京都在住のサラリーマン・ブロガーことKyotaroです。
2020年4月7日に日本国内7都市に発令された「緊急事態宣言」により、Kyotaroも職場が大阪なので職業柄テレワーク、本格的な休業になりました。
3月下旬から週末ごとに出された知事からの外出自粛要請による観光業界への影響も甚大です。
ここまで人の動きが止まると全国の観光都市に与える影響はおろか、街の飲食店にも大きな影響を与えてしまいます。
京都も決して例外ではありません。観光都市・京都が受けている影響についてレポートします。
度重なる外出自粛要請で京都への観光客はどうなったの?
2020年1月28日奈良県のバス運転手が新型コロナウィルスに感染したというニュースが流れました。
中国からの観光客を乗せてバス車内での“濃厚接触”が原因で感染した、というニュースが日本中に衝撃を走らせました。
1月29日夕刻、Kyotaroも仕事中に違和感を感じることになります。旅行の新規申し込みを上回る勢いで旅行のキャンセルがあり、一日の受注がマイナスに。
ここから日本経済、世界経済へ大きな影響を与える事態が始まりました。
海外からの観光客が激減した2月
毎年、1月から2月にかけての春節、旧正月時期は中国からのインバウンド観光客が大勢、日本へやって来ます。
札幌雪まつりを始め、日本国内のイベントや観光都市・京都が多くの観光客で賑わうシーズンです。
2020年はコロナウイルスの影響もあり、2月後半頃から京都の街も閑散としています。
2000年頃は2月の京都といえば閑散時期でそんなに観光客は多くなかったのですが、その当時を思い出します。
ここ10年、2月の京都は桜が咲いてなくても円山公園は観光客で賑わい、隣接する八坂神社も参拝客で賑わいます。
また祇園の繁華街も多くの人通りで平日休日関係なく冬の閑散期でも京都は観光客で埋め尽くされるという印象でした。
改めて人のいない京都の街を目の当たりして感じたことは、いつ行っても年中、京都はインバウンド観光客だらけで混雑してるな、という状態が当たり前になってたんですね。
「スイてます」逆手の誘客キャンペーン展開
観光地に人が来ないこの環境を逆手にとって打破しようとした自治体があります。
京都を代表する観光地「嵐山」が打ち出した「スイてます」キャンペーンです。
嵐山・嵯峨といえば、渡月橋やあのテレビCMで有名になった“竹林の道”があります。
渡月橋は橋から人が溢れんばかりになり、普段静かな竹林の道は人の大渋滞で風光明媚な風景が台無し、写真もろくに撮れない状態が当たり前になっていたのです。
でも今なら、人も少なくゆったり観光できますよ、観光地の混雑もありませんよ、と人がいないことを逆手にとったキャンペーンを展開したのです。
その効果もあってか3月3連休には日本人観光客が大勢押し掛ける“嵐山・嵯峨”に戻っていたのです。
コロナウィルスがもたらしたオーバーツーリズムへの反省
自分が観光しようとする時、誰もが混雑を避けたいと思うものですよね。
Kyotaroもどっちかというとその方がゆっくり観光できるし、そういう時期、時間帯を選んで観光に行きます。
2・3月に京都の街へ出て感じたのは“人が少なくてとても快適”“この景色がひとり占めできる”という懐かしい満足感でした。
訪日観光客数だけ追い求めた国の施策
昔から京都は桜と紅葉の時期が観光シーズンで人気があったのですが、人に酔うほどではありませんでした。
人に酔う日があっても11月3連休の初日くらいのもの。
年間の訪日観光客数4,000万人を掲げるようになり、最近はどこの観光地もシーズン中は東京の満員電車のような感覚になるほどです。
人にもみくちゃにされ、気分が悪くなり、引き返そうにも引き返せない、ある意味、危険を感じるような状態です。
“程よい混雑”は許されるのですが、“定員オーバーした混雑”は転倒、盗難などの危険すら生み出しますからね。
あなたは満員電車のような京都に行きたいと思いますか?
オーバーツーリズムの元凶がもたらすもの
実際に人のいない京都の街を出歩いてると感じたことがあります。
「すいてるし、観光地に行っても写真撮影にそんなに気を使わなくてもいいなァ」というある種の観光地をひとり占めできる優越感、快適空間を感じることができました。
ひと昔前に当たり前のことでしたが、近年は海外からのインバウンド客増加に伴って年がら年中、閑散期なのに人、ひと、ヒトだらけの京都。
京都はいつ行っても人が多く混雑する現象にうんざりする日本人観光客も多かったようですね。オーバーツーリズムの元凶とも言える現象。
むしろこれが原因で2019年紅葉の京都は年間でいちばん人気があるシーズンに敬遠され、ホテルの客室稼働率が下がったのです
2019年秋の京都が人気観光地としてのランキングが下がった大きな原因は、インフラ整備を後回しにしてとにかく年間訪日観光客数に拘った結果です。
これは京都に限った話ではありませんが、特に京都は酷かった。国内観光客をないがしろにすることがホテルや観光地で働く人々にとっても決して本意ではないはずですからね。
海外からの観光客は世界情勢に左右されることも多く、昨年の韓国との関係悪化などにみられるように顕著に政治がらみの影響を受けるのが観光業という一面もあります。
今回の新型コロナウイルスによる観光客減で海外だけでなく、国内観光客まで減ってしまった今だからこそ見直せることもあるでしょう。
日本人は真面目?自粛要請が与える強制力と海外との大きな違い
最後に京都観光という観点ではありませんが、今回の自粛要請から見えた日本人の国民性についてふれておきます。
海外メディアからの批判にもなってますが「なぜ、ロックダウンしないのか?」という点について、そもそも日本はそこまで法整備が成されていないので「できない」事情が根底にありますね。
法整備なくいきなり勢いだけでやってしまうのはまさに「独裁国家」ですからね。
自粛要請でも効果がある日本人のいい所
法整備はされていないけど、国が外出自粛要請をすれば日本人はそれに従い、各国の「ロックダウン」措置に近いくらい、夜の街や観光地から人の姿は消え、空港や駅ターミナルは閑散としています。
ここは日本人の良い所でもあり、悪い所でもありますね。
海外との大きな違いは「人権」というものへの解釈の違いにあるのではないでしょうか。
具体的に言うと日本では「人権」とは与え続けられてきたものである、ということ。
一方海外、特に西洋の歴史をみても明らかなのは「人権」とは国家から自分を守るために自ら獲得してきたもの、というくらい「人権」に対する認識の大きな違いがあるのです。
だから「フランスなど諸外国の外出禁止措置は厳しい」と思う人も多いかもしれません。
でも実際は、自粛要請で動かない日本人以上にフランスをはじめアメリカなど海外の人達の方が今でも網の目を縫うように動き回ってるのです。
これは紛れもない事実です。
日本人に欠ける多様な視点
自粛要請だけである一定の強制力に近い効果がある日本人。実は先ほど申し上げた“悪い所”が左右してるのです。
それは日本人に多様な視点が欠落してる、短所が作用してるとも言えるのです。
あたかも外出自粛要請にも強制力があるような効果があるのは、コロナ感染者数の増加だけに踊らされ、コロナを封じ込めることに躍起になり過ぎて、その後起こる違う問題に気付かなさすぎる点。
コロナウイルスを封じ込めるのは大切だがそのために起こる違う諸問題が見えていない。そういう視点が欠落してるということ。
コロナ感染者が増えて重篤者が増えることと経済の動きを止めて多くの企業が倒産すること、果たしてどっちが後の日本に恐ろしい結果をもたらすのか?
このふたつの視点を同時に持たないことの方が問題だとKyotaroは思います。
だから多くの日本人はマスコミ報道に左右されやすく、単純すぎるのが短所なんですね。
まとめ
今回はコロナ騒動のなか、ブログ運営をしていて思うことをレポートさせて頂きました。
京都の観光地ではまだ桜を楽しめるスポットもまだまだありますし、人が少ないと言っても全く観光客がいないわけではありません。
一日も早いコロナウイルスの終息を願うばかりです。
コメント