對龍山荘の一般公開、気になる予約事情と重要文化財としての見どころ

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京都在住のブロガーKyotaroです。

今回は2023年(令和5)2月2日にニトリホールディングスが取得したことでも話題となった對龍山荘の紹介です。

ニトリホールディングスは、この歴史的建造物と庭園を「文化財の保存と活用」という観点から取得、今回の一般公開開始に繋がったとか。

家具・インテリア販売業として知られるニトリが所有する對龍山荘の文化財としての価値、京都ならではの借景庭園としての見どころという視点から紹介していきましょう。

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對龍山荘の公開状況について、まだ予約はいるの?

對龍山荘は2025年1月15日(水)より一般公開を開始していて、事前予約なしでも見学ができます。

以前は庭園のみの公開で予約が必要な時期もありましたが、見学者の声を反映、建物も予約なしで見学できるようになりました。

但し、開園日時は季節ごとに異なるため、訪問前に公式サイトで「開園日カレンダー」を必ず確認してからお出かけ下さい。

また、混雑時には入場制限をすることがあります。

入場料

對龍山荘の入場料については以下の通りです。

一 般:3,000円
大学生:2,000円
中高生:1,500円
小学生:1,000円 ※未就学児は無料
※来場者には對龍山荘写真集の贈呈あり(※写真、結構立派)

見学所要時間は?

見学目安時間として約60分(庭園30分、建物30分)程度、早い人なら各20分ですかね。

建物内では靴下の着用が推奨されており、施設保全の観点から館内にはスタッフが各所に常駐、見学ルートはスタッフの案内に従いましょう。

對龍山荘の見どころは重文建造物と庭園

對龍山荘は、近代日本庭園の傑作として知られ、国の名勝に指定されている庭園と、国の重要文化財に指定されている建物から成る、京都の貴重な文化財です。

国の名勝である庭園と重要文化財の建物が織りなす、まさに京都の至宝。

琵琶湖疏水の水を取り込んだ迫力ある大滝や広大な池、芝生が広がる近代的な庭園は、七代目小川治兵衛の傑作ともいわれます。

特に主屋の「對龍台」から望む庭園と東山の借景は息をのむ美しさで、建物と庭が一体となった唯一無二の空間を体験できます。

詳しく見ていきましょう。

對龍山荘の重要文化財について

對龍山荘は、その庭園が国の名勝に指定されているだけでなく、建造物も国の重要文化財に指定されています。

これは、庭園と建物の両方が国の文化財として高く評価されていることを意味し、非常に貴重な存在といえるでしょう。

国の名勝に指定

庭園は1988年(昭和63)12月24日に国の名勝に指定されました。

近代日本庭園の傑作といわれ、明治時代後半に東山を借景とし、広大な空間を演出、琵琶湖疏水によって供給される豊富な水を利用して造られた、近代日本庭園の先駆者である七代目小川治兵衛(植治)の作庭スタイルを確立した庭園としても高く評価されています。

従来の日本庭園とは異なり、園遊会などを催すために芝生広場が設けられている点が近代庭園としての特徴で、茶室とともに、趣のある露地も備えられています。

国の重要文化財(建造物)

對龍山荘は2024年(令和6年)8月15日にその建造物が高く評価され、国に重要文化財に指定されました。

指定された建造物は以下の通りです。

【主屋】
對龍山荘の中心となる建物で、木造、一部二階建て。桟瓦葺一部こけら葺及び銅板葺。

薩摩出身の実業家・伊集院兼常の旧居であった聚遠亭(じゅおんてい)と茶室に、彦根出身の呉服商・市田弥一郎が譲り受けた後、東京の大工棟梁・島田藤吉(通称「島藤」)が増築・改修を加え、1905年(明治38)頃に現在の姿が完成しました。

【對龍台】
主屋の中でも特に注目される部分で、大池の脇の崖から迫り出すような形で造られた書院です。

上段を備え、良質のツガ材が用いられています。ここからは庭園と東山が一体となった雄大な景色が望めます。

【聚遠亭】
伊集院時代に建てられたとされる茶室で、床が地面から低い位置にあるため、座ると風景に包み込まれるような感覚が得られるとされています。

趣の異なる様々な座敷や茶室が重層的な空間を形成しており、上質な近代和風建築として非常に高い価値があります。

複雑な屋根に庇(ひさし)などが付された変化に富む外観も特徴です。

【北土蔵】
土蔵造の2階建て、桟瓦葺、1905年(明治38)の建築です。

【南土蔵】
土蔵造、2階建て、北面下屋付、桟瓦葺、1905年(明治38)の建築です。

【表門】
木造、棟門、切妻造、左右袖壁付、両潜戸含む、桟瓦葺、同じく1905年(明治38)の建築。

以上、多彩な座敷や茶室と庭園との調和に優れ、南禅寺門前の一角に広大な敷地を構える別荘建築として、卓越した技術でまとめ上げられた近代和風建築の貴重な遺構であると評価されています。

對龍山荘の庭園見どころについて

對龍山荘の庭園は、国の名勝にも指定されている、近代日本庭園の傑作です。

七代目小川治兵衛(植治)の作庭によるもので、琵琶湖疏水の水を巧みに取り入れた、見どころ満載の庭園です。

以下に主な見どころを詳しくご紹介します。

1. 琵琶湖疏水を取り込んだ水景の豊かさ

對龍山荘庭園の最大の魅力は、琵琶湖疏水から引き込まれた豊富な水が作り出す、変化に富んだ水景です。

【大滝】
庭園のシンボルとも言える迫力ある滝です。

轟々と音を立てて流れ落ちる水は圧巻で、この水音が周囲の雑音を消し、静寂な空間を演出する役割も果たしていると言われています。

【流れと池】
大滝から流れ出た水は、浅いせせらぎとなって庭園内を巡り、広大な池へと注ぎ込みます。

この水の流れと池が、庭園全体に動きと奥行きを与えています。

【水車小屋】
池の東端には水車小屋が配され、田園風景を思わせる趣を添えています。

水車がゆったりと回る様子は、時間の流れを忘れさせるような穏やかさがあります。

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2. 近代庭園としての特徴

對龍山荘は、明治期に造られた近代日本庭園の先駆けとして、伝統的な庭園にはない新しい要素が取り入れられています。

【広大な芝生広場】
従来の日本庭園では苔が主体でしたが、對龍山荘では園遊会などを催すために広々とした芝生広場を設置。

これは西洋文化の影響を受けた、近代的な庭園のスタイルを象徴しているといえるでしょう。

【開放的な空間】
植治が得意とした「広々とした開放的な庭」の特徴が随所に見られ、散策しながら様々な角度から庭園を眺めることができるよう設計されています。

3. 美しい借景

庭園の外にある景色を巧みに取り込む「借景」の技法が、對龍山荘でも最大限に活かされています。

【東山の雄大な借景】
広大な池の向こうには、雄大な東山の山並みが借景として広がり、庭園と一体となった壮大な眺めを作り出しています。

特に對龍台からは、この借景がより迫力をもって感じられます。

隣接する金地院との調和: 隣接する金地院の庭園や樹木も、自然な形で庭園の一部として取り込まれ、より奥行きのある景観を演出しています。

4. 建物との一体感(庭屋一如)

庭園は、建物と切り離して考えることはできません。

對龍山荘の庭園は、建物(重要文化財の主屋)との調和が非常に優れています。

【對龍台からの眺望】
主屋の中でも特に見どころである「對龍台」は、池に張り出すように建てられた書院で、ここからは庭園全体と東山が一体となった絶景をパノラマで楽しめます。

室内から見る庭園の美しさは格別です。

【聚遠亭からの眺め】
伊集院兼常時代に建てられたとされる茶室「聚遠亭」からは、深い庇により凝縮された、落ち着きのある静かな庭の景色が広がります。

同じ庭園でありながら、場所によって異なる表情を見せる工夫がされています。

【滝の音】
建物の中からでも滝の音が聞こえるように設計されており、視覚だけでなく聴覚でも自然を感じられるよう配慮されています。

5. 四季折々の表情

對龍山荘の庭園は、四季折々に異なる美しい表情を見せます。

春には、しだれ桜や藤などが咲き誇り、華やかな雰囲気に包まれ、初夏は花菖蒲などが咲き、緑が鮮やかで清々しい季節です。

秋になると園内は美しい紅葉に包まれ、東山の借景と庭園の木々が織りなす錦のような景色は圧巻で、周囲の山とカモフラージュさせて広く見せる工夫もされています。

冬の雪景色もまた趣があり、「凛」とした美しさがあります。

このように對龍山荘の庭園は、単に美しいだけでなく、琵琶湖疏水という近代のインフラを最大限に活用し、新しい庭園のスタイルを確立した、歴史的にも非常に価値の高い庭園です。

訪れる際は、それぞれの見どころに注目して、その奥深さを感じてみるのもいいですね。

對龍山荘が「ブラタモリ」で紹介されたポイントに注目

對龍山荘がブラタモリで紹介された際の主なポイントは、南禅寺界隈別荘群の成り立ちや、近代庭園としての特徴、そして琵琶湖疏水の恩恵でした。

特に注目されたのは以下の点です。

琵琶湖疏水との関係性

南禅寺界隈の別荘群は、琵琶湖疏水によって豊富な水が供給されるようになったことで発展しました。

對龍山荘もその恩恵を最大限に活かし、広大な池や滝を配した庭園を造ることができました。

ブラタモリでは、この水の流れが別荘の美しさをどう形作っているかが紹介されました。

近代庭園としての特徴

【芝生が広がる庭】
従来の日本庭園では苔が主体でしたが、對龍山荘を含む近代の庭園では、園遊会などを催すために芝生が広がる空間が取り入れられており、これは西洋文化の影響を受けた、新しい庭園のスタイルとして紹介されました。

【高低差を活かした水の演出】
敷地の高低差を巧みに利用し、せせらぎが滝となり、池へと注ぎ込むような水の流れが工夫されていて、建物内からも滝の音が聞こえるように設計されており、視覚だけでなく聴覚でも自然を感じられる工夫が紹介されました。

【借景の美しさ】
敷地自体は限られているものの、比叡山や隣接する金地院の庭園を巧みに借景として取り入れることで、広大な自然の中にいるかのような奥行きが演出されている点が取り上げられました。

【建物との一体感】
庭園だけでなく、建物そのものも超一流品であり、庭と建物が互いの存在があってこそ意味をなすような一体感が醸し出されていることが解説され、特にメインの書院「對龍台」からは、庭園をパノラマで一望できるような工夫が紹介されたことがあります。

以上、ブラタモリでは単に美しい庭園や建物を紹介するだけでなく、その背景にある地形、歴史、そして人々の知恵や技術に焦点を当てるため、對龍山荘のこれらの特徴が深く掘り下げて紹介されていました。

對龍山荘へのアクセスと駐車場について

●對龍山荘
TEL:075-771-1587
〒606-8435 京都府京都市左京区南禅寺福地町22
◆入場料金 一 般:3,000円 大学生:2,000円
中高生:1,500円 小学生:1,000円
※未就学児は無料
◆開園時間 午前・午後の二部制
※開園カレンダーを参照 https://tairyu-sanso.jp/
◆アクセス ※地下鉄「蹴上駅」から徒歩が便利!
・地下鉄東西線「蹴上駅」下車、徒歩8分
・京都駅より市バス5系統「岡崎法勝寺町」下車、徒歩6分
◆駐車場  なし ※周辺コインパーク利用


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まとめ

今回は、今年2025年1月より一般公開が始まった對龍山荘の紹介でした。

對龍山荘は庭園と建物の両面において、明治期の京都を代表する、非常に質の高い文化財として認められています。

一般公開が始まったことで、その貴重な価値を多くの人が直接体験できるようになりました。

家具・インテリア販売業として知られるニトリが、このような文化財の保存・公開に力を入れていることは、社会貢献の一環とも言えるでしょう。

近隣の蹴上インクライン、南禅寺界隈は海外観光客でごった返していますが、ここはそこまで混みあっておらず、ゆったり時間をかけて京都の借景、水の恵み、そして四季の花々を堪能することをおすすめします。

ぜひ、今のうちに訪ねてみては如何でしょうか。

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