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京都在住のブロガーKyotaroです。
先日、京都の西賀茂にある神光院へ行ってきました。
この辺りは閑静な住宅街で周辺には賀茂川、上賀茂神社があり、すぐ近くには比叡山の借景庭園が美しい正伝寺があります。
京都では東寺、仁和寺と並んで京都三大弘法のひとつに数えられる寺院の見どころとアクセス、駐車場事情を紹介します。
京都三大弘法のひとつ神光院とは?
神光院は“瓦屋寺”とも呼ばれ、その昔、京都御所に奉納する瓦職人たちの定宿として使用されていました。
神光院の創建は鎌倉時代にまで遡り、1217年(建保5)に賀茂別雷神社(=上賀茂神社)の神職・松下能久(よしひさ)が神託を受けて三輪神道創始者である慶円を招いたことに由来。
この時の神託「霊光の照らした地に一宇を建立せよ」は後に寺号である「放光山」の由来にもなりました。
開祖は弘法大師・空海、かつてこの地で空海は境内にある池に自分の姿を映し出し、その姿を見ながら自らの木像を刻み、約90日間の修行を行ったと云われています。
御本尊には弘法大師・空海像が安置されており、地元では厄除けにご利益のある「西の弘法さん」として親しまれています。
ともに世界遺産の東寺、仁和寺と並んで神光院は「京都三大弘法めぐり」でも知られ、四国八十八か所巡礼へ旅立つ前の安全祈願、巡礼後のお礼参りのために三ケ寺をめぐる風習が江戸時代に始まったと云われています。
神光院の境内見どころについて
神光院は真言宗の寺院ですが、拝観料は特にかからず、境内は自由に拝観することができます。
ただ東寺や仁和寺のような大きな観光寺院ではなく、境内がとても小さな寺院かつ墓地も隣接しており檀家の方々がお墓参りに来られてることもあるので静かにお参りしましょう。
では神光院の見どころを紹介していきましょう。
山門
駐車場もある南側の境内入口から伸びる参道の正面に見えるのが山門。
新緑の時期は青もみじのトンネルを通り抜けながら山門へと歩くのがとても清々しいです。
山門横にある石碑に刻まれた「厄除弘法大師道」という呼び名に相応しい参道です。
本堂
山門から正面に見えるのが社務所で左斜め前方にある大きな建物が本堂で空海自らが刻んだという御本尊の弘法大師像が安置されています。
2021年に国の登録有形文化財に登録されました。
額縁には左から「愛染明王」「弘法大師」「歓喜天」の文字が。
中興堂
本堂がとても立派で一見、わからないのですが、本堂の背後にひっそりと佇むのが中興堂です。
かつて時代劇のロケでよく使用されたことでも有名です。
本堂の真後ろではなく、北西側に本堂と同じく南向きに建ちます。
入母屋造屋根に唐破風の向拝を構える、独特の造りが印象的です。
蓮月庵(茶室)
幕末の女流歌人で陶芸家の大田垣蓮月が晩年に隠棲していたとされる茶室が境内、山門入ってすぐ左手にあります。
外観は茶室の面影が残されていますが、内部は現在、大聖不動明王がお祀りされています。
御大師様のおみ足
境内西側には弘法大師の石像とともに“御大師様のおみ足”が安置されています。
2018年の台風20号によって弘法大師像は倒れてしまいますが、その直後の台風21号が直撃した時、弘法大師像は倒れたまま身を挺して諸堂周辺の倒木を防いだと云われています。
弘法大師が神光院に残したという「我を信ずる者、老若男女の別なく諸病災厄を除くであろう」の言葉そのままに御大師様の御力に触れて頂くための“御大師様のおみ足”です。
鎮守社
境内の東側には池に囲まれた鎮守社があります。
周辺は秋には紅葉、そして初夏には美しい青もみじに囲まれ、美しい景観が広がります。
境内は青もみじと紅葉の名所
神光院は参道だけでなく、境内を歩いていると青もみじがとても綺麗でした。
秋なるとこの青もみじが真紅に染まり、紅葉するかと思うと紅葉の美しさを想像するのも容易でした。
次回は紅葉時期にぜひ訪れてみたいです。
きゅうり封じ
神光院で古くから行われてきた祭礼「きゅうり封じ」は、無病息災を願ってきゅうりに病を封じ込める厄除けの伝統行事です。
そもそも弘法大師・空海が中国から持ち帰り、伝わったという厄除けの行事で参拝者がきゅうりに自分の名前、病名を記入、祈祷後に持ち帰ってきゅうりで身体の悪い部分を撫でて病気平癒を祈願する、というもの。
きゅうりは土に埋めることで病気も無くなるといわれ、夏場の体力が衰えやすい土用の丑の時期に毎年行われます。
神光院へのアクセスと駐車場について
●放光山神光院
TEL:075-491-4375
〒603-8836 京都府京都市北区西賀茂神光院町120
■拝観料金 境内自由(無料)
■拝観時間 9:00~16:30
■アクセス 市バス「神光院前」下車すぐ
・京都駅から市バス9号系統「神光院前」下車
・四条河原町から市バス37号系統「神光院前」下車
・京阪三条から市バス37号系統「神光院前」下車
※比較的、交通の便が悪く、最寄駅が皆無のためバスを利用する必要があります。
※紅葉シーズンを除き、車で行くと周辺観光地を含め効率よく巡ることが可能。
■駐車場 参拝者専用無料駐車場あり
まとめ
今回は京都三大弘法のひとつ神光院を紹介させて頂きました。
東寺や仁和寺は知ってるけど、神光院は馴染みのない人も多いのではないでしょうか?
実際に東寺と仁和寺は世界遺産登録の寺院ですが、神光院は規模の小さい普通の寺院という印象でした。
でも歴史を振り返ると弘法大師が90日間修行を行い、自ら刻んだ弘法大師像が本堂に安置されていたり、賀茂別雷神社にゆかりがあるなど由緒ある寺院だということが伺えます。
賀茂別雷神社(=上賀茂神社)からも歩いて行ける距離なので余裕がある場合はぜひ訪ねてみては如何でしょうか?
京都の中でも比較的静かなエリアにあり、神光院も心静かに参拝ができる寺院です。
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