重森三玲庭園美術館で触れる永遠のモダン、伝統を更新し続けた天才の自邸へ

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“京都はんなりずむ”を訪れて頂きありがとうございます。

京都在住のブロガーKyotaroです。

京都市左京区の吉田神社ほど近くにある「重森三玲庭園美術館」を訪ねてきました。

ここは昭和を代表する庭園家・重森三玲氏の旧邸宅であり、三玲氏の前衛的な美意識が今なお息づく特別な場所。

“永遠のモダン”を求め続けた京都の作庭家の美学に迫りましょう。

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重森三玲が追い求めた“永遠のモダン”とは?館内の見どころ

京都の吉田神社からすぐ近くにある閑静な住宅街の中に昭和を代表する作庭家・重森三玲が愛し、自ら作り上げた究極の空間「重森三玲庭園美術館」があります。

重森三玲が追い求め続けた“永遠のモダン”とは?

その言葉の真意を、4つの視点から紐解いてみましょう。

1)書院前庭で感じる力強い「青石」の石組

門をくぐり、目の前に現れる庭園に、多くの方が「これが枯山水なのか?」と驚かされることでしょう。

重森三玲の庭を象徴するのが、徳島県産の「阿波の青石」です。

通常の庭園では石を寝かせて安定させますが、三玲はあえて石を鋭く垂直に立てました。

その鋭角な石組は、まるで波間から突き出る岩礁のような圧倒的なエネルギーを放っています。

「静」のイメージが強い枯山水の中に、これほどの「動」と緊張感を持ち込んだこと。

これこそが、彼が庭園に吹き込んだ現代的な生命力といえるでしょう。

2)独創的な茶室「無一庵」と「好刻庵」

重森三玲の美学は、庭園だけでなく茶室という伝統的な空間にも及びます。

伝統を単なる形式として守るのではなく、自身の感性で再構築する、そんな遊び心と覚悟が、この空間には満ちています。

無一庵(むいちあん)

伝統的な数寄屋造りの技法を用いながらも、波をイメージした独創的な窓のラインなど、随所に「三玲らしさ」が光ります。

好刻庵(こうこくあん)

特に目を引くのが、大胆な「市松模様」の意匠です。

赤や紺の鮮やかな色彩が、歴史ある建物と見事に調和しています。

3)“永遠のモダン”とは何なのか?

重森三玲が提唱した“永遠のモダン”という言葉。

それは決して「単に新しさを追い求める」ということではないようです。

重森三玲は「その時代の人間が、その時代の最高の感性で表現したものだけが、時を越えても古びない」と考えました。

過去の模倣は、作った瞬間から古くなってしまう。

しかし、伝統という根底にある美しさを理解した上で、現代の精神を注ぎ込んだ表現は、100年後も「新しい」まま残り続ける。

この美術館を歩いていると、数十年前に作られたとは思えないほどの「鮮烈さ」を感じるのは、まさに彼が「永遠」を射抜いた証拠といえるでしょう。

4)イサム・ノグチとの交流

この邸宅には、世界的な彫刻家イサム・ノグチとの深い絆の跡が残されています。

書院の天井から吊るされているのは、ノグチから贈られた和紙の照明「AKARI」です。

東洋と西洋、伝統と現代。

二人の天才が共有した「伝統を現代に生かす」という志が、この柔らかな光の中に溶け込んでいます。

重森三玲が設計した空間とノグチの光が響き合う様は、まさに「永遠のモダン」を象徴する光景といえるでしょう。

重森三玲庭園美術館、見学の注意事項

重森三玲庭園美術館は一般的な見学施設とは異なり「個人の邸宅」を公開しています。

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スムーズに見学できるよう、以下のルールを必ず事前に確認しておきましょう。

完全予約制

重森三玲庭園美術館は前日までの電話、もしくはメールでの予約が必須です。

定員があるため、旅行が決まったら早めに連絡することをおすすめします。

予約といっても予約システムがあるわけではなく、希望日の空き状況をカレンダーで確認して、電話する、メールを送信する、というスタイルです。

OKの場合は、電話ならその場で返事がもらえ、メールの場合は返信がきます。

靴下の着用が必須

貴重な文化財(書院・茶室)に上がるため、必ず靴下の着用が必要です。

夏場にサンダルで訪問する場合は、必ず靴下を一足持参するようにしましょう。

靴下の用意がない場合は、書院や茶室への入場を断られますので要注意。

※貴重な文化財等に上がるための靴下着用は常識マナーとして身につけておきたいですね。

写真撮影について

重森三玲庭園美術館は庭園の撮影は自由にできますが、建物内部(書院や襖絵など)の撮影は禁止されています。

また書院内部から庭園を撮影するのもOKで、この辺は当日案内してくれる館長の重森三明氏から案内があります。

写真がNGの書院など建物内部については、目に焼き付ける準備をしておきましょう。

月曜休館と不定休日

重森三玲庭園美術館は基本的に月曜日がお休みですので注意しましょう。

また、水曜と木曜が不定休となっていますので必ずお出かけ前に訪問日時の開館状況を確認しましょう。

尚、予約に関しては2025年12月現在で10日先までしか受付をしていないので注意しましょう。

冬季休館は12月29日~2026年1月5日(年末年始・正月期間)となっています。

【まとめ】訪問前に知っておきたいこと

重森三玲庭園美術館は、現在も個人の邸宅として大切に守られています。

訪問の際は以下の点に注意しましょう。

完全予約制: 前日までに電話での予約が必要です。
靴下の着用: 建物保護のため、必ず靴下を着用して訪問しましょう。
写真の撮影: 庭園は撮影可能ですが、建物内部は原則禁止(茶室はOK)です。

重森三玲庭園美術館の詳細、アクセスと駐車場について

●重森三玲庭園美術館
TEL:075-761-8776
〒606-8312 京都府京都市左京区吉田上大路町34
◆事前予約制 ※2025年12月現在、10日先まで予約可
◆開館時間  予約後、11時or14時の見学
◆休館日   月曜休館、水・木曜は不定休
◆見学料金  1,200円(※庭園、書院入室・茶室の内部を外から見学)
◆アクセス 京都大学本部構内正門、吉田神社から徒歩すぐ
・市バス「京大正門前」バス停下車、徒歩約5分
・京阪電車「出町柳」下車、徒歩約18分
◆駐車場  専用なし※近隣にコインパークあり


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まとめ

重森三玲庭園美術館は単に「古い庭」を見る場所ではありません。

そこは、一人の芸術家が「今を生きる」ことを積み重ね、永遠へと昇華させた場所です。

「庭園は芸術である」という言葉を重森三玲は残しています。

そう、彼にとっては庭園とはまさに芸術そのものなのです。

あなたも京都の深い静寂の中で「永遠のモダン」を感じてみませんか?

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この記事を書いた人
Kyotaro

京都在住、念願の京都に1戸建て住宅を新築購入した既婚の54歳、フツーの会社員からフリーランスに転身。子供は3人で男ー女ー男の“二太郎+一姫”。将来は奥さんと京都でお洒落なカフェを営むことができればいいな、とささやかな夢を持っています。どうぞよろしくお願いします。

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