金福寺(こんぷくじ)は俳諧の聖地、芭蕉と蕪村を偲ぶ境内見どころ

京都青もみじ名所
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京都在住のブロガーKyotaroです。

今回は京都一乗寺にある俳諧の聖地として知られ、松尾芭蕉、与謝蕪村にゆかりのある寺院・金福寺(こんぷくじ)の紹介です。

一乗寺界隈は「詩仙堂」「圓光寺」などが有名ですが、「金福寺」も歩いて行ける距離にあり、桜、サツキ、青もみじが美しい寺院です。

静かな住宅街に囲まれた穴場寺院の見どころを紹介します。

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金福寺で偲ぶ芭蕉と蕪村、俳諧の聖地を訪ねて

金福寺には美しい枯山水庭園があり、5月に訪れるとちょうどサツキの花が咲き乱れ、まさに美しい庭園に花を添える景観が有名です。

京都一乗寺の閑静な住宅街に佇む、穴場のような寺院ですが、実はあの松尾芭蕉、そして芭蕉を慕ってやまなかった与謝蕪村ゆかりの地でもあります。

ここでは本堂、庭園のさらに境内奥、山手に佇む芭蕉庵、与謝蕪村の墓を中心に紹介します。

芭蕉庵

元禄の昔、松尾芭蕉は山城(京都)の東西を吟行していた際、この地の草庵で自適していた金福寺の住職・鉄舟和尚をよく訪ねていたといいます。

芭蕉は鉄舟和尚を訪ねては禅や風雅についてとことん語りあかして親交を深めていったと云われています。

後に鉄舟和尚は芭蕉と語りあかしたその草庵を「芭蕉庵」と名付けました。

それが今日、金福寺にある芭蕉庵のはじまりとされています。

近くで拝観することができ、とても小さな庵ですが、京都市街を眺める高台に建っており、小さいながらもどこか高風なところを鉄舟和尚は気に入ってたのかもしれません。

与謝蕪村の墓

芭蕉庵から大きなやまももの木の横を通り抜けた先の高台に与謝蕪村の墓があります。

金福寺へ与謝蕪村が訪ねてきたのは芭蕉が鉄舟和尚と親交を深めていた時代から約85年が経った頃。

蕪村が金福寺を訪れた時には既に庵は荒廃していましたが、村の農夫や子供たちがこの草庵を「芭蕉庵」と呼んでいることを知り、とても庵の荒廃を惜しんだといいます。

松尾芭蕉を私淑、心の底から偉大な先人として慕っていた与謝蕪村は庵を再興し、後に彼の代表作となる俳文「洛東芭蕉庵再興記」を金福寺に納めました。

芭蕉庵再興の時に読んだ句が「耳目肺腸ここに玉巻く芭蕉庵」で、あの司馬温公「独楽園記」中の成語「耳目肺腸」を使用したこの句には芭蕉の俳諧精神復興を誓う蕪村の強い意思が込められていたことが伺えます。

晩年には金福寺で「写経社」という俳句結社を結成して毎年4月と9月に一門の句会を催したことでも知られています。

与謝蕪村が眺める風景

与謝蕪村の墓があるのは金福寺の裏山、高台にあり、お墓をお参りしてから振り返ると京都市街、北山越しに愛宕山を眺めることができます。

まるで京都の街を見守るかのようなロケーションで眠る与謝蕪村、そしてすぐ隣には蕪村門下の高弟・江森月居の墓もあります。

京都の街並みを紹介したイラストマップ看板がありますのでどの辺にどんな寺院があるのか?思いを馳せるのも旅の楽しみのひとつですね。

写真のいちばん遠くにうっすらと見えるなだらかな山が京都の最高峰・愛宕山です。

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金福時の拝観料、境内の見どころ

続いて金福寺の拝観料と見どころについて紹介します。

金福寺には松尾芭蕉、与謝蕪村そしてもうひとり歴史小説のヒロインとして有名な村山たか女ゆかりの寺院でもあります。

詳しく見ていきましょう。

金福寺の拝観料

金福寺の拝観料は大人500円です。

中高生は300円、小学生以下は無料となっています。

山門入って正面の寺務所にて拝観料を納めましょう。

金福寺の見どころ

金福寺のハイライトは何といっても本堂、そして本堂から眺める枯山水庭園です。

寺務所から庭沿いに庭園への入口があり、そこから枯山水庭園へと出ることができ、縁側から本堂へ靴を脱いであがる、というちょっと変わったエントランスになっています。

本堂

金福寺の本堂には御本尊の観世音菩薩、村山たか女の御位牌、そして彼女の遺品類が展示されています。

また村山たか女の生涯を記した年表も展示されており、彼女の壮絶な人生を学ぶことができます。

芭蕉庵を拝観後に高台から降りてくる時の景観がとても立派で撮影ポイントになっていますのでお見逃しなく。

枯山水庭園

本堂から眺める枯山水庭園はとても美しく、京都の寺院ならではの景観を楽しむことができます。

5月にはサツキの花が咲き乱れ、美しい枯山水庭園がピンク色に染まる、初夏ならではの光景を楽しむことができます。

また庭園は青もみじがとても美しいスポットでもあり、必然的に秋の紅葉の素晴らしさを容易に想像できます。

平日に訪ねると時間帯によっては特にほぼ貸切状態になるのでぼーっと庭園を眺めるのもとても心がリフレッシュできる時間なのでおすすめです。

蹲(つくばい)

 

寺務所から庭園への入口すぐ右手に蹲があります。

気付かずに通り過ぎる人もいるかもしれませんが、ぜひチェックしてみて下さい。

「吾唯足知(われただたるをしる)」という四文字を表しています。

その意味は「満足することを知ってる人は貧しくとも幸せであり、満足することを知らない人はたとえお金持ちであっても不幸である」です。

京都では龍安寺にも同じ蹲がありますね。

村山たか女と金福寺のゆかり

村山たか女は歴史小説「花の生涯」「妊婦にあらず」のヒロインとして知られ、あの井伊直弼の若かりし頃の愛人であった人物です。

直弼が32歳で江戸へ下り、44歳で大老職に就任してからは、京都における幕府の隠密、いわゆるスパイとして活躍し、有名な「安政の大獄」でも一躍をかっていました。

勤王志士たちからたか女は恨まれることになり、井伊大老が暗殺された「桜田門外の変」の後、勤王志士たちによって彼女は囚われの身となり、京都三条河原で生き晒にされます。

村上たか女は3日後に救出されますが、1862年(文久2)に尼僧となり、金福寺に入り、その名を「妙寿」と改め、余生を過ごしたと云われます。

これが村上たか女と金福寺のゆかりです。

1876年(明治9)、67年の生涯に幕を閉じ、波乱万丈の人生は終焉を迎えます。

金福寺へのアクセスと駐車場について

●佛日山金福寺
TEL:075-791-1666
〒606-8157 京都府京都市左京区一乗寺才形町20
■拝観料金 大人500円 中高生300円 小学生以下無料
■拝観時間 9:00~17:00
※拝観休止 12/30~12/31、1/16~2月末日、8/5~8/31
■アクセス 一乗寺下り松を目指します
・叡山電車「一乗寺駅」下車、徒歩約15分
・市バス「一乗寺下り松町」下車、徒歩約5分
■駐車場  参拝者専用あり(1台)


※周辺は閑静な住宅街で路地も狭いため一乗寺界隈のコインパークを利用することをおすすめします。


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まとめ

今回は京都の穴場的スポット、一乗寺界隈にある金福寺の紹介でした。

あの松尾芭蕉、与謝蕪村という歴史的に有名な人物にゆかりがある、ぜひ訪れて頂きたい寺院のひとつです。

一乗寺のやや高台にあるため、自然豊かな景観に囲まれたロケーションで境内はとても美しく、静かな時間が流れています。

周辺にはししおどし発祥の地「詩仙堂」や南禅寺の修行道場「圓光寺」などがあり、歩いて巡ることができる、見どころ満載のおすすめエリアでもあります。

京都の一乗寺ぶらり歩き、帰りは京都屈指のラーメン激戦区で好みのラーメンを食べて帰るのもいいかもしれませんね。

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