京都在住のブロガーKyotaroです。
京都東山にある円山公園の奥に平家物語ゆかり、平清盛公の娘「建礼門院」がご出家されたという「長楽寺」があります。
東山の麓にひっそりと佇み、京都の繁華街である祇園から近いわりに普段は参拝者が少ない寺院で京都でも穴場のスポットです。
今回は八坂神社、円山公園を通り過ぎ、祇園から歩いて5分程で行ける長楽寺の紹介です。
京都の長楽寺境内の見どころについて
京都の長楽寺は円山公園のさらに奥、東山の麓に佇む小さな寺院です。
かつては現在の円山公園や大谷祖廟あたりもこの「長楽寺」の敷地であったとされ、広大な敷地面積を誇る寺院であったと云われます。
京都の穴場としておすすめの「長楽寺」の見どころについて見ていきましょう。
相阿弥が造った庭は池泉鑑賞式庭園
京都長楽寺の庭園を作庭したのは相阿弥であり、足利八代将軍の義政の命によって東山慈照院(銀閣寺)庭園の試作として造った庭園であると云われています。
境内にある平安の滝の水を落として“苑池”とする池泉鑑賞式庭園であり、とても静かでその景観を独り占めできる確率がとても高い穴場でもあります。
Kyotaroが6年前に来た2014年の時より、やや手入れが行き届いてないのかな?と思われたので残念でした。
ですが、相阿弥が作庭したこともあり、自然と調和した美しい庭園である事に変わりはありません。
受付でお願いすれば、庭園を眺めながらお抹茶(500円)も楽しむことが出来ますので時間に余裕があるあなたはぜひお試し下さい。
庭園の拝観所には建礼門院像が安置され、お参りできるようになっており、また本当に静かなので写経に没頭する事も出来ます。
京都は人が多いイメージがあると思いますが、ここは本当に人も少なくて静かで都会の喧騒から隔離された穴場なのでおすすめです。
本堂
山門から石段を上がった先、青もみじの間に見えるお堂が本堂です。
御本尊は准胝観世音菩薩像を祀り、開基である伝教大師御親作として長楽寺が創建されました。
本殿は1666年(寛文6)に造営された京都西賀茂の「正伝寺」仏殿を1890年(明治23)に移築したもので、京都でも数少ない本格的な小規模禅宗様仏殿の遺構として知られます。
建礼門院御塔
本堂の横、鐘楼の前に建つ石塔。
京都の長楽寺は平清盛公の娘にあたる、建礼門院がご出家された寺院として知られています。
壇ノ浦における源平合戦に平家が敗れ入水した建礼門院は救い出された後、1185年(元暦2)5月1日に長楽寺に入られます。
建礼門院はこの長楽寺で出家され、阿証房印誓につき御髪をおろさせられた名残の御髪塔として現在も境内に残っています。
平安の滝
境内の奥にこんこんと流れる滝で拝観所前の庭園にある池の水はここから引いています。
滝の周辺には石仏群があり、静かな境内に流れ落ちる滝の音が鳴り響きます。
「平安の滝」は名水としても知られ飲むこともできます。
収蔵庫
境内には公開されている収蔵庫があり、「一遍上人像」など重要文化財7体が収蔵されています。
他にも建礼門院の子である安徳天皇の御衣で作った「安徳天皇御衣幡」や「建礼門院御影」、無邪気に遊ぶ「安徳天皇画像」が常設展示されています。
尊攘苑
長楽寺の境内山上墓地にある水戸烈士が眠るお墓です。
徳川慶喜公ゆかりとあるのは、慶喜に仕えて神戸開港に関わった原市之進の墓があるから。後に幕臣に暗殺され、長楽寺に眠っています。
境内奥から墓地へと続く道があるのですが、松平昭訓公の墓、水戸藩留名碑などがある「尊攘苑」への道は整備されておらず、危険な為、おすすめは出来ません。
頼山陽先生之墓
幕末の尊王攘夷運動に大きな影響を与えたのは頼山陽が著した「日本外史」といわれます。
南北朝時代、後醍醐天皇に使えた楠木正成公を称え、天皇家と対立した足利氏を批判する思想が幕末の尊王攘夷に繋がっていったのです。
1832年(天保3)に亡くなり、本人の遺言通り長楽寺に埋葬されました。
頼山陽の墓地は「尊攘苑」より下にあり、ここは長楽寺の墓地にもなっており、ここから京都市街が木々の間から眺めることができます。
天気が良ければ愛宕山から西山連山が美しく眺望できます。
長楽寺の歴史と由緒について
長楽寺創建は805年(延暦24)桓武天皇の勅命により伝教大師を開基とした。
古来より勅願所として歴代天皇のご帰依も深く、御本尊は御即位時のみ御開帳される秘仏の観音様である。
古来より「洛中随一絶景の霊地」として文人墨客からも愛でられ、「今昔物語」「山家集」「平家物語」など有名な古典にその名が数多く記されています。
背後にそびえる長楽寺山は“東山三十六峰”の中心にあたり、山頂には将軍(坂上田村麻呂)塚を祀り、昔から京都の人々に崇められてきた歴史があります。
平安の頃まで天台宗の別院であったが、室町初期に一代の名僧、国阿上人に譲られ時宗(宗祖一遍上人)に改まり、明治39年時宗総本山格の名刹七条道場金光寺が長楽寺に合併。
当時は現在の円山公園のほとんどを敷地に持つ大寺院であったが、大谷祖廟建設時に幕命により、境内地を割かれることとなります。
また、明治になってから境内の大半を円山公園に編入され、現在の寺域となる。
境内に寺宝として安置される秘仏が多いのは長楽寺の歴史が大きく関係しているのです。
長楽寺への行き方と最寄駅は?
京都の長楽寺への行き方と最寄駅についてまとめました。
最寄駅は京阪京都線「祇園四条駅」で徒歩約15分、次いで阪急京都線「京都河原町駅」で徒歩約20分の距離です。
位置的に八坂神社の奥にある円山公園のさらに奥、大谷祖廟に隣接した小さな寺院です。
行き方は京阪京都線「祇園四条駅」から歩いて八坂神社、円山公園を通り抜けて徒歩で行く方法となります。
八坂神社や円山公園までは観光客がとても多いのですが、円山公園から大谷祖廟への参道沿いに坂道へ入ると急に人通りは少なくなります。
そのまままっすぐ歩いて行った突き当りが長楽寺の山門となります。6月のこの季節は参道の灯籠沿いにあじさいの花が咲き誇ります。
長楽寺へのアクセスと駐車場について
■黄台山長楽寺
TEL:075-561-0589
〒605-0071 京都府京都市東山区八坂鳥居前東入ル円山町626
拝観時間 6:00~17:00 ※木曜休館
拝観料金 高校生以上500円 小中学生250円
アクセス
・京阪京都線「祇園四条駅」下車、徒歩15分
・阪急京都線「京都河原町駅」下車、徒歩20分
・市バス「京都駅」発206系統「祇園」下車、徒歩8分
駐車場 専用駐車場なし※円山公園市営駐車場を利用
まとめ
今回は観光客に人気の京都東山にある穴場「黄台山長楽寺」の紹介でした。
平家物語ゆかりの地として、平清盛公の娘である建礼門院が壇ノ浦での源平合戦に敗れた後、入水するも死にきれず、この地で出家したという由緒ある寺院です。
長楽寺の境内は青もみじに囲まれ、緑苔が映える景観で相阿弥が造ったという「庭園」と境内奥に佇む「建礼門院御塔」は幻想的な佇まいです。
境内山上にある墓地から眺める京都市街地は絶景であり、頼山陽先生はこの風景を眺めながら今も長楽寺で眠っておられます。
京都の長楽寺は歴史ファンのあなたにはぜひ訪れて貰いたい、でもあまり“人に教えたくない寺院”です。
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