宇治上神社と宇治神社の違いは?うさぎに縁のある日本最古の神社参拝

神社仏閣(観光)
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“京都はんなりずむ”を訪れて頂きありがとうございます。

京都在住のブロガーKyotaroです。

先日、久しぶりに京都宇治を訪ねた際に「平等院」へ行ってきました。

懐かしの宇治橋商店街を歩きながら、京都宇治の風情を久々に感じることができ感動。

若い頃は京都宇治に勤務し茶問屋からの貸切旅行の手配もしていたのでつい昔のことも思い出しながら商店街を歩いてました。

さて今回は宇治の世界遺産といえば「平等院」ともうひとつあるのを御存じでしょうか?

今回は紹介するのは平等院の鎮守社、神社建築では日本最古といわれる「宇治上神社」です。


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宇治上神社と宇治神社は何がどう違うの?

平等院より宇治川を挟んだ東岸にある朝日山の山裾に鎮座する「宇治上神社」と「宇治神社」。

このふたつの神社は一字違いなだけですが、どう違うのでしょうか?「宇治上神社」は世界遺産かつ平等院の鎮守社、かたや「宇治神社」は世界遺産でもなく…。

立地から見ると宇治川の中洲、宇治公園から朝霧橋を渡った先に「宇治神社」があり、その背後、さらに山手(さわらびの道経由)に鎮座するのが「宇治上神社」です。

この関連性がありそうなふたつの神社、何がどう違うのか?見ていきましょう。

宇治上神社と宇治神社の関係について

「宇治上神社」と「宇治神社」は確かに隣接しており、実際に訪ねてみるとその立地からみても何か関係があるのでは?と感じてしまうほどの至近距離にあります。

もともとひとつの神社で明治維新後に「宇治上神社」と「宇治神社」に別れ、明治以前は「宇治離宮明神」というひとつの神社でした。

古くより平等院の鎮守社として崇拝され、醍醐天皇より「離宮明神」の神位を与えられ、宇治上神社が上社本宮、宇治神社が下社若宮という関係にあったようです。

宇治上神社と宇治神社は何がどう違う?

「宇治上神社」と「宇治神社」はもとはひとつで上社、下社の関係であったと紹介しましたが、現在は「宇治上神社」「宇治神社」ともに「平等院」の鎮守社となっています。

大きな違いは御祭神とその歴史背景を見れば明らかになってきます。

■宇治上神社の御祭神・3神
莵道稚郎子(うじのわきいらつこ)
・応神天皇
・仁徳天皇
■宇治神社の御祭神・1神
莵道稚郎子(うじのわきいらつこ)

この御祭神について歴史的に紐解くことで「宇治上神社」と「宇治神社」の違いと関係性が見えてきます。

歴史的な背景とは、最初に応神天皇が莵道稚郎子を皇太子に指名することに始まります。

莵道稚郎子は学問に優れ、応神天皇から寵愛を受けていたため跡継ぎとして皇太子に任命されています。

しかし莵道稚郎子には複数の兄がおり、末っ子にあたる莵道稚郎子が皇太子となることに妬みの感情を抱き、長兄が兵を差し向けるほどの騒動にまで発展。

莵道稚郎子は兄達を差し置いて自分が皇太子になるわけにはいかない、と異母兄の大鷦鷯尊(仁徳天皇)に皇位を譲るため自害したのです。

この背景から「宇治神社」は莵道稚郎子への弔いの意味で、そして「宇治上神社」の莵道稚郎子、応神天皇、仁徳天皇の3神は互いに手を取り合い、和解して穏やかに眠る鎮魂の意味で祀られているのではないか?と思います。

うさぎに縁のある宇治上神社・宇治神社の見どころについて

「宇治上神社」と「宇治神社」に縁があるという“うさぎ”と見どころについて見ていきましょう。

うさぎとの縁について

まず、「宇治上神社」と「宇治神社」を参拝すると「なぜ、うさぎ?」と思う人も多いと思いますが、京都の宇治市には「莵道」という地名があります。

そう「宇治上神社」「宇治神社」の御祭神・莵道稚朗子にも「莵道」の文字が見られますが、かつて宇治は「莵道」とかいて“うじ”と言っていた時代があります。

昔、宇治に入る人々が道に迷うと“うさぎ”が振り返って、正しい道案内をしてくれた、という言い伝えが宇治には残っています。

「宇治上神社」「宇治神社」に“みかえり兎”と呼ばれる像が多いのはそのためで、“正しい道に導く”ということから“良縁を結ぶ”ご利益があります。

宇治上神社の見どころ

「宇治上神社」は現存する最古の神社建築といわれ、「平等院」の鎮守社として1994年(平成6)には世界遺産に指定された由緒ある神社です。

創建年代は不明ですが、927年に編集された「延喜式」の神名帳の中に宇治上神社の名があることからそれ以前の創建であると推測できます。

かつて人々は鎮守社である「宇治離宮明神(宇治上神社/宇治神社)」をお参りしてから「平等院」参拝に訪れたと云われており、その歴史の古さが伺えます。

同じ宇治にある「平等院」が注目されがちですが、源氏物語の舞台として有名な地に鎮座する風光明媚な観光スポットとして人気があります。

ここでは宇治上神社の見どころについて見ていきましょう。

拝殿

宇治上神社境内に入って正面に見える建物で最初、本殿かと思いきや“本殿は後ろ”と大きく書いた看板が立っています。

拝殿は鎌倉時代初期の建立とされ、拝殿後方にある本殿とともに国宝に指定されています。

確かに拝殿といいますが、宇治上神社の拝殿はまるで平安貴族の住宅のような「寝殿造」となっており、どこか優雅な佇まいです。

その優雅さを感じさせるのが拝殿の屋根で「縋破風(すがるはふ)」という平安時代の貴族の邸宅を想起させる見事な造りに注目してみてください。

ケヤキの大木

境内に入って左にある授与所の横にそびえ立つケヤキの大木。

樹齢は300年を超えるといわれ、境内におけるパワースポットのひとつです。

非常に狭い境内に“所狭し”とそびえ立つ姿からはみなぎるエネルギーを感じます。

桐原水

「宇治七名水」のなかで唯一現存する湧き水が宇治上神社境内にある「桐原水(きりはらすい)」です。

縄が掛けられた建物に覆われていてどこか神聖で厳かな雰囲気が漂います。

現在は参拝者が心身を清める手水舎としての役割を果たしていますが、飲用はできませんので注意しましょう。

宇治は古くからお茶の産地としても有名であり、かつて「宇治七名水」の湧き水はお茶の栽培に使用されていました。

まさに「この名水にしてお茶の産地あり」といったところでしょうか。

ちなみに摂社にあたる宇治神社参道沿いにある手水舎も「桐原水」の文字があります。

本殿

拝殿の真後ろに鎮座するのが本殿で建立は平安時代後期と云われ、まさに現存する最古の神社建築として拝殿とともに国宝に指定されています。

三柱をお祀りすることから、檜皮葺きの建物内部に左殿・中殿・右殿の一間社流造の内殿三棟が並び、中殿が左右殿より規模が小さいのが特徴的な建物となっています。

内殿には向かって右(左殿)に菟道稚郎子、中殿に応神天皇、左(右殿)に仁徳天皇の三柱をそれぞれお祀りしています。

また、内殿を覗いてみると左右殿には蟇股がありますが、中殿には蟇股がなく、内殿と覆屋は構造的に一体化しているなかでも形式にも違いがあるのも特徴の一つです。

天降石(岩神さん)

境内摂社・春日社の石段下と祠の隣にあります。

天降石は別名「岩上さん」とも呼ばれ“天から降ってきた隕石”“かつて社があった跡”とも云われています。

磐座信仰による創祀の説など諸説あるが、詳細は不明。

この石の上にはたくさんの小石が積まれており、積んだ小石が落ちなければ願いが叶うという境内パワースポットにもなっています。

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摂末社

境内には複数の摂末社があり、本殿横の「春日社」は鎌倉時代後期の造営と云われ、一間社流造の社殿で国の重要文化財に指定されています。

御祭神は建甕槌命(たけみかづちのみこと)と天児屋根命(あめのこやねのみこと)です。

他に境内には「住吉社」「香椎社」「武本稲荷社」「厳島社」の摂末社がありますので併せてお参りしましょう。

「武本稲荷社」は本殿向かって左奥の木々の陰に隠れて分かりづらいですが、石段の高台に鎮座しています。

うさぎにまつわる授与品の数々

境内入ってすぐ左手にある社務所は多くの人だかりができていました。

特に女性が多いように感じたのですが、そのお目当てはどうやら“うさぎのおみくじ”や“願い人形”のようです。

また菟道稚郎子は学問にも優れた人物であったことから学業成就、合格祈願のご利益があるということでお守りやお札も人気があります。

Kyotaroも子供たちの2021年2月に本命校への受験を残すのみとなった子供たちの最後の合格祈願をしてきました。

宇治神社の見どころ

宇治神社は宇治上神社(上社本宮)とかつてひとつであり、上社本宮に対する下社若宮の関係であったことがわかっています。

現在は宇治上神社の摂社として菟道稚郎子1神を御祭神としてお祀りしています。

宇治上神社と同様に境内には“みかえり兎”の像があり、宇治神社もうさぎに縁のある神社となっています。

大鳥居

宇治川の中洲にあたる宇治公園にかかる朝霧橋の先、朝日山の山裾に大きな鳥居が見えますが、こちらが宇治神社の大鳥居です。

見たところ新しい印象を受けましたが、2018年9月に関西地方に上陸した台風21号によって大鳥居が土台から折れて倒壊するといった被害を受けました。

拝殿

大鳥居の正面、石段の上に見える建物で別名「桐原殿」とも呼ばれます。

入母屋造の桁行3間、梁間3間、檜皮葺の建物は新緑の季節など四季折々の光景と調和する光景が印象的です。

本殿


拝殿の背後には中門と二の鳥居があり、その奥に本殿があります。

本殿は三間社流造、檜皮葺で鎌倉時代後期の造営と云われており、国の重要文化財に指定されています。

社殿正面には“みかえり兎”が安置されており、本殿をお参りした後は本殿を時計回りに三周するのが宇治神社のお参り作法となっています。

ちなみに本殿を3周する間に残りの3体の“うさぎ”を探すことができたら見事願い事が叶うといいます。

みかえりうさぎのおみくじ

宇治神社にも“みかえりうさぎのおみくじ”があります。

何とも可愛らしいうさぎの中におみくじが納められていることから宇治上神社同様に女性にとても人気があります。

宇治上神社へのアクセスと駐車場について

●宇治上神社
TEL:0774-21-4634
〒611-0021 京都府宇治市宇治山田59
■拝観料金 境内自由参拝
■拝観時間 9:00~16:30
■アクセス 宇治神社境内から徒歩3分
・京阪宇治線「宇治駅」下車、徒歩10分
・JR奈良線「宇治駅」下車、徒歩20分
■駐車場  参拝者専用無料駐車場あり


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まとめ

京都屈指の人気を誇る観光地「宇治」が誇る世界遺産の紹介でした。

現存する最古の神社建築というフレーズはいろんなところで聞いたことがあるような気がしますが「宇治上神社」拝殿と本殿はまさにそのひとつなんですね。

宇治の朝日山の山裾にあるこじんまりした境内ですが、立派な世界遺産登録地として由緒ある神社です。

近くにはあの有名な茶問屋「福寿園」もありますのでぜひ足を運んでみましょう。

アクセスも非常にわかりやすく便利なので「平等院」まで徒歩10分以内でいける距離なのでぜひ併せて参拝したいスポットですね。

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コメント

  1. 滝昇 より:

    宇治神社は宇治上神社の摂社ではありません。
    全く別の独立した神社です。

    • Kyotaro Kyotaro より:

      ブログを読んでいただきありがとうございます。
      また、ご指摘いただきましてありがとうございました。
      まだまだ勉強不足の点もございますが、引き続き正確な情報に基づく運営を心掛けてまいります。
      どうぞ引き続き宜しくお願いいたします。

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