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京都在住のブロガーKyotaroです。
京都洛北エリアに位置する上高野にある「三明院」は知る人ぞ知る、京都の隠れ紅葉スポットのひとつ。
近づくと多宝塔がそびえ立っているのですが、周辺は閑静な住宅街、田んぼが広がり、なかなか辿り着けない?そんな錯覚に陥る人も多いのではないでしょうか?
今回は隠れた紅葉名勝の楽しみ方と行き方、そして周辺観光の楽しみ方を紹介させて頂きます。
三明院は京都の隠れた紅葉名勝、見どころと行き方
三明院は正式名称を延壽山三明院といい、真言宗醍醐寺派の寺院です。
元々、山形県にあった寺院で御本尊に弘法大師、不動明王、歓喜天を祀っていますが、創建年代等は未だによくわかっていません。
京都市街から外れた京都洛北の上高野にある閑静な住宅街のシンボリックな存在でもあり、近づくと色鮮やかな多宝塔が目に入ってきますが、なかなか辿り着けない立地になっています。
そんな三明院の見どころと行き方について紹介します。
三明院の見どころ
三明院の見どころは何といっても存在感のある「多宝塔」です。
また境内は紅葉が美しいスポットになっていますが、ほとんどガイドブックで紹介されることもないのですが、秋の紅葉は必見の価値あり、特に夕刻、陽が沈みかけの頃に反射するもみじと多宝塔が絶景を作り上げます。
多宝塔
現在の多宝塔は1961年(昭和36)に建てられたもので下から見上げると鉄筋造りの建物であることが伺い知ることができます。
周辺住宅街の中でもひときわ目を惹く建物で地元のシンボル的な存在となっています。
紅葉シーズンになると周囲の樹々が紅葉して燃えるような景観を創りあげ、京都の隠れた紅葉名勝となっています。
また多宝塔の中には入れませんが、周囲は歩いて一周できるようになっていて上高野の街並みや岩倉の街並み、京都国際会館やザ・プリンス宝ヶ池、遠くは愛宕山まで見渡すことができます。
山門付近、参道石段、境内など様々なアングルから異なる紅葉絵巻が楽しめ、普段はほとんど人が訪れることがないため、おすすめのスポットです。
山門
山門はとても小さく、あまり目立たないのですが、もともと山形県にあった寺院が訳ありで京都に移築されてきたとのこと。
京都での開山は1964年(昭和39)に上高野出身の佐竹信光和尚によるものです。
山門前に立つと紅葉があまりに美しいのでそちらに気が行ってしまうのですが、山門石段の先には田んぼがひろがり、山門前を左右に細い路地が続いてる、あまり寺院では見かけない景観となっています。
ぜひ、その点も注目してみて下さい。
なかなか辿り着けない、ということが納得いただけます。
参道沿いの羅漢像
山門からやや急な石段を登って境内へと向かいます。
石段途中には表情豊かな羅漢像がお出迎えしてくれます。
本堂
石段をあがった左前方に見える大きな建物が本堂。
御本尊の弘法大師、不動明王、歓喜天が祀られています。
鐘楼
多宝塔の背後に建つのが鐘楼です。
鐘を突くと上高野の街並みに鳴り響き、京都の田舎ならではの雰囲気に包まれます。
石庭
本堂前に広がる苔庭で石が配置され、晩秋には散紅葉が散乱して敷きもみじとなり、緑と紅のコントラストが広がります。
夕刻になると楓の隙間から差し込む陽光が幻想的な風景を創りあげます。
三明院へわかりやすい行き方とは?
三明院、実は多宝塔が上高野のシンボル的な存在と紹介しましたが、初めて行く人はたいていそこに見えてる多宝塔に辿り着けず、困惑する人も多いようです。
いちばんわかりやすい行き方は、近くにある「三宅八幡宮」の鳥居、鳩の狛犬前の右手にある道を進んでいくと山門に辿り着くことができます。
三宅八幡宮の境内を経由して行くことになり、流石にこれはわからないし、反対側も蓮華寺方向に広がる住宅街を通り抜けていくことができますが、こちらから初めての人は絶対に行き方がわかりません。
三明院→蓮華寺は歩いて行くことができますのでこちらのルートはおすすめ、一度このルートを歩いて初めて蓮華寺→三明院への行き方がわかると思います。
三明院は三宅八幡宮を起点に蓮華寺とセットで観光がおすすめ
三明院は上高野の閑静な住宅街、山手にある寺院です。
なぜか京都を紹介するガイドブックにほとんど載っておらず、まさに地元の人は知ってるけど京都を訪れる観光客はほとんど知らない隠れスポットになっています。
また秋の紅葉はとても鮮やかで綺麗なので“隠れた紅葉名勝”にもなっています。
先に紹介の通り、すぐ近くには三宅八幡宮があり、反対側の高野川方面には洛北の古刹として知られる「蓮華寺」まで歩いて行くこともできます。
特に蓮華寺までは上高野の古い街並み、閑静な住宅街を歩きながら水路がある、古き良き街並みを楽しむこともできるのでとてもお勧めのルートです。
三宅八幡宮
三宅八幡宮は上高野にある八幡神社で子育て祈願絵馬124点が国の重要有形民俗文化財に指定されたことで有名、地元では子供の守り神として崇拝されています。
神社にある狛犬は三宅八幡宮では神様の使いとされる「鳩」の狛犬が鳥居前に安置されており、境内いたるところに鳩のデザインや鳩の像が施されています。
本殿・舞殿
境内正面にあるのが舞殿、その背後に本殿があります。
御祭神は第15代天皇、応神天皇(八幡大神)でご利益はおもに子供の守り神として「がん虫封じ」「子供の病気平癒」「夜泣き」「学業成就」の他、虫を退治する「害虫駆除」のご利益もあります。
手水舎
神社といえば手水舎ですが、注目は屋根の上にいる鳩の像、ここにも鳩が祀られています。
参拝の前にお清めを行いましょう。
※花手水はありません。
市川団十郎の井桁
境内にある手水舎の横にある井桁は1890年(明治23)に明治期を代表する名優、劇聖とも呼ばれた九代目市川団十郎が寄付したものです。
おみくじむすび
鳩のおみくじがあるのですが、参拝者が奉納していったものでしょうか?本殿をはじめ灯篭の周囲に鳩がたくさんいたり、おみくじを結びつける「おみくじむすび」の上にもズラッと鳩が並んでいます。
また八幡宮の「八」の字は鳩が向き合っている姿をあらわしており、とにかく三宅八幡宮は鳩がそこらじゅうに祀られています。
名物・鳩もち
また駐車場は基本的に参拝者無料なのですが、三明院まで行くなど三宅八幡宮以外にも出かける場合は駐車料金500円を八幡茶屋に払い必要があります。
この八幡茶屋には名物の「鳩もち」が売っています。
蓮華寺
三明院の山門を出て右方向が三宅八幡宮ですが、反対の左方向は上高野の閑静な住宅街へと続く道があります。
左手に住宅街を抜けていくと敦賀街道、高野川に出るのですが、この方角に洛北の古刹「蓮華寺」があります。
三明院から歩いて10分程度の距離です。
洛北の蓮華寺とは?
蓮華寺は石川丈山ゆかりの池泉回遊式庭園がある天台宗の寺院で山号は帰命山(きみょうざん)。
もとは現在の京都駅近くの七条塩小路付近にありましたが、応仁の乱による焼失後、加賀藩前田家の家臣であった今枝近義が再建。
蓮華寺の造営には詩人で書家の石川丈山のほか、朱子学者の木下順庵、画家の狩野探幽、黄檗宗開祖の隠元隆琦、木庵性瑫など有力な権力者たちが関わったことが「東北歴覧之記」に記されています。
額縁庭園が楽しめる静かな寺院
境内書院の東側に築造、東向きに書院から庭園全体を見渡すことができる。
普段はあまり参拝者も少ないので静かな環境で庭園観賞が楽しめます。
池の左前方には亀島、鶴石があり、その後方には蓬莱石組が築かれ、庭園の樹々で書院から見えづらいのですが、今枝重直の一代記が刻まれた石碑が建っています。
庭園に降りて本堂に向かう途中にこの石碑を見ることができます(庭園内での写真撮影は一切禁止、要注意)。
また池のほとりには丸形灯籠や唐人帽丸形の石灯籠など個性豊かな石灯籠が3つ安置されているのも見どころです。
本堂
庭園左奥に見えるのが本堂で御本尊は釈迦如来像が安置されており、本尊左には阿弥陀如来像、本堂右側には不動明王が安置されています。
天井にはかつて狩野探幽が描いたという龍の図がありますが、現在の龍の図は1978年(昭和53)に仏師の西村公朝によって復元されたものです。
本堂南側には六角形の丸笠の形をしたとても珍しい姿の「蓮華寺形灯籠」が2基立っているのも必見です。
山門・鐘楼・石仏群
山門は創建当時のものが現在も残されており、山門を入ると正面が庫裏、右手に鐘楼、左手に石仏群があります。
鐘楼は天台宗寺院にしては珍しい禅風(黄檗宗)の様式で釣鐘には「黄檗二世 木庵瑫山僧」の銘が刻まれている。
また、反対側にある石仏群は約300体と言われ、京都市電河原町線の敷設工事の際に発掘されたものが蓮華に安置されています。
三明院へのアクセスと駐車場について
●延壽山三明院
TEL:075-702-2486
〒606-0064 京都府京都市左京区上高野西明寺山28
■拝観料金 境内自由拝観
■拝観時間 7:00~17:00
■アクセス 三宅八幡宮の境内を経由
・叡山電車「八幡前駅」下車、徒歩8分
・叡山電車「三宅八幡駅」下車、徒歩10分
■駐車場 なし、三宅八幡宮駐車場を利用(一回500円)
まとめ
京都の隠れ紅葉スポット「三明院」を紹介させて頂きました。
京都の中心街からやや離れた上高野の閑静な住宅街に佇む、知る人ぞ知る寺院でほとんどガイドブックなどで紹介されることもありません。
周辺には三宅八幡宮のほか、同じく京都洛北の隠れた名所「蓮華寺」もあり、京都通のあなたにぜひおすすめしたい、まさに都会の喧騒を忘れて静かなに京都を観光したい、という願いを叶えてくれる名所です。
近年は蓮華寺も結構、有名になり、団体観光客が訪ねたりするようになってきましたが、三明院は大型バスで近づくこともできないのでぜひ、おすすめの寺院として紹介させて頂きました。
京都洛北の上高野エリアに興味があるという方はぜひ、訪ねてみては如何でしょうか?
※三明院の写真は2023年11月18日に撮影のものです。
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