京阪電車、阪急電車が便利
・京阪電車「祇園四条駅」3番出口より徒歩1分
・阪急京都線「京都河原町駅」1番B出口より徒歩1分
■駐車場  なし※周辺有料駐車場利用


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まとめ

京都にある近代建築の紹介、今回は「東華菜館本店」の素晴らしい建築様式、そして本格中国料理店という視点で紹介をさせて頂きました。

「東華菜館本店」の設計をしたアメリカ出身の建築家・ウィリアム・メレル・ヴォーリズは同志社大学、関西学院大学や神戸女学院などの大学校舎の建築のほか、各地の教会や郵便局などが多く、商業施設では大丸百貨店心斎橋店などがあります。

飲食店レストランの設計は唯一「東華菜館本店」のみでとても珍しいケースであり、ヴォーリズ建築としては希少な建物ということになります。

「東華菜館本店」は街中に建つ5階建ての建物ということもあり、遠くから眺めるなら鴨川の対岸から眺める方法、そして密かにおすすめなのが先斗町通りを歩きながら南北それぞれから眺めると5階建ての付近でも高い部類に入る建築様式を見ることができます。

実際に行ってみてそこまで敷居も高くないし、金額もそこそこで超高級中国料理という印象は受けなかったのでぜひ、気軽に訪ねてみてはいかがでしょうか?

ひとりでランチに行っても心よく対応して頂けます。

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