京都府立植物園の見どころは?100周年を迎えた日本最古・公立総合植物園の魅力

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京都在住のブロガーKyotaroです。

今回は1924年開園、100周年を迎えた日本最古の公立総合植物園「京都府立植物園」の紹介です。

川端康成の小説『古都』に登場するクスノキ並木や、日本最大級の観覧温室など、歴史と文化に彩られた園内で、四季折々の植物と触れ合える「生きた美術館」と呼ばれる植物園の魅力に迫ります。

詳しく見ていきましょう。

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京都府立植物園の魅力とは?園内見どころめぐり

京都府立植物園は、日本最古の公立総合植物園として100年以上の歴史を誇る、まさに生きた文化財です。

川端康成の小説『古都』にも描かれたクスノキ並木や、平安京以前の原生林を今に残すなからぎの森など、文学や歴史を感じながら歩けるのが大きな魅力です。

都会の真ん中にありながら、園内では広大な敷地と多様な植生によって四季折々の自然を堪能できます。

特に、日本最大級の観覧温室では世界中の珍しい植物を巡ることができ、春と秋にはバラ園が華やかな香りで満たされます。

このように単なる庭園ではなく、歴史と自然が織りなす奥深い魅力に満ちた、訪れる人々を心から癒してくれる特別な場所としての役割を果たしている京都府立植物園の魅力について今回は紹介します。

くすのき並木

京都府立植物園の正門をくぐると、まず目に飛び込んでくるのが、樹齢100年を超える堂々としたくすのき並木です。

このくすのき並木は、川端康成の代表作「古都」にも登場する舞台として有名で、主人公の佐田千重子と、彼女の周囲の人々が京都府立植物園を訪れる場面が描かれています。

「古都」は何度か映画化もされており、主人公の佐田千重子役には、時代ごとに岩下志麻さん、山口百恵さんという大女優が演じてこられました。

特に、呉服問屋の大友宗助が好んだ場所として、園内のくすのき並木が繰り返し登場します。

大正13年の開園当時からこの場所で来園者を迎え入れてきた木々は、その圧倒的な存在感で、訪れる人々に植物園の歴史と威厳を静かに語りかけてくれます。

新緑の季節には鮮やかな緑の葉が光を浴び、木漏れ日が心地よい空間を作り出し、初冬には黄色く色づいた葉が地面に絨毯のように広がり、季節ごとの美しい景色を楽しむことができます。

ここを歩きながら、くすのき並木を通り抜けるそよ風がとても心地よいので、ぜひ訪れて頂きたいスポットですね。

ばら園

初夏を代表する見どころの一つがばら園で、くすのき並木の南に隣接しており、比叡山を借景にしたロケーションも魅力の一つで、名峰と名花を同時に楽しむことができます。

毎年春(4月中旬~5月下旬頃)は、ばら園が最も華やかになる時期で約250種、1,500株ものバラが咲き誇るその光景は、まさに圧巻です。

赤、白、ピンク、黄色など、色とりどりのばらが甘く芳醇な香りをあたり一面に漂わせ、園内を華やかに彩ります。

春に比べると花の数は少ないものの、夏と秋にもバラを楽しむことができ、夏ばらは一輪一輪が力強く咲き、香りも芳醇です。

秋ばら(10月中旬~11月上旬頃)は、気温が下がることで花の色がより鮮やかになり、透明感のある美しさを楽しめ、春とはまた違った趣があります。

一つひとつの品種に付けられた名前や、バラの歴史をたどりながら散策するのも楽しみ方の一つ。

まるで絵画の中にいるかのような幻想的なひとときを過ごすことができます。

植物生態園

京都府立植物園の植物生態園は、「日本の森」と名付けられ、日本各地の山野に自生する植物を、できる限り自然に近い状態で植栽・展示しているエリア。

植物生態園の最も重要な役割の一つが、絶滅危惧種の保全です。

ヌマスギは湖沼の水面まで伸ばした根の先で呼吸している

約1,000種の植物が展示されており、その中には希少な絶滅危惧種も多く含まれています。

例えば、京都府内で絶滅の危機にあるスズムシバナなど、貴重な植物を間近で観察できます。

日本の気候風土を再現しているため、四季折々の変化を楽しむことができ、春には水芭蕉や湿生植物が咲き、秋には紅葉が水面に映り込むなど、季節の移ろいを感じながら、まるで里山を散策しているかのような気分を味わえます。

ここでは、人為的な手が加えられ過ぎていない、ありのままの植物たちの姿を観察することができ、四季折々の変化を肌で感じられるのが魅力です。

針葉樹林

京都府立植物園の針葉樹林は、広大な敷地の中でも特に静かで落ち着いた雰囲気を持ち、都会の喧騒から離れた静寂なエリアです。

広葉樹とは異なる独特の景観と香りが楽しめ、まるで日本ではない異国の森を感じられます。

針葉樹林の見どころとして、珍しい樹種の宝庫で、生きた化石といわれるメタセコイアやレバノンスギ(※2018年の台風で折れ切株が残る)、園内で最も背の高いセンペルセコイアなど針葉樹特有の清々しい香りに包まれながら、深い森の中を歩くような感覚を体験できます。

なんとジュラシックツリーもすくすく育っていて、これは必見ですね。

夏でも涼しく、冬には雪をまとった木々が幻想的な景色を作り出し、一年を通して落ち着いた雰囲気の中で森林浴を楽しむことができます。

なからぎの森

京都府立植物園の「なからぎの森」は、単なる植物の展示エリアではなく、京都の歴史と文化を色濃く残す貴重な場所です。

園内で最も古い歴史を持ち、賀茂川の氾濫を防ぐために植えられたことから「水防林」とも呼ばれていました。

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その名の由来は、森の中央に鎮座する「半木(なからぎ)神社」に由来し、上賀茂の森にあった流木神社が、賀茂川の洪水によって流され、この地に流れ着いたことが起源とされ、「流れ木」が「なからぎ」に転じたという説が有力。

古来よりこの地の信仰の対象でもあり、神秘的な雰囲気が漂っています。

樹齢数百年を数えるケヤキやムクノキなどの巨木が林立し、その力強い姿は悠久の時を物語ります。

1924年(大正13)に京都府立植物園が開園した際、この「なからぎの森」は、人工的な植栽や整備を加えずに、ほぼ自然のままの姿で保存されました。

これにより、当時の京都の自然環境を今に伝えるタイムカプセルのような役割を果たしています。

観覧温室

まるで熱帯のジャングルに迷い込んだかのような体験ができるのが京都府立植物園で必見の施設・観覧温室です。

観覧温室は、日本国内でも最大級の広さを誇り、約4,500種類の熱帯・亜熱帯植物が展示されています。

まるで唇のような「ホットリップス」

国内では珍しい植物や、日本で初めて開花した植物など、学術的にも貴重な植物が多く見られます。

例えば、仏教三霊樹(インドボダイジュ、サラノキ、無憂樹)や、プエルトリコ原産の絶滅危惧種コッコロバ・ルゴサなどが植栽されています。

回遊式の順路は全長413メートルにも及び、熱帯雨林、砂漠、高山など、「熱帯花木室」「ジャングル室」「サバンナ室」など異なる気候条件を再現した9つの空間と中庭で構成されています。

特に、巨大なガジュマルの根や、珍しい食虫植物、熱帯スイレンなどが咲く光景は圧巻です。

ガラス張りの温室の中で、雨の日でも植物の多様性と生命力に触れることができ、天候に左右されず楽しめるのが魅力的ですね。

※2025年4月1日より、入園料の改定(一般500円、65歳以上・高校生250円、中学生以下無料)が行われ、それに伴い観覧温室のルールが変更されました。これまでは植物園の入園料とは別に温室の観覧料が必要でしたが、入園料または年間パスポートのみで観覧温室にも入室できるようになりました。

100年の歴史が育む緑の宝庫

京都府立植物園は1924年(大正13)1月1日に開園した、日本で最も古い公立の総合植物園として有名です。

2024年に開園から100年を迎えた京都府立植物園の歴史について振り返ります。

開園当初

京都府立植物園は1924年(大正13)に、京都の地に開園しました。

当時は、農業の振興や試験研究を目的とした役割も担っており、人々の暮らしに密着した存在でした。

また、博覧会のようなイベントの開催地としても利用され、開園当初から多くの市民に親しまれていました。

植物園の整備には、造園家や植物学者の知恵と情熱が注がれ、現在の豊かな緑の基盤が築かれました。

戦時中

第二次世界大戦が始まると、食糧難の時代となり、植物園は食糧増産の場として利用されることになりました。

一部の温室は野菜栽培に転用され、美しい観賞植物の多くは撤去を余儀なくされました。

一時的な閉園期間もありましたが、戦禍を乗り越え、植物園は再び開園する日を待つことになります。

この苦難の時代は、植物園がただの鑑賞の場ではなく、人々の生活に深く関わる重要な存在であったことを示しています。

戦後

戦後、焼け野原となった京都の復興とともに、植物園も再び市民の憩いの場としての役割を再開しました。

多くの市民からの強い要望もあり、植物園の再建が急ピッチで進められました。

荒廃した園内の整備が行われ、再び多種多様な植物が植えられました。

この時期、植物園は心の安らぎを求める人々のオアシスとなり、植物の力で人々に希望を与え続けました。

1960年代

高度経済成長期に入ると、植物園は学術研究の場としての重要性を増し、大規模な再整備が行われました。

特に、多様な植物が生息する「なからぎの森」の整備はこの時期に行われ、日本の植物園のモデルケースとなりました。

この時期から、単なる植物の展示だけでなく、植物学の教育や啓発、環境保全といった役割にも力を入れるようになります。

現代の総合植物園としての骨格がこの時期に形成されたといっても過言でありません。

そして現代、令和の時代

開園100周年を迎えた現在、京都府立植物園は、1万2千種を超える植物を保有する国内有数の総合植物園となりました。

絶滅危惧種の保全や研究にも力を入れ、未来に緑を引き継ぐ重要な役割を担っています。

市民に親しまれる憩いの場であると同時に、植物の多様性を守り、未来に伝えるための「緑の宝庫」として、その使命を次世代へと繋いでいます。

京都府立植物園へのアクセスと駐車場について

●京都府立植物園
TEL:075-701-0141
〒606-0823 京都府京都市左京区下鴨半木町
◆入園料金 一般500円 65歳以上・高校生250円
※中学生以下は無料
※入園料又は年間パスポートのみで観覧温室も入室いただけます
◆開園時間 9:00~17:00まで(入園は16時まで)
◆休園日  12月28日から1月4日まで
※季節やイベントによって開園・開室時間が異なる場合がありますので、本日の開園状況でご確認ください。
◆アクセス
・京都市営地下鉄「北山駅」下車3番出口すぐ(北門)、又は「北大路駅」下車3番出口を東へ徒歩約10分(正門)
・京阪「出町柳駅」から市バス1系統又は京都バス「静原」「市原」行き、「植物園前」下車徒歩約5分
◆駐車場  専用駐車場あり(300円/1H、1日最大料金1,200円)


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まとめ

京都府立植物園は、ただ美しい花や木々を楽しむだけの場所ではありません。

100年の歴史の中で多くの人々に愛され、育まれてきた物語が、この場所には深く根付いています。

開園以来、植物の保護・研究という重要な使命を担いながら、常に時代の変化に対応し、進化を続けてきました。

四季の移ろいとともに表情を変える豊かな自然、そして先人たちが築き上げてきた歴史の重み。

これらが一体となり、この植物園の唯一無二の魅力を形作っています。

100年という節目を迎え、これからもこの緑の宝庫は、私たちに多くの感動と安らぎを与え続けてくれることでしょう。

過去を敬い、未来へ繋ぐ植物園の物語を、ぜひ肌で感じてみてください。

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この記事を書いた人
Kyotaro

京都在住、念願の京都に1戸建て住宅を新築購入した既婚の54歳、フツーの会社員からフリーランスに転身。子供は3人で男ー女ー男の“二太郎+一姫”。将来は奥さんと京都でお洒落なカフェを営むことができればいいな、とささやかな夢を持っています。どうぞよろしくお願いします。

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