“京都はんなりずむ”を訪れて頂きありがとうございます。
京都在住のブロガーKyotaroです。
京都は東山が有名ですが、実は京都西山にも魅力的な観光スポットがたくさんあります。
繁華街の多い京都東山に対して京都西山は有名寺院へのアクセスがやや不便ですがその分、自然が多く、とても静かな寺院が多いエリアです。
今回はその中でも「隠れた紅葉名勝」としても有名な西岩倉山 金蔵寺の紹介です。
金蔵寺は小塩登山のスタート地点、境内の見どころ
金蔵寺は京都市西京区大原野の小塩山中腹にある天台宗の古刹で「隠れた紅葉名勝」として知られています。
歴史はとても古く718年(養老2)元正天皇の勅願で創建され、現在の建物は桂昌院による再建と云われています。
公共交通機関でのアクセスは非常に厳しく、最寄りのバス停からはほぼ本格装備の登山で行く事になるため、紅葉時期を除けば比較的参拝者も少なく、静かな山寺という印象を受けました。
歴史がとても古いので境内の堂宇も非常に歴史を感じ、修繕費の志納を募る看板が境内にありました。
境内の見どころについて紹介します。
仁王門
細い山道を車で通り抜けて参拝者専用駐車場から歩いてすぐ、登山者が利用する東海自然歩道のそばにあるのが金蔵寺境内への入口となる仁王門です。
2022年9月末時点で修繕工事のため足場で囲われた状態になっていました。
そこかしこに狸像がお出迎えしてくれるなか、門前の賽銭箱に拝観料300円を納めますが、無人のため釣銭を貰うことができないので小銭の準備をしていきましょう。
参道・石段
仁王門を潜り抜けると目の前には圧倒的急な石段の参道が続きます。
首を45度以上見上げるような感覚ですが、石段の上に広がる青もみじがとても美しい景観が続きます。
護摩堂、納経所がある場所まで、そこからさらに本堂へと再び同様の急激な石段をあがる必要がありますが、ゆっくり自分のペースで上がりましょう。
護摩堂
最初の石段を登り切った先の右手にある堂宇で青もみじとのコントラストが綺麗です。
当然紅葉時期になればこの青が紅に変わるのでその美しさを想像するのは容易でした。
護摩堂の裏には犬が飼われてるのか?人の気配を感じると“ワンワン”吠えるのでささっとお参りしてその場をあとにしましょう。
納経所・鐘楼
最初の石段を上がって左手、護摩堂に対面して建っているのが納経所と鐘楼です。
納経所には常時人がいないので御朱印(300円)をお願いするときはインターホンで用件を伝えて対応してもらいましょう。
納経所に隣接する形で鐘楼があります。
桂昌院お手植えの桜
納経所の前にベンチに囲まれた小さな池があり、そのほとりに桜の木が立っています。
金蔵寺を再建した桂昌院のお手植えによるものと云われる“しだれ桜”で春には訪れた人の目を楽しませてくれます。
本堂
再び急な石段を上がった上に見えるのが金蔵寺の本堂です。
御本尊は十一面千手千眼観世音菩薩で身丈2mある、天狗の爪による一木彫の仏像と云われています。
本堂の周囲を歩いてみるとその歴史の古さを感じることができます。
歴史的な価値がある堂宇のひとつで、訪ねた日は朝から堂内で僧侶によるお経を読む声が静寂な境内に響き渡り、山寺ならではの雰囲気に包まれていました。
幸せのハート切り株
本堂に向かって左手に進むと葉山神社、桂昌院廟へと続く参道が続きます。
葉山神社の入口、足元には幸せのハート切り株があり、カエルの置物が。。
葉山神社
鳥居から祠まで石造りの境内末社でこの辺りはしっかり整備されており、後付けで建てられた社であることが伺えます。
境内摂社
先に紹介した葉山神社と違ってとても古い石段の上に境内摂社が並ぶ祠があります。
すぐ横に新しい石段もありますが、ここは鳥居を潜り抜けてしっかりお参りました。
桂昌院御廟所
境内摂社を参拝後、さらに左方向に進んでいくと桂昌院御廟所があります。
この辺りまで来ると登山道があり、足場がとても悪くなってくるので足元に注意して参拝するようにしましょう。
愛宕大権現
桂昌院御廟所から登山道の方向に進んでいくと愛宕大権現まで行くことができます。
愛宕大権現御本殿は本堂の背後にある丘の上に建っており、とても歴史を感じる堂宇です
勝運の佛として知られる愛宕大権現は、愛宕山にお祀りされていましたが、明治時代になってからの神仏分離の法令制定に伴い、愛宕山から縁故の深い金蔵寺へと御遷りになられました。
開山堂
愛宕大権現の下、本堂の東側に建ち、ここも青もみじとのコントラストがとても美しい堂宇になっています。
その名の通り、金蔵寺創建の地でもあります。
小塩山登山口
本堂に向かって右手、東側にある愛宕大権現へと続く朱い鳥居が小塩山登山の金蔵寺境内における入口となっています。
鳥居の前にまたカエルの置物があります。
金蔵寺の境内で狸像と見晴らし台に癒される
金蔵寺はその歴史の古さから境内にある堂宇に歴史を感じるのですが、それとともにユニークな狸たちがお出迎えしてくれます。
また境内の東端には京都市街と比叡山、東山連峰、宇治から木津方面までひろがる山城平野まで見渡すことができます。
金蔵寺のもうひとつの魅力は、狸のユーモアな表情に癒され、絶景を見晴らすことができる展望台でリフレッシュできるところにあります。
金蔵寺境内にいる狸像たち
金蔵寺を参拝すると境内の至る所に様々な恰好をした狸像があることに気付きます。
それぞれ体型も違えば表情も異なり、とても個性豊かな狸たち。
最初に気になるのは駐車場から仁王門へ向かう途中にある、まさに仁王立ちした狸。
また開山堂からさらに東へと続く道があるのですが、見晴らし台へと続き、見晴らし台の前にある建物にも酒盛りをしている狸像があります。
見晴らし台からの絶景
京都西山といえば善峯寺や三鈷寺から京都市街地を一望できる絶景が有名ですが、金蔵寺にも京都を一望できる見晴らし台があります。
本堂周辺は山の中腹で樹々が生い茂り、見晴らしが良くなく、影になっており、京都市街地を角度的に展望するのは難しそうです。
開山堂前を通り過ぎて東へ進んでいくと丘の上へと続く人口の道があり、そこを上がると見晴らし台が見えてきます。
見晴らし台自体も相当な風雨にさらされて老朽化していますので転落防止のために手すりにもたれたり、寄りかかったりしないようにしましょう。
左手に比叡山、右手奥にはなんと滋賀県にある「近江富士」がくっきりと見えていました。
金蔵寺へのアクセスと駐車場について
●西岩倉山金蔵寺
TEL:075-331-0023
〒610-1134 京都府京都市西京区大原野石作町1639
■拝観料金 300円志納
■拝観時間 8:00~17:00
■アクセス ※公共交通機関は不便
・阪急バス「南春日町」又は「灰方」下車、徒歩約2時間
・京都バス「長峰」下車、徒歩約2時間
■駐車場 参拝者専用無料駐車場あり(20台程度)
まとめ
今回は京都西山にある西岩倉山 金蔵寺の紹介をさせて頂きました。
静寂に包まれ、歴史を体感しながら参拝する山寺の雰囲気は同じ善峯寺や三鈷寺とはまた違う時間が流れています。
9月に訪ねたので境内には色鮮やかな深緑が広がり、秋になればこれら青もみじがすべて紅葉になるのかと思うと圧巻の紅葉絵巻を想像するのは容易に感じられました。
アクセスが本当に不便で車で行く場合も離合ができない一本道なので運転に自信がない、というあなたは控えたほうがいいでしょう。
京都は観光タクシーも豊富にあるのでタクシーを貸切るのもいいかもしれません。
アクセスがそれだけ不便なだけあって本当に訪れる人も少ないので心静かに参拝することができます。
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