二条城の本丸御殿が18年ぶり一般公開へ、市民内覧会へ行って来た感想

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“京都はんなりずむ”を訪れて頂きありがとうございます。

京都在住のブロガーKyotaroです。

今回は世界遺産に登録されている二条城(元離宮二条城跡)の本丸御殿が実に18年ぶりに公開される話題について。

二条城の本丸御殿は約7年間にも及ぶ工期を経て、2024年9月1日(日)から一般公開されるのですが、先日京都市民向けに開かれた内覧会に参加してきたのでその様子をシェアします。

Kyotaroも実に4年ぶりの二条城訪問となりましたが、本丸御殿の見どころ、城内の見どころについて紹介します。

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二条城の本丸御殿、一般公開に先駆けた市民内覧会へ

2024年9月1日(日)より二条城の本丸御殿がいよいよ18年ぶりに一般公開され、しかも通年での公開となります。

もともと二条城の本丸御殿は毎年、春と秋に特別公開がされていたのですが、耐震不足を理由に2007年(平成19)から非公開となり、2017年(平成29)より耐震補強工事、そして屋根のふき替え、障壁画の修復といった大規模修理が約7年間行われてきました。

前回、2020年にKyotaroが訪ねた時は、当然ながら工事の真っ最中、外観からその大規模工事の様子を見守るのみでした。

本丸御殿内は残念ながら一切、写真撮影、動画撮影が禁止のため、内部の写真はありません。

本丸御殿について

二条城と言えば、1603年(慶長8)に徳川家康によって築かれた城で京都御所の守護、そして将軍上洛の際の宿泊所とする目的で築城されました。

本丸御殿が造られたのは3代将軍の徳川家光の時代、御水尾天皇の行幸を迎えるために敷地を拡張した際に、新しく増築されたものです。

残念ながら当時の本丸御殿は1788年(天明8)の大火で焼失、現在の本丸御殿は1884年(明治17)に二条城が皇室の離宮となった後、明治天皇の命により1894年(明治27)に京都御所の北、桂宮家の御殿(桂宮御殿)の主要部を移築したもので国の重要文化財に指定されています。

明治から大正にかけては、大正天皇、昭和天皇がそれぞれ皇太子の時代に宿泊所として使用された歴史があり、大正天皇(嘉仁皇太子)は新婚旅行をはじめ10回滞在されたことは有名です。

一般公開では、本丸御殿の玄関から御書院、御常御殿、台所、雁の間の4棟をご覧いただけ、宮家を感じさせる格式ある建築と空間をお楽しみ頂けます。

玄関

本丸御殿の入口となる建物で玄関、取次の間を合わせた大空間は約60㎡あり、来訪者を出迎える場所となります。

一般公開も当然、ここから入場し、右手にある「使者の間」へ通され、こちらに荷物を入れる鍵付きロッカーが設置されています。

続く「殿上の間」「公卿の間」では、本丸御殿に関するビデオ上映、見学の際の注意事項の説明があります。

御書院

玄関から廊下を伝って御書院へと進み、本丸御殿の中心となる御書院の「一の間」「二の間」「三の間」へ。

「三の間」から「一の間」までを見ることができ、「一の間」が「三の間」「二の間」より一段高いのがわかります。

それぞれの部屋を横からも通路沿いに見学できるのですが、「一の間」は格天井、壁と床の間の金箔貼や違棚が備えられた格式の高い部屋であることがわかります。

これは、主人が「一の間」に座し、対面する者が「二の間」「三の間」に座ったことが伺えます。

また、「三の間」は畳を取り外して能舞台にもなり、「三の間」南西隅に接する廊下は能舞台の橋掛りとしての役割も果たしています。

皇女和宮が江戸に下向する直前、淑子内親王の甥にあたる明治天皇行幸の際に実際に能が催され、この「三の間」が能舞台として使用されました。

御常御殿

御殿の主人が日常生活をおくる居室、寝室などを備える2階建ての棟が「御常御殿」です。

各部屋の障壁画も見事でひときわ目立つものが多い印象で「円山派」「京狩野」など1862年(文久2)に淑子内親王が桂宮家当主となるにあたって描かれたものばかりとされています。

寝室には菊をかたどった蚊帳釣金具が備えられるなど、宮家の格式の高さをここでも伺うことができます。

また2階には城内、そして京都市街を四方に眺望できる数寄屋風の居室があります。

御書院 四季の間

春夏秋冬の景物が描かれた四つの部屋が他の字型に並ぶことから「四季の間」と呼ばれます。

見どころは何といっても「春の間」と「夏の間」の境にある卍崩し形の欄間で、桂宮家の別邸「桂離宮」との繋がりを感じることができる意匠です。

他にも廊下と「夏の間」の境には竹の節欄間が入る珍しい形式を見ることができますのでぜひ、注目してほしいポイントとして紹介させて頂きます。

障壁画は円山派、岸派によるもので1863年(文久3)以降に制作されたものとなります。

御書院 雲鶴の間

「雲鶴の間」の由来は、襖と壁の唐紙が雲鶴模様であることからその名が付けられました。

「一の間」から「三の間」まで3つの部屋があり、「一の間」には床と棚が備えられていることから「二の間」「三の間」と対面所としてっも使用されていたことが伺えます。

見どころとして「一の間」棚の上下に備わる小襖に描かれている描画で上部小襖には「海辺春景図」、下部小襖には「海辺秋景図」がそれぞれ描かれており、筆者、制作年代は不明ですが、敦澤派の画風を示していることがわかります。

台所及び雁の間

台所はその名の通り食事を準備した場所(通常非公開)で流し台と水槽が備え付けられています。

雁の間は家来や従者たちが使用した部屋で移築の際に玄関から離れた場所にあった台所と一体化、現在の配置になりました。

見どころとして、雁の間には東西二間あるのですが、東の間にあった棚を西の間に移されているのですが、その際に壁面の使用が変更され、それに伴い障壁画を切り貼りして再編成した痕跡が残されています。

「芦雁図」は水墨画で描かれており、筆者は円山派の中島来章で1854年(嘉永7)までに描かれたものであることが分かっています。

本丸御殿の見学は予約必須

本丸御殿の見学には予約が必須で公式HPより事前に予約、WEBチケットを購入していく必要があります。

来場日の30日前から販売が開始され、来場日当日でも枠に空きがあれば購入できます。

但し、注意したいのが購入・予約の変更やキャンセル、返金ができませんのでくれぐれも日にち、時間帯の間違いがないよう確認してから購入するようにしましょう。

時間が枠ごとに決まっていますので、時間に遅れないよう予約時間の20分前には入城するようにしましょう。

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特に東大手門入城口から本丸御殿までは歩いて10分はかかりますので、時間ギリギリに東大手門入城口に到着しても本丸御殿の見学時間には間に合わないということになります。

本丸御殿の観覧料金

二条城の本丸御殿観覧券は大人1,000円、中高生300円、小学生200円です。

但し、これはあくまで本丸御殿の観覧券を購入する際に必要な金額で、別に入城料金として大人800円、中高生400円、小学生300円が必要です。

さらに二の丸御殿も見学する場合、入城料金にプラス大人のみさらに500円(1,300円)が必要です。※小学生未満の子供は無料

要するに本丸御殿と二の丸御殿の両方を観覧するには大人は2,300円、中高生700円、小学生500円がそれぞれ必要ということになります。

本丸御殿の見学所要時間はどのくらい?

二条城の本丸御殿だけの見学所要時間はおよそ30分程度と考えて下さい。

すべて事前予約制での観覧となりますのでまず、時間厳守をしないといけません(※既述の注意事項も参照)。

まず初めに「殿上の間」「公卿の間」での本丸御殿を紹介するビデオ上映が8分程あり、そのあと本丸御殿内部の見学へ出発となります。

順路が定められており、特に案内ガイドが付くわけではないので順路に沿って進むとビデオ上映と併せて30分程度で再び玄関に戻ってくる導線になっています。

二条城の見どころ

続いて本丸御殿以外に二条城の見どころを紹介していきましょう。

本丸御殿以外ではやはり「大政奉還の舞台」となった「二の丸御殿」ですね。

こちらは二条城を訪れたのであれば必見の施設で「二の丸庭園」とともにぜひ観覧をするべき場所です。

他にも城内の見どころと併せてみていきましょう。

東大手門

堀川通りに面した世界文化遺産・二条城の正門にあたる門で1662年(寛文2)に造られました。

現在は櫓門で屋根は本瓦葺で入母屋造り、妻は木連格子、棟に鯱が飾られていますが、創建当時は単層の高麗門だったといいます。

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東大手門では大工職人による金具の粋な遊び心によるこんな千鳥の細工がさりげなくありますのであなたもぜひ探してみて下さい。(ヒント正面右側の柱)

番所

東大手門入ってすぐ右手の建物が番所で正面十間(19.6m)、奥行三間(6.06m)の細長い建物。

将軍不在時に「二条在番」と呼ばれる江戸から派遣された武士たちがここで警備にあたっていました。

全国的にもこのような城郭の番所は減っており、貴重な建物のひとつです。

東南隅櫓

1626年(寛永3)の天皇行幸のために建てられたという隅櫓で国の重要文化財に指定。

見張り台としての役割の他、武器を収蔵する場所としての役割もあり、城の攻撃と防御の要として重要な建物です。

唐門

「唐門」は、二条城内にある「二の丸御殿」の正門にあたり、1626年(寛永3)の御水尾天皇行幸にあわせて造営されました。

2013年の修復工事で絢爛豪華な極彩色の彫刻が復活、当時の面影を取り戻したといいます。

切妻造の四脚門で正面と背面に唐破風が付いているのが特徴で城内でも存在感のある門です。

二の丸御殿

全6棟から成る江戸初期に完成の「二の丸御殿」は住宅様式、書院造の代表的建造物として日本建築史上でもとても重要な遺構といえるでしょう。

「大政奉還」など数々の歴史の舞台としても知られ、江戸城をはじめ大阪城など御殿が失われる城郭が多い中、現存する唯一の御殿として国宝に指定されています。

二条城で大政奉還の舞台となった部屋を見学、見どころと所要時間は?
京都の二条城と言えば、徳川幕府の歴史が始まり、そして終焉を迎えた舞台として、徳川家の栄枯盛衰を見守って来たお城として有名ですね。初代将軍の徳川家康によって築城され、第十五代将軍の慶喜公によって大政奉還の意志が表明されたのも「二条城」でした。日本の歴史が動いた瞬間の舞台として見どころたっぷりの「二条城」に行って来ました。

二の丸庭園

池の中央に蓬莱島、左右には鶴亀の島を配した書院造庭園で小堀遠州の作・改修と云われます。

1626年の御水尾天皇行幸のために造営・改修され、二の丸御殿の大広間、黒書院、行幸御殿の3方向から鑑賞できるようになっています。

のちにこの庭園が江戸時代に造られる大名式庭園のさきがけになりました。

天守閣跡

かつて二条城の天守閣があったとされ、本丸御殿のすぐ奥に位置します。

伏見城から移築された五重五層(五階建て)の天守閣でしたが、1750年(寛延3)の落雷により焼失、再建されずに現在は石垣のみが残ります。

石垣からは京都市街、本丸御殿越しに比叡山を眺めることができるビュースポットにもなっています。

土蔵

1626年(寛永3)頃に造られたという、穀物類を収蔵する蔵で「米蔵」とも呼ばれます。

城に土蔵が残っているのは全国で二条城だけで国の重要文化財に指定されています。

北中仕切門

敵の侵入を防ぐ防御上重要な門で本丸西櫓門への敵の侵入を防ぐ役割がありました。

内堀の南側にある南中仕切門と対になっている門。

香雲亭

江戸時代の豪商として知られる角倉了以屋敷から移築した建物。

通常非公開で内部を見ることはできませんが、期間限定で朝食など食事の提供、結婚式の挙式場として現在は使用されています。

清流園

1965年(昭和40)に造られた庭園で歴史は浅い。

もともとこの場所には二条城の警備を行う「二条在番」の屋敷の一部があったと云われます。

一面に芝庭がひろがる洋風の庭園となっています。

北大手門

かつて道を挟んだ向かい側に京都所司代屋敷があったことから、その連絡門としての役割を果たしてきた「北大手門」。

正門である東大手門と変わらず、威風堂々とした門構えとなっています。

1603年(慶長8)の築城時からこの場所に存在していたと伝わります。

二条城へのアクセスと駐車場について

●二条城(元離宮二条城)
TEL:075-841-0096
〒604-8301 京都市中京区二条通堀川西入二条城町541
■観覧時間 8:45~16:00(閉城時間17:00)
■観覧料金 米入城+二の丸御殿と入城のみチケットあり
・本丸御殿 一般1,000円 中高生300円 小学生200円
・入城+二の丸御殿 一般1,300円 中高生400円 小学生300円
・入城のみ 一般800円 中高生400円 小学生300円
■アクセス
・市営地下鉄東西線「二条城前駅」下車すぐ
・JR嵯峨野線「二条駅」下車、徒歩15分
・市バス「京都駅」より9・50・101系統「二条城前」下車すぐ
・市バス「四条烏丸」より12・101号系統「二条城前」下車すぐ
■駐車場  第1駐車場 2時間まで1,200円、以降1時間ごと300円


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まとめ

今回は二条城の本丸御殿がいよいよ18年ぶりに一般公開、しかも通年で公開されるのに先立ち、行われた京都市民内覧会の様子をシェアさせて頂きました。

前回訪れたのが2020年でしたのでコロナ禍により、観光客もほとんどいない時期でしたが、2024年8月は猛暑にも関わらず、多くの観光客、特に海外からの観光客がとても多かったです。

本丸御殿自体の見学は30分程度でできるほどの内容ですが、非常に見ごたえがある内容でした。

ぜひ今回紹介した見どころを意識して見学に訪れてほしいですね。

二条城の本丸御殿は予約必須となりますのでHPで最新情報を確認の上、必ず事前にWEBチケットを購入してから訪れるようにしましょう。

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この記事を書いた人
Kyotaro

京都在住、念願の京都に1戸建て住宅を新築購入した既婚の53歳、フツーの会社員。子供は3人で男ー女ー男の“二太郎+一姫”。将来は奥さんと京都でお洒落なカフェを営むことができればいいな、とささやかな夢を持っています。どうぞよろしくお願いします。

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