浄住寺で春の特別公開が初開催、モリアオガエルの声が響き渡る庭園

京都青もみじ名所
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“京都はんなりずむ”を訪れて頂きありがとうございます。

京都在住のブロガーKyotaroです。

実に4年ぶりの行動制限なしのゴールデンウィーク、京都の観光地は久しぶりに大混雑。

観光都市として人が少ないのは困るけど、反動で一気に人が押し寄せても大変、小手先ではない抜本的な対策が必要ですね。

今回はゴールデンウィーク期間中に開催された京都西山の浄住寺で初めての開催となる春の特別公開へ行って来た様子を紹介します。

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浄住寺とは?その歴史と黄檗宗への歩み

浄住寺は正式名称を葉室山浄住寺といい、その歴史は古く810年(弘仁元)に嵯峨天皇の勅願寺として創建されました。

開創は第3世天台座主・慈覚大師円仁と云われています。

元々このあたりに離宮を構えていた公卿の葉室家の尽力により、真言律宗の寺院として栄えたが、南北朝時代以降の兵火により荒廃した歴史があります。

現在の建物は江戸時代1689年(元禄2)に黄檗宗の僧である牛鉄禅師によって中興開山として再興、黄檗宗寺院となったものです。

浄住寺、春の特別公開の見どころは?

浄住寺では例年、秋に特別公開が行われており、隠れた紅葉名勝としても知られています。

境内の参道が本堂まで緩やかな石段で続く景観は、まるで中国にある寺院のようでここでしか見られない景観があります。

浄住寺の春ならではの見どころを紹介して行きましょう。

紅葉の名勝は裏返せば青もみじの名所

浄住寺は閑静な住宅街の中に佇む、都会の喧騒から隔離された寺院といっても過言ではありません。

春一番の見どころはなんといっても眩いばかりの“青もみじ”ですね。

境内入り口から眺めた参道石段はまさに緑のトンネルを潜り抜けて本堂へと向かう光景が圧巻です。

自然豊かな西山の緑に癒される時間を満喫できます。

京都西山は竹林でも有名なのですが、本堂手前には亀甲竹と呼ばれる珍しい竹を見ることもできます。

あの水戸黄門さまが使っていた杖も亀甲竹だったと云われるほどとても硬く頑丈な竹として有名です。

方丈から眺める庭園とモリアオガエル

浄住寺の春の特別公開見どころのハイライトはなんと言っても通常非公開の方丈前庭園です。

方丈内では藤岡住職自らが浄住寺の歴史と庭園について丁寧にご案内して下さいます。

ゴールデンウィーク頃から庭園内の池に棲みつくモリアオガエルの鳴き声が静かな境内に響き渡ります。

実はこの環境がとても貴重で方丈に座りながら庭園を眺める心を和ませてくれる役割を果たしてくれるのです。

浄住寺の庭園に響き渡るモリアオガエルの鳴き声

毎年産卵を繰り返しているのですが、藤岡住職曰く、庭園内の池にはモリアオガエルの天敵がたくさんいるため、なかなかモリアオガエルが増えない生態系になってるとか。

その天敵とはアカハライモリ、そして山猿とのこと。

ともにモリアオガエルの卵を食べたり、孵化したオタマジャクシを食べてしまうため、カエルにまで成長するのは何十万産まれた卵のなかの2、3匹とか。

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確かに池をよく見るとイモリが泳いでましたが、アカハライモリも実は京都の絶滅危惧種だそうです。

階段状に並ぶ本堂、位牌堂、開山堂、寿塔

浄住寺特別公開の見どころ、もうひとつは本堂の背後に階段状に並ぶ堂宇の景観です。

普段は本堂しか拝観できないのですが、今回の特別拝観では本堂内御本尊の背後に続く位牌堂、開山堂、寿塔の石戸まで拝観することができます。

本堂内は写真撮影が禁止との事で、画像紹介は出来ませんが、階段状に並ぶ堂宇の様子は方丈から庭園越しに見ることが出来ます。

本堂から位牌堂、開山堂、寿塔が階段状に並ぶこの景観は黄檗宗寺院ならではの中国風景観の特徴として有名です。

階段状堂宇の一番高いところにある寿塔にはお釈迦さまの歯が安置されており、浄住寺に伝わる「ある伝説」に関わりがあります。

浄住寺に伝わるお釈迦さまと鬼の伝説

太平記には浄住寺にまつわる話の記載が実際に残されており、その伝説が浄住寺のとても重要な堂宇に繋がっており、現在も信仰の中心となっています。

その伝説とは、お釈迦さまが荼毘に付されたときに「捷疾鬼(しょしつき)」という鬼神がお釈迦さまの歯を一本奪い去って逃げました。

足がとても速いことで有名な「韋駄天(いだてん)」が捷疾鬼を追いかけ、見事にお釈迦さまの歯を取り戻し、律宗の祖である中国の道宣律師のもとにその歯が渡ります。

やがてお釈迦さまの歯は日本へと渡り、嵯峨天皇のもとに届き、浄住寺の石窟に安置されたと云われています。

現在もお釈迦さまの歯は、鉄牛禅師の骨(舎利)と一緒に寿塔内にある巨岩の下にある石窟に納められているのです。

今回の特別公開ではこの寿塔の石窟がある石戸までしか拝観することができないのですが、あの“お釈迦さまの歯”が浄住寺にあると聞き、とても興味深い話だと思いました。

静かな山沿いの住宅街にある寺院ですが、参拝に来た価値があるとKyotaroは感じました。

浄住寺へのアクセスと駐車場について

●葉室山浄住寺
TEL:075-381-6029
〒615-8276 京都市西京区山田開キ町9
■拝観時間 9:00~17:00※12~3月は16:00まで
■拝観料金 拝観自由※本堂・方丈は通常非公開
※春の特別拝観(2023/4/29~5/7)大人800円小学生400円
■アクセス
・阪急嵐山線/「上桂駅」下車徒歩15分
・京都バス/JR京都駅より73系統「苔寺鈴虫寺」下車徒歩7分
■駐車場  参拝者専用駐車場あり(無料4台)


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まとめ

今回は浄住寺の春の特別拝観の様子を紹介しました。

普段から静かなエリアで秋には毎年、紅葉時期に合わせて特別公開が行われていますが、今回は初のゴールデンウィーク期間での特別公開の開催となりました。

藤岡住職曰く「今回の春の特別公開は告知がうまく行かず、ゴールデンウイークにも関わらず結構、人が少なくて閑古鳥が鳴いています。」とのこと。

でも静かなこの場所は、そこがいいところでもあり、Kyotaro個人的にもお気に入りのスポットなので普段は静かな寺院であって欲しいと願います。

Kyotaroが開門と同時に訪れた時、境内には朝採れ筍の提供(志納)がありました。

周辺には地蔵院、石段を下って鈴虫寺(華厳寺)と苔寺(西芳寺)があり、徒歩10分圏内にこれら4ケ寺が点在する、見どころ満載、充実の観光ルートとなっています。

これら特に鈴虫寺と苔寺は世界的にも有名な寺院で海外から著名人も訪れるスポットとして知られていますが、こんな場所が京都西山の田舎にひっそり佇んでいます。

鈴虫寺は現在、新しい堂宇が建立中で完成すれば敷地が広くなる予定とのことです。

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