京都在住のブロガーKyotaroです。
早いもので2020年も10月に入りました。Gotoトラベルキャンペーンの東京発着旅行の開始、話題の地域共通クーポンの開始、そして第三のビール値上げなどなど下半期がスタート。
9月4連休を皮切りに京都にも人出が戻りつつありますが、海外からの観光客がまだまだ少ないのでそこまで多いという印象はありません。
でも大覚寺へ向かう途中の嵐山は大勢の日本人観光客でごったがえしていました。久しぶりに見る光景です。
これも半年近くにわたる自粛の反動でしょうか?それとも遠方からの宿泊客ではなく地元の観光客が多かったのでしょうか?気になるところです。
さて今回は嵐山から少し離れた静かな奥嵯峨にある「大覚寺」の紹介です。
詳しく見ていきましょう。
大覚寺の拝観所要時間はどのくらい必要か?
大覚寺は広大な敷地を誇る寺院で「お堂エリア」から「大沢池エリア」まで境内の見どころがたくさんあります。
お堂エリアの拝観所要時間
その広大な敷地面積を誇る寺院を拝観するのに必要な所要時間、平均的な目安は「お堂エリア(参拝料大人500円)」のみ場合でだいたい1時間は必要です。
大覚寺参拝口から売店を抜けて宸殿→村雨の廊下→心経前殿(御影堂)→安井堂→五大堂→勅封心経殿→大覚寺参拝口の参拝順路、これで約1時間はかかります。
大沢池エリアの散策所要時間
さらに別途参拝料(大人300円)を払うと大覚寺・大沢池共通参拝口より「大沢池エリア」へ降りて散策しながら大沢池を一周することができます。
大沢池周囲にも史跡があり、ゆっくり見て回って40分程度はかかります。
春の桜や秋の紅葉の季節となると1時間くらいはゆっくり散策したい気分になりますのでもっと時間がかかりますね。
大覚寺・大沢池の両方を参拝したら?
「お堂エリア」から「大沢池エリア」まで通算するとだいたい普通の人で1時間40分くらいは必要です。
春の桜シーズン、紅葉が美しい秋のシーズンになると参拝客も多くなり、大覚寺・大沢池の両方を参拝すると2時間以上はかかりますね。
はじめから「大沢池エリア」まで散策すると決めてるあなたは大覚寺参拝口から必ず袋に靴を入れて大沢池まで持って行きましょう。
では、大覚寺と大沢池の見どころについて紹介していきます。
大覚寺の見どころハイライトはお堂エリア
大覚寺の見どころは何と言っても「お堂エリア」です。
嵯峨天皇と弘法大師空海の歴史交流の舞台でもあり、平安初期に嵯峨天皇がこの地に離宮嵯峨院を建立、「嵯峨御所」と呼ばれたのが大覚寺の始まりと云われます。
「旧嵯峨御所大本山大覚寺」の見どころハイライトを紹介します。
宸殿(重要文化財)
江戸時代に後水尾天皇より下賜されたという寝殿造りの建物が「宸殿」で国の重要文化財に指定されています。
徳川2代将軍秀忠の娘である皇后東福門院和子が天皇に入内して女御御殿として使用していました。
絢爛豪華な妻飾りや破風板、天井に施された装飾は見事です。
部屋は5つに分かれており、正面牡丹の間は格式が高い折上小組格天井は必見です。
また襖絵も印象的で狩野山楽によって描かれた牡丹、紅白梅、松、鶴など桃山美術の代表作ともいわれます。
白川砂が敷かれた前庭は“大海原”を表しており、宸殿正面にある「右近の桜」「左近の桜」は旧御所の名残りをとどめています。
心経前殿(御影堂)
「心経前殿(御影堂)」は1925年(大正14)に大正天皇のご即位に際し建てられた饗宴殿を式後賜り移築したもので心経殿の前殿にあたるため「心経前殿」と呼ばれます。
殿内には嵯峨天皇をはじめとする、弘法大師(秘鍵大師)、後宇多法皇、恒寂入道親王の尊像がお祀りされていることから「御影堂」とも呼ばれています。
五大堂(本堂)
大覚寺の本堂にあたるのが「五大堂」で現在の建物は江戸時代中期にあたる天明年間に再建されました。
本来は境内中央の勅使門から見て正面(現在の石舞台)の位置に建っていましたが、1925年(大正14)の大正天皇即位式の饗宴殿が下賜されて心経前殿(御影堂)として建立されたため現在地に移築されたのです。
不動明王を中心とした五大明王を祀ることからその名が付けられました。
大沢池のほとりに建ち、正面中央には板唐戸、両脇各2間は蔀戸となっており、また大沢池に面する東面には池に張り出すように観月台(濡れ縁)があり、大沢池が一望できます。
大沢池エリアへの共通参拝口は五大堂にありますので観月台横の階段から大沢池におりて散策することができます(別途参拝料大人300円必要)。
勅封心経殿
現在の「勅封心経殿」は1925年(大正14)、法隆寺の夢殿を模して再建されたものでハ角形をした高床式コンクリート造りの近代的な建物となっています。
殿内には嵯峨天皇をはじめ、後光厳天皇、後花園天皇、後奈良天皇、正親町天皇、光格天皇の宸翰勅封般若心経を泰安、薬師如来立像が祀られています。
1998年(平成10)に文化庁から「登録有形文化財」に指定されました。
村雨の廊下
宸殿から心経前殿へ移動する際に通る屋根の低い廻廊が「村雨の廊下」と呼ばれています。
建ての柱を雨、直角に折れ曲がっている廻廊を稲光にたとえてその名が付いたと云われます。
天井が低いのは刀や槍が振り上げられないためであり、床は鴬張りになっており、防犯を意識した造りになっているようです。
勅使門
大覚寺の勅使門は1848~1858年(嘉永年間)の再建された四脚門で屋根は切妻造り、正面と背面には軒唐破風を付け、全体が素木造りとなっています。
唐破風の部分が漆塗りで鍵金の飾り装飾を施しています。
その名の通り、門跡猊下出仕の晴れ法会など特別な勅使のご来山の時のみ開かれる門となります。
安井堂(御霊殿)
京都東山にあったという安井門跡蓮華光院の御影堂を1871年(明治4)に移築したことから「安井堂」の名が付く。
「安井堂」はいわゆる「御霊殿」のことで堂内中央に鳳輦(ほうれん)に座す僧形の後水尾天皇をお祀りしています。
堂内の格天井鏡板には花鳥が、また奥の内々陣の折上の鏡天井に壮麗な雲龍が描かれています。
大覚寺の中では小さいお堂になりますが、天井絵は見ごたえがあるのでぜひご覧頂きたいお堂となります。
大覚寺の見どころで外せない大沢池散策
大沢池は大覚寺境内の東側に位置し、周囲約1㎞の日本最古の人工林泉庭園として有名です。
平安初期に嵯峨天皇が離宮嵯峨院の造営とともに作られた林泉庭園であり、当時の文化発信基地としての役割も担ってたと云われます。
自然の景観がたくさん残されており、愛宕山、嵐山に囲まれた嵯峨野独特の風景が広がります。
春には桜並木、秋には紅葉が美しい“もみじロード”など四季折々の風景を楽しむこともできます。
大沢池散策時の見どころについて以下、まとめました。
心経宝塔
1967年(昭和42)に嵯峨天皇の勅封心経1150年を記念して建立された「心経宝塔」は池の畔に赤塗りの鮮やかな塔がそびえ立ち、景観に花を添えています。
基壇内部には「如意宝珠」を治めた真珠の小塔を安置、塔内部には秘鍵大師(弘法大師)尊像を祀ります。
天神島・庭湖石・菊ケ島
大沢池に浮かぶ大きな島を「天神島」と呼び、菅原道真公をお祀りしています。
またもうひとつの島「菊ケ島」は生け花発祥の地と云われ、嵯峨天皇が菊ケ島に咲く菊を手折りし、花瓶に挿されたのが嵯峨御流の始まりと云われます。
天神島と菊ケ島に庭湖石(ていこせき)を加えた二島一石の景色を「景色いけ」として今に伝えているのです。
名古曽の滝跡
離宮嵯峨院時代に滝殿庭園内に設けられた滝で「今昔物語」では百済川成が作庭したものという言い伝えが残ります。
現在は跡地としてごつごつした岩石が残されるのみとなっており、水も川も残っておらず、どこが滝かも分かり辛い史跡になっています。
小倉百人一首の55番、藤原公任作の歌でも詠まれるほどの名滝であった。
大沢池ビューポイント
観月台のある五大堂のちょうど対岸にあたる場所がビュースポットとなっており、池を挟んで五大堂、心経宝塔、愛宕山を眺望することができます。
また春には池の周囲を取り囲むように咲き誇る桜を眺めることもでき、大沢池の絶景ポイントで写真撮影のポイントにもなっています。
水面に移る嵯峨野の山々の姿はどこかのどかな“都会の喧騒”を忘れさせてくれる景観となっています。
大覚寺へのアクセスと駐車場について
■大覚寺
TEL:075-871-0071
〒616-8411 京都府京都市右京区嵯峨大沢町4
拝観料金
・お堂エリア 大人500円 小中高300円
・大沢池エリア 大人300円 小中高100円
拝観時間 9:00~17:00(受付16:30まで)
アクセス
・JR山陰本線で京都駅から嵯峨嵐山駅下車、徒歩16分
・嵐電嵐山線で四条大宮駅から嵐山駅下車、徒歩22分
・市バスは阪急嵐山、嵐電嵐山(嵐山天龍寺)発28系統、大覚寺下車
・京都バスは阪急嵐山、嵐電嵐山(嵐山天龍寺)発94系統、大覚寺下車
・阪急嵐山駅から徒歩約30分
駐車場 あり(30台・有料2時間/500円)
まとめ
10月最初は大覚寺の紹介でしたが如何でしたでしょうか?
嵯峨天皇によって建立された「離宮嵯峨院」こと嵯峨御所が大覚寺の前身と云われています。
嵯峨野の自然に囲まれた静かな環境に佇む寺院で観光客の多い嵐山からも離れているため、普段は参拝客もそこまで多くありません。
但し、春と秋の行楽シーズンは別で大勢の参拝客が訪れ、大沢池の桜やもみじロードは観光客で賑わいます。
嵯峨天皇と弘法大師との歴史交流の舞台となったお堂エリア、そして自然の景観と調和した大沢池エリアなど広大な敷地は見ごたえが充分。
大覚寺はゆっくり時間を取って(約2時間)、じっくり参拝して頂きたいスポットですね。
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