京都在住のブロガーKyotaroです。
京都の寺町通沿いには寺院が建ち並ぶことでも有名ですが、その寺町通の最北限近くにアニメ「有頂天家族」の舞台になった「天寧寺」があります。
「天寧寺」は山門から境内へ入ったら正面に障害物がなく、霊峰「比叡山」が眺望することができる珍しい寺院。
ここは観光できる寺院ではないため、本堂や庫裡に入ることは檀家さん以外はできませんが、境内から眺める比叡山の眺望は必見の価値ありの景観です。
京都の天寧寺で額縁門から比叡山借景を堪能
京都の天寧寺は拝観寺院ではありませんので本堂の拝観はできません。
天寧寺を訪れる人の目的は額縁門
それでも観光目的で「天寧寺」を訪れる人の目的は「額縁門」と呼ばれる、山門の入口を絵画の額に見立てた“比叡山の借景”を見ることです。
京都の「天寧寺」最大の特徴はこの「額縁門」であり、山門から境内方向正面に本堂はなく、遥か彼方の正面に比叡山が見えること。
そう、意図的にこのような景観にしたのではないかと云われ、山門を額に見立てて、さらにその向こう側にそびえ立つ“比叡山を借景”にした珍しい寺院なのです。
天寧寺の京都における歩み
「天寧寺」は山号を「萬松山(ばんしょうざん)」と号する、曹洞宗の寺院で本堂には御本尊の釈迦如来像が祀られます。
もともとは比叡山延暦寺の末寺「松陰坊(天台宗)」の跡地ですが、伊達政宗公の会津攻めにより、福島県会津城下にあった天寧寺を現在の地に移転したものです。
京都に移された天寧寺は、直江兼続や京都所司代の板倉勝重らの協力のもと復興したと云われます。
その後、御所をも炎上させたという“天明の大火”によって堂宇を焼失、現在の本堂は1812年(文化9)に、書院は1842年(天保14)にそれぞれ再建されたものです。
京都の天寧寺、見どころは「額縁門」だけ?
「天寧寺」を観光で訪れる人の目的が「額縁門」というなら、拝観寺院ではないので境内見どころは他にないのでしょうか?
そんなことはありません。「額縁門」から入って参道正面の突き当りまで境内は開放されているのでそこまでなら境内は自由に拝観できますし、比叡山を眺望することも可能です。
本堂と観音堂
本堂は拝観できませんが、額縁門から境内を進むと左手に見える大きな建物が本堂です。御本尊に釈迦如来像を祀っています。
また、観音堂に後水尾天皇の念持仏聖観音像、東福門院の念持仏薬師如来像をそれぞれ安置しています。
観音堂は額縁門から境内に入ってすぐ左手にあり、ここは参拝可能です。
境内墓地に眠る偉人
天寧寺の境内墓地には江戸時代の茶人として知られる金森宗和、剣道の示現流開祖である善吉和尚、儒学者の寺島俊則や神楽が家業の公家、慈野井家の墓があります。
わらべ地蔵
額縁門からまっすぐ進んだ突き当り付近に建つ地蔵様の像があります。
この地蔵様は平成10年から始まった修復工事の際に本堂の天井裏から発見されたもので会津から京都へ天寧寺を写した際の御本尊であることがわかりました。
お地蔵様の台座には「天寧寺は山城守・直江兼続が力を貸して復興された」という記録が残っています。
本堂前の巨木「カヤの木」
本堂の横にとてつもなく大きな巨木が立っているのが境内から見えますが、実はこの巨木は京都市登録天然記念物に指定される「カヤの木」です。
天寧寺が焼亡したという“天明の大火”による焼痕が樹の幹に、落雷の跡が樹の頂部にそれぞれ残っているが歴史を伝える大樹として現在も本堂近くで力強くそびえ立っています。
稲荷大神
額縁門から入って参道右手に「稲荷大神」があり“まんじいなり”とも呼ばれます。
京都の伏見稲荷大社より分霊された「稲荷大神」が祀られています。
天寧寺へのアクセスと駐車場について
■萬松院天寧寺
TEL:075-231-5627
〒603-8138 京都市北区寺町通鞍馬口下る天寧寺門前町301
拝観時間 9:00~17:30
拝観料金 参拝無料
アクセス 京都駅から地下鉄が便利!
京都市営地下鉄烏丸線「鞍馬口駅」下車、徒歩約5分
市バス37系統「出雲路橋」下車、徒歩約5分
京都バス26・30急行系統「出雲路橋」下車、徒歩約5分
駐車場 参拝者専用無料駐車場あり(5台)
まとめ
アニメ「有頂天家族」の舞台にもなった京都「天寧寺」の紹介でした。
拝観寺院ではないので訪れた際にはきっちりマナーを守り、立ち入り禁止区域には立ち入らないようにしましょう。
「額縁門」を写真に収めることや観音堂や稲荷大神、わらべ地蔵の参拝はできます。境内は春には枝垂れ桜が咲きほこり、比叡山とのコントラストも絵になりますよ。
周辺には応仁の乱勃発の地で有名な「上御霊神社」まで徒歩すぐの距離、織田信長公のお墓がある「阿弥陀寺」にも徒歩5分程度で行けます。
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