京都在住のブロガーKyotaroです。
今回は先日訪ねてきた“高雄三尾”の紅葉シリーズ第三弾・高雄山神護寺の紹介です。高雄三尾の代名詞、中心的な存在であり、紅葉名勝でもあります。
400段もの石段を登らねばならず、難所のイメージがありますが境内は見どころも多く、秋は多くの参拝者で賑わいます。
京都の中心地からのアクセスも路線バスを利用するか?自家用車で行くしか方法がなく、便利なアクセス方法についても紹介します。
詳しく見て行きましょう。
高雄山神護寺の紅葉と見どころについて
高雄山神護寺の紅葉は京都洛西の周山街道、清滝にあるため、京都市街地より紅葉の見ごろを迎えるのが1週間から10日ほど早いです。
例年、京都各地の紅葉ピークが11月23日前後であるのに対して“高雄三尾”は11月上旬頃より色づき始め、11月10日をすぎると一気にピークを迎える印象です。
嵐山・高雄の雄大な自然に囲まれ、アクセスも結構不便な山の中にあるので本当に綺麗な紅葉をお楽しみいただけます。
気になる石段は何段ある?
高雄山神護寺といえば長い石段を上った先に境内がある、難所のイメージを持っている人も多いのではないでしょうか?
高雄橋を渡って「高雄観光ホテル」の横から神護寺へと続く石段は始まっており、楼門までの石段は400段と言われています。
紅葉シーズンは周囲の景観が多少、気を紛らわせてくれますが、最初の石段折り返しまでの急勾配、茶屋周辺の石段から硯石での最後の折り返しまででも結構な疲労です。
硯石から正面にまだまだ長い石段が続き、その頂上に楼門がそびえ立つのが見えてきます。
往復で800段ですが、ご自身のペースでのんびり行きましょう。
参道途中にある硯石とは?
神護寺参道の途中、茶屋の先にある大きな「硯石」と呼ばれる岩があります。
弘法大師(空海)が神護寺在山寺に勅願の依頼を受けるが、急な五月雨によって橋が流され、この石を硯として対岸に立てかけた額に向けて筆を投げられました。
すると見事に門額に「金剛定寺」の四文字が書かれたという伝説が残っています。
※「金剛定寺」は現存しない寺院です。
楼門(工事中)
長い石段の最上段に見えてくるのが楼門で1623年(元和9)の建立です。両脇には持国天と増長天が安置されています。
2020年11月現在、楼門は工事中でその姿を見ることはできませんでした(残念)。
和気公霊廟
神護寺楼門より境内に入ってすぐ右手にあるのが和気清麻呂のお墓と遙拝所である「和気公霊廟」です。
もともと和気清麻呂公を祀る護王社でしたが、明治期に京都御所近くの「護王神社」に遷座となったため、現在は遙拝所となっています。
秋には紅葉に包まれるような景観となり、参拝者の目を楽しませてくれます。
鐘楼
楼門と同じく神護寺の鐘楼は1623年(元和9)の建立で楼上の梵鐘は875年(貞観17)に鋳造された国宝です。
平等院、園城寺とともに日本三名鐘のひとつに数えられ、橘広相が詞書を書き、菅原是善が銘を選び、藤原敏行が揮毫、一流3名合作であることから「三絶の鐘」とも称されます。
鐘楼は高台にあり、石段を登らないと拝観できません。
明王堂
鐘楼へと続く石段の隣、五大堂の手前に建っているお堂が神護寺の明王堂です。
明王堂には弘法大師御作の不動明王像が安置されています。
940年(天慶3)に平将門の乱を鎮圧するために寛朝僧正が導師として祈祷が行われたと言います。
五大堂
楼門と同じく神護寺五大堂も1623年(元和9)に建立され、当時は講堂であったと云われます。
堂内には五大明王こと不動、降三世(こうさんぜ)、軍荼利(ぐんだり)、大威徳(だいいとく)、金剛夜叉が安置されています。
金堂へと続く石段のすぐそばにあり、金堂から紅葉越しに見下ろす五大堂と毘沙門堂の景観は絶景です。
金堂
現在の神護寺金堂は1934年(昭和9)に当時の実業家山口玄洞の寄進によるものです。
かつては現在の毘沙門堂が「金堂」であり、御本尊・国宝の薬師如来像もそこに安置されていたといいます。
現在の金堂内部の須弥壇中央の厨子に国宝の薬師如来像は安置、両脇には重要文化財に指定される日光・月光菩薩立像と十二神将、四天王立像が祀られています。
毘沙門堂周辺から紅葉に染まる石段~金堂を見上げた景観は観光ポスターなどにもよく起用される素晴らしいシャッターポイントで神護寺の代名詞にもなっています。
毘沙門堂
1623年(元和9)に建立されたかつての金堂。
現在、金堂に安置されている御本尊の釈迦如来像も毘沙門堂に安置されていました。
堂内には平安時代の作と言われる国の重要文化財「毘沙門天立像」が安置されています。
秋には周囲の紅葉が美しく色づき、敷き紅葉も毘沙門堂周辺では楽しむことが出来ます。
大師堂
神護寺の大師堂は弘法大師(空海)の住房「納涼房」を復興した建造物で通常非公開となっており、外観を見学するのみで内部は拝観できません。
堂内には1302年(正安4)に性仁法親王が仏師貞喜に四国土佐国の空海像を模刻させた重要文化財の「板彫弘法大師像」が安置されています。
地蔵堂とかわらけ投げ
神護寺境内のいちばん奥にあるのが地蔵堂でこの周辺も紅葉が非常に美しいエリアです。
地蔵堂の先には錦雲渓(きんうんけい)があり、ここは“かわらけ投げ”発祥の地としても有名です。
雄大な嵐山と保津峡を眺望することができ、この絶景に向かって“かわらけ投げ”をする時に願い事を唱えるとご利益を授かれると云われています。
ちなみに地蔵堂に安置されているお地蔵さまは「かわらけ地蔵」といいます。
高雄山神護寺へ便利なアクセス方法とは?
“高雄三尾”のひとつ「高雄山神護寺」への便利なアクセスは自家用車だとKyotaroは思います。
かつ週末や連休は極力避けたいですが、市営駐車場に停めるのなら自家用車で朝いちばん、8時頃を目指さないと満車で停められないことも覚悟しましょう。
高雄山神護寺への便利なアクセスについてまとめましたので参考になれば幸いです。
嵐山高雄パークウェイ大駐車場
高雄周辺には小さな駐車場がたくさんあるのですが、停められる台数が少なかったり、個人が貸してる駐車場もあり、平日はやってなかったりと不定休な感じもあり、不確実です。
いちばん駐車できる確率が高いのが「嵐山高雄パークウェイ」の高雄ゲートから入ってすぐの高雄大駐車場です。
ここなら停められる台数も多いので“朝一番”でなくても大丈夫ですがデメリットもあります。
ここに車を停めて神護寺へと降りる階段を利用するのがいちばん確率が高く、台数も100台以上は停められますが、結構歩かないといけませんし、帰りはきつい上りになります。
料金は「嵐山高雄パークウェイ」の通行料金1,200円(普通車)を支払えば、駐車料金は特に必要ありませんし、「嵐山高雄パークウェイ」の紅葉ドライブも楽しめます。
神護寺だけ参拝する、というなら嵐山高雄パークウェイの高雄大駐車場がおススメですね。
市営高雄観光駐車場
Kyotaroがいちばんおススメする駐車場が「市営高雄観光駐車場」で1,040円かかります。
「市営高雄観光駐車場」に停めるなら“朝一番”を目指したいですね。
週末、連休なら朝8時、平日でも9時には到着したいところです。
高雄山神護寺からいちばん離れた駐車場になるのですが、“高雄三尾”をすべて拝観する行ったり来たりすることもなく効率よく“高雄三尾”をめぐることができます。
高雄観光駐車場→栂尾山高山寺→槙尾山西明寺→高雄山神護寺→高雄観光駐車場のルートであれば3時間以内で“高雄三尾”を巡ることができます。
神護寺参道の手前にある「高雄橋」から「高雄観光駐車場」までは高雄観光ホテル第二駐車場を経由して徒歩15分の距離です。
公共交通機関を利用する
自家用車ではなく、公共交通機関を利用する場合は路線バスを利用しましょう。
京都駅からJRバス、京都四条烏丸から市バスがそれぞれ出ており、京都駅から約50分、京都四条烏丸から約45分の所要時間です。
但し、路線バスの場合はどうしても紅葉シーズンは京都市内の渋滞影響を受けてしまうので1時間以上かかることは覚悟しておきましょう。
京都四条烏丸は阪急電車の烏丸駅、市営地下鉄烏丸線の四条駅が接続しています。
神護寺へのアクセスと駐車場について
■高雄山神護寺
TEL:075-861-1769
〒616-8292 京都府京都市右京区梅ケ畑高雄町5
拝観料金 大人600円 小学生300円
拝観時間 9:00~16:00
アクセス 自家用車又は路線バスを利用
・京都駅からJRバス高雄・京北線「栂ノ尾・周山」行、「山城高雄」下車、徒歩20分
・四条烏丸から市バス8系統乗車、高雄下車、徒歩約20分
・自家用車、名神高速京都南IC又は京都東ICから約60分
駐車場 参拝者専用なし ※周辺駐車場利用(有料)
※高雄観光ホテル第二駐車場、高雄大駐車場、高雄観光駐車場の有料駐車場を利用。
まとめ
“高雄三尾”のひとつ高雄山神護寺の紅葉見どころと便利なアクセス方法について紹介しました。
神護寺は“高雄三尾”のなかでいちばん難所であり、境内まで石段400段を上がらねばならず、境内に辿り着いてからも金堂へはさらに石段を上がらないといけません。
その分、見どころも多く、国宝や国の重要文化財指定の堂舎や仏像が多く安置されており、弘法大師(空海)ゆかりの地でもあるため一年を通じ、多くの参拝者が訪れます。
400段もある石段をあがったご褒美として秋のシーズンは美しい紅葉を堪能できますし、地蔵堂の先には錦雲渓(きんうんけい)の絶景をも楽しむことができます。
毘沙門堂あたりから金堂へと続く石段の紅葉は観光ポスターなどでもよく紹介される景観なのでぜひシャッターポイントとして押さえておきましょう。
あなたもぜひ、“高雄三尾”へお越しください。
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