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京都在住のブロガーKyotaroです。
祇園祭のメインイベントのひとつ、宵山は山鉾の提灯に明かりが灯る幻想的な光景が京都の山鉾町に広がり、毎年大勢の観光客で賑わいます。
実は、その宵山の出店が終了する22時以降、深夜にかけて町中を練り歩く「日和神楽(ひよりかぐら)」の行事をご存知でしょうか?
今回は前祭の日和神楽を追っかけに行って来ましたので綾傘鉾、船鉾、岩戸山、函谷鉾、長刀鉾の様子を紹介します。
日和神楽とは?その概要と開催日時について
祇園祭の宵山(前祭:7月16日、後祭:7月23日)の夜に行われる「日和神楽(ひよりかぐら)」は、翌日の山鉾巡行の晴天と無事を祈願する重要な行事。
各山鉾町の囃子方が、車のついた移動式の屋台に鉦や太鼓を据え付け、祇園囃子を奏でながら練り歩きます。
ここでは「日和神楽」の概要と開催日時について紹介します。
日和神楽の目的
翌日の山鉾巡行の晴天と無事を祈願する行事。
開催日時
日和神楽は前祭、後祭の宵山終了から深夜にかけて行われます。
開催日時はそれぞれ前祭は7月16日、後祭は7月23日の21時頃から深夜にかけて行われますが、時間は年によって多少のばらつきがあり、固定されているわけではありません。
日和神楽への参加山鉾
各山鉾町が参加をして行われる行事なのですが、すべての山鉾町が参加するわけではなく、囃子方を持つ山鉾町のみが参加、日和神楽の行事を行います。
ちなみにKyotaroが追跡した前祭は長刀鉾、函谷鉾、月鉾、船鉾、鶏鉾、放下鉾、菊水鉾、岩戸山、四条傘鉾、綾傘鉾が主な参加の山鉾町です。
今回紹介するのは長刀鉾、函谷鉾、船鉾、岩戸山、綾傘鉾の5つを見ることができました。
主な訪問先
日和神楽の主な訪問先は、八坂神社四条御旅所(四条寺町)、長刀鉾のみ八坂神社本宮にも参拝。
その他、各山鉾町が「寄町(よりちょう)」と呼ばれる縁のある町を訪問することもあり、それぞれルートが異なります。
日和神楽の特徴
「日和神楽」という名前のとおり、深夜近くの町を練り歩くのは山鉾そのものではありません。
日和神楽とは祇園囃子を奏でる、提灯が飾られた屋台のことです。
他の山鉾の囃子方とすれ違う際には、それぞれの囃子が重なり合い、祇園祭の情緒を一層深めます。
感動!各山鉾町の日和神楽を実際に拝見
日和神楽のルートや到着時間は、その年の交通状況や混雑具合によって変動し、固定されているわけではありません。
おおよその目安として今回、Kyotaroが拝見できた山鉾町の日和神楽を以下に紹介します。
1.長刀鉾(なぎなたほこ)
前祭の山鉾巡行の先頭を行く、主役の長刀鉾は宵山が終了する22時頃に長刀鉾町(四条烏丸東入ル)を出発します。
ルートは四条通を東へ進み、八坂神社へ向かいます。
他の山鉾が御旅所(四条寺町)までであるのに対し、長刀鉾は八坂神社本宮まで参拝し、23時頃に祇園囃子を奉納します。
そして、そのまま歩行者天国が終了している四条通を堂々と戻って長刀鉾町(京都大丸付近)まで戻ってきます。
今回、函谷鉾の日和神楽によるお囃子奉納を日航プリンセス京都の前で拝見して四条通へと北上してる際に“コンチキチン”の音色が聞こえてきたのでダッシュして何とか見届けることができました。
到着後に三本締めされてました(笑)。
2.函谷鉾(かんこほこ)
函谷鉾は21時頃に函谷鉾町(四条西洞院東入ル)を出発して、まずはじめに四条寺町にある四条御旅所へ向かいます。
四条御旅所のあとは、四条通沿いを練り歩き、松原通方面へ。
松原通の日和神楽では函谷鉾はあまり見られないとされますが、因幡薬師堂まで来ずに途中、間之町通を高辻通まで北上、西進して「ホテル日航プリンセス京都」の玄関前でお囃子を奉納します。
終了後に粽の授与があったのでうまくゲットできました。
3.綾傘鉾(あやがさほこ)
綾傘鉾は21時頃に綾傘鉾町を出発して同じく四条寺町の四条御旅所へ向かいます。
また、宮川町(花街)方面にも向かうことが知られており、舞妓さん、芸妓さんが華を添えてくれます。
宮川町(花街)方面から松原通を通る山鉾の一つで、因幡薬師堂方面へと巡行、因幡薬師堂の前で棒振り踊り(22:50頃)が行われ、ホテル日航プリンセス京都でのお囃子奉納は23時を過ぎていました。
比較的ギャラリーも少なくじっくり見られる穴場とされており、実際にゆっくり目の前で拝見できました。
2025年はやや遅い因幡薬師堂の到着でしたが、年によっては22時20分前後に到着することがあるとされ、ホテル日航プリンセス京都に22時40分頃に到着、お囃子奉納することがあるとされます。
4.船鉾(ふねほこ)
船鉾は21時半頃に船鉾町を出発、町内を一周してから四条御旅所(四条寺町)へ向かいます。
松原通を通る山鉾の一つで、そのまま因幡薬師堂まで西進してきます。
2025年は23時20分頃に因幡薬師堂前へやって来ましたが、これも例年と比べてかなり遅い到着です。
途中、休憩をしていて岩戸山に抜かされていました・・(苦笑)。
岩戸山(いわとやま)
岩戸山は21時過ぎ頃、岩戸山町を出発して四条御旅所(四条寺町)へ向かい、船鉾と同じく松原通まで南下、松原通を西進する山鉾の一つです。
2025年は23時15分頃に因幡薬師堂前へやって来ました。
これは例年と比べてかなり遅い到着で、だいたい船鉾の後に来ることが多いのですが、2025年は途中で追い越して船鉾より先に因幡薬師堂前へ到着していました。
このあたりの動きは、やはり例年の混雑状況等に左右されるため、なかなか一概に「何時に来る」とはならないようです。
全体的なルートと到着時間の目安(共通)
日和神楽は各山鉾町を21時?21時半頃に出発し、四条御旅所へ向かいます。
長刀鉾のみ、特別で八坂神社まで行き、祇園囃子を奉納します。
その他、具体的なルートや到着時間は年によって異なるため、あくまで目安として捉えてください。
◆全体的なルートと到着時間の目安
各山鉾町出発: 21:00~21:30頃
八坂神社四条御旅所(四条寺町)到着: 21:15頃(長刀鉾除く)
因幡薬師堂付近: 22:20頃(綾傘鉾、船鉾、岩戸山など)
ホテル日航プリンセス京都付近: 22:40頃(綾傘鉾、船鉾、岩戸山など)
大丸前: 四条通を通過する山鉾は、21時半以降に順次通過
各山鉾町への帰着: 深夜0時30分頃まで続くことがあります。
注意点として、日和神楽の行われる夜は、宵山で大変な人出となり、特に四条通は相当な混雑が予想されます。
各山鉾のルートは年によって若干の変更があると思っていたほうが良いかもしれません。
時間帯も同じく、あくまで目安であり、2025年のように当日の進行状況によって大幅に前後します。
が、その不特定な状況を当日探りながら、日和神楽を追いかけるのもひとつの楽しみと捉えて宵山深夜の行事に臨みましょう。
まとめ
今回は宵山深夜に行われる風物詩「日和神楽」の紹介でした。
宵山を訪れたほとんどの人が出店のある夜祭の雰囲気を味わって帰る人が多い中、知る人ぞ知る!「日和神楽」の追っかけ。
宵山後の静寂な京都の夜に、祇園囃子の音色が響き渡る日和神楽は、祇園祭ならではの情緒を感じられる貴重な機会です。
ぜひ、それぞれの山鉾の音色と、夜の京都の雰囲気を楽しんでみては如何でしょうか。
※遠方の方は、公共交通機関の最終時刻にくれぐれも注意して観賞しましょう。
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