“京都はんなりずむ”を訪れて頂きありがとうございます。
京都在住のブロガーKyotaroです。
初夏というか、もう夏の京都、新緑が深緑へと変わる梅雨の季節、青もみじの色がより深みを増していくのを感じ取ることができます。
1年ぶりに京都嵐山の新名所「祐斎亭」へ行ってきましたが、行くたびに映える新しい景観に出会うことができるので来る人をいつもわくわくさせてくれる場所。
今回は視覚で「涼」を感じさせてくれた奥田祐斎先生の演出の素晴らしさをシェアさせて頂きます。
初夏から夏、嵐山の祐斎亭は予約なしでも大丈夫?
2020年から一般公開を行っている嵐山の祐斎亭はコロナ禍で公開が始まったため、その存在が認知され始めたのは2021年秋頃からでした。
最近はテレビなどマスコミにもよく登場し、インスタ映えする景観や夜間貸切での観賞が話題を呼び、お客様が一気に増えた印象です。
また、祐斎亭は予約制での見学となる印象があり、実際にホームページを見ると予約制になってるのがわかりますが、実際はどうなのでしょうか?
秋・紅葉時期の祐斎亭は予約が必須
秋の行楽シーズンとなる10月、紅葉がピークを迎える11月の祐斎亭は予約が必須となります。
そもそも週末や秋の3連休は早く予約しないと限られた枠がすべて埋まってしまいます。
特に京都の11月といえば、どこかしこ混雑し、ホテルの予約もかなり難しくなりますし、特別拝観など期間限定公開も事前予約制のものが多く、大体はすべて枠が埋まってしまいます。
京都屈指の紅葉名勝である嵐山の祐斎亭も例外なく、枠がすぐに売り切れてしまうので紅葉シーズンに行きたい人は、早期にとにかく予約をしましょう。
初夏から夏、青もみじが綺麗な祐斎亭
祐斎亭があるのは嵐山の景勝地「渡月橋」から上流に歩いて7,8分の場所にあり、ここまで来るとほとんど人影も少なくなってきます。
初夏から夏にかけてがKyotaro個人的にはいちばん好きな季節です。
理由は簡単、祐斎亭が誇る絶景の「テーブルリフレクション」は青もみじの季節がいちばん映えることを知ってるから。
初めて訪れたのが2021年6月ということもあり、緊急事態宣言の最中、ほぼ嵐山に誰もいない時期でこの絶景を独り占めできた、感動の大きさがあったからかもしれません。
毎年、初夏から夏にかけて嵐山の観光客も少しだけ落ち着く時期であり、その時期になると祐斎亭も全ての枠が埋まることがありません。
当日でも枠が空いてれば予約がなくても快く見学させて頂けます。
青もみじの祐斎亭は予約がなくても必ず大丈夫?
青もみじの季節はほぼ予約がなくても大丈夫?かというと必ずというわけではありません。
週末や連休など時間帯によっては、枠がいっぱいになってることももちろんあります。
必ずお出かけ前に状況を確認してから枠が埋まってる時間帯を回避していくイメージですね。
嵐山観光を楽しみながら、混雑していない時間帯であればそのまま祐斎亭を訪れて問題はありません。
今回、Kyotaroが訪れたのは7月最初の日曜日、10時半頃でしたが、人も少なくて癒しの空間を独り占めできた時間が結構あり、満足できる訪問となりました。
2023年夏は羽衣アートがお出迎え、視覚で「涼」を体感
さて、2023年7月に嵐山の祐斎亭を訪れた際にとても美しい景観を見ることができたのでシェアしたいと思います。
祐斎亭にある「川端康成の部屋」から見る光景はよくSNSなどでもアップされ、とても有名になったのですが、そこで眺めた景観がブラッシュアップされてました。
羽衣アートが奏でる涼しい風景
祐斎亭にある「川端康成の部屋」は、祐斎亭がかつて料理旅館「千鳥」であった時代に実際に川端康成がこの地を訪れ「山の音」を執筆した部屋として有名です。
2021年に初めて祐斎亭を訪れた際に眺めた光景がこの「川端康成の部屋」から見るテーブルリフレクションでした。
他にも祐斎亭には「丸窓の部屋」があり、そちらの方がインスタ映えで有名になった感じがしますが、個人的に落ち着くのがこの「川端康成の部屋」です。
目の前に広がる庭園、その向こう側に広がる緑一色の光景、そして上下対照的に映し出されるリフレクションは、まさに絶景、京都はここが最強ではないか?と思わず固唾をのんだ部屋でもあります。
その川端康成の部屋の前にはまるで「天女の羽衣」のように風にたなびく虹色に染色された「羽衣アート」が設置されており、さらに美しい景観を創り上げていました。
蒸し暑い京都の夏を瞬時に忘れさせてくれる、視覚で「涼」を感じるとはまさにこのことだと肌で実感できました。
ぜひ、あなたにも見て頂きたい光景です。
木漏れ日アートキャンパスにも羽衣アートが
祐斎亭の染織工房前には2021年秋に完成した「木漏れ日アートキャンパス」があります。
ちょっとしたテラス席のようになっていてここでは足を延ばして座りながら、眼下に流れる“翡翠色”の大堰川、目の前に広がる嵐山の千年前から変わらない景観を眺めることができます。
まさに目の前には翡翠の緑と青もみじの緑、そして平安貴族たちも眺めたであろう千年前の景観が眺望できる贅沢な空間です。
ここにも「羽衣アート」が施され、とてもゆったりとした時間の流れを感じることができます。
「木漏れ日アートキャンパス」では、誰もいない、美しい景観をほぼ独り占めできた時間があったので心身ともにリフレッシュできました。
SNSで大人気の「水鏡」も進化していた件
祐斎亭のいちばん奥にある夢こうろ染の染色工房から「木漏れ日アートキャンパス」を経て石段を降りるとすぐ「水鏡」があります。
この「水鏡」はテーブルの上一面に水をはって、その先にある青もみじの深緑がまるで鏡のような水面の上にリフレクションする、という仕掛けになっています。
テーブルリフレクションとの大きな違い、それは水面は風によって波紋ができる、という点です。
真円を描く波紋の水面の上に青もみじの樹々が写る光景もたまらなく、神秘的な時間となります。
当然、風が吹いていないときは、待ちきれないでしょうから備え付けの筆に水を含ませてテーブル中央で雫を落として波紋を作る、というものに進化していました。
また「水鏡」すぐ横にはミニチュア版の「水鏡」が設置されていて「あなただけの水鏡」的な体験ができるものまで新たに設置されていました。
ここ「水鏡」でも前回と異なる趣向が凝らされていました。
実は茶室からの眺めは丸窓の部屋に負けない絶景?
水鏡から染色工房を後にして玄関までの間にあるのが「丸窓の部屋」「茶室」です。
「丸窓の部屋」のリフレクションは祐斎亭の代名詞となっていますので来場者が集まる場所でいつも混雑してる印象ですね。
安定した景観が楽しめるのがここ、ですがKyotaroは写真を撮ったらすぐ次の人に場所を譲って次の間へ移動します(※人が多く落ち着かない)。
でも実は「丸窓の部屋」すぐ隣の茶室(川沿い上流の隣室)は狭いのですが、限られた空間の中に映し出されるテーブルリフレクションがとても綺麗なんです。
写真をご覧の通り、条件が整えばここまで美しい景観になるんですね。
祐斎亭のなかでも意外な穴場なので、ぜひここでもインスタ映えする写真を撮影しましょう。
祐斎先生の遊び心?水琴窟が進化した水風りんで納涼
古来より日本人は自然を愛し、自然が発する音、光、雨などに詩的感性を感じ、日本庭園を手掛けてきました。
日本を代表する庭師として有名な小堀遠州が発明したと云われる「水琴窟」はまさにその象徴だったのかもしれません。
この水音を楽しむための水琴窟をより楽しむために「雨雫を視覚化させた水はじきダンス」「雨雫が水面にはじく雨音」「水瓶内に雨雫が鳴り響く水琴の音」の三要素を実現させた祐斎先生が名付けたのが「水風りん」です。
「水風りん」は見て聴いて楽しめる、祐斎先生の遊び心から発明された自然の中で納涼体験ができる、芸術的な作品です。
「川端康成の部屋」の外側に設置されているのでややわかり辛いのですが、ハートの猪目窓から外を眺めた右手奥にあるのでお見逃しなく、ぜひ見物してほしい場所です。
ここも前回来た時になかった新しいスポットとして楽しむことができました。
嵐山・祐斎亭へのアクセスと駐車場について
嵐山の渡月橋を起点に「祐斎亭」への行き方の紹介です。
渡月橋を北へ渡り、大堰川(桂川)沿いを左に福田美術館がある方向へ進みます。
大堰川(桂川)沿いを進むとお食事処「亀山家」があり、さらに進むと車が停まっている場所があります。
そちらを過ぎた辺りの右手にある階段に「嵐山 祐斎亭」の看板があり、階段を登っていくと「嵐山 祐斎亭」入口があります。
●嵐山祐斎亭(ゆうさいてい)
TEL:075-881-2331
〒616-8386 京都府京都市右京区嵯峨亀ノ尾町6
見学時間 10:00~18:00
※ライトアップ期間は~19:30まで
見学料金 一般2,000円(お抹茶・お茶菓子付)
※10歳以上より入場見学可
アクセス 各線「嵐山駅」より徒歩
・阪急嵐山線「嵐山駅」より徒歩12分
・京福電鉄(嵐電)「嵐山駅」より徒歩8分
・JR山陰本線「嵯峨嵐山駅」より徒歩15分
駐車場 なし
まとめ
行くたびに何か期待をさせてくれる、今までと同じだったことがほとんどない、演出がされている、というのが祐斎亭の素晴らしいところです。
特に今回、感動したのは暑い京都の夏、蒸し暑さを瞬時に忘れさせてくれる「羽衣アート」の魅せ方です。
視覚で「涼」を感じさせてくれる演出はさすが、奥田祐斎先生、まさに染色アートの芸術がなせる業でした。
また次回来るのは秋くらいかな、と思いますが、次はどんな演出で来る人を喜ばせてくれるのだろう?とつい期待してしまうのが京都嵐山の新名所「祐斎亭」です。
まだ来たことがないあなたは、この季節ぜひお越しください。
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