智積院の見どころは利休好みの名勝庭園と長谷川等伯一門の障壁画

神社仏閣(観光)
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京都在住のブロガーKyotaroです。

今回は京都東山にある「真言宗智山派総本山智積院」の紹介です。

智積院」は全国に約3,000の末寺があり、その中には「成田山新勝寺」「川崎大師平間寺」「高尾山薬王院」なども含まれる由緒正しき総本山寺院。

境内に現存するお堂や仏像はすべて焼失しており、ほとんどが再建されたもので古くから残る建物は「大師堂」、古くからある仏像は明王殿にある「不動明王像」だけである。

智積院の見どころについて詳しく見ていきましょう。

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智積院の見どころは利休好みの名勝庭園

智積院の見どころは何と言っても大書院から眺める「名勝庭園」と長谷川等伯一門による「障壁画」です。

ともに拝観料が必要な有料のエリア(大人500円)となっており、智積院に来る殆どの人は「名勝庭園」と「障壁画」を拝観することが目的です。

中国廬山を模した利休好みの庭園

智積院名勝庭園“利休好みの庭”といわれており、庭園奥部の自然、手前のキメ細かな刈込と池が調和した日本庭園です。

石橋より奥のエリアは自然石のみを使用し、刈込を主体とし、まるで深山にいるような雄大な自然を彷彿とさせる祥雲禅寺の時代に造られました。

また大書院正面にある滝のあるエリアは綺麗な石組と美しい植込が並ぶ洗練された美しさが特徴的で江戸時代に修築されました。

それぞれ趣の異なるきめ細かさと雄大さを兼ね備えた、名勝庭園の傑作のひとつとして“春夏秋冬”四季折々の景観を楽しむことができます。

庭園見学におすすめの時期は春と秋

四季折々の景観が楽しめる名勝庭園ですが、特におすすめの時期が春4~5月にかけてのサツキやツツジが咲く季節と秋が深まる11月紅葉シーズンです。

春は青々と燃えるように美しい新緑のなかに咲き誇る赤やピンクの花、京都の秋が深まる11月には石橋より奥のエリアにあるカエデが紅に染まる紅葉が庭園を彩ります。

また毎年5月下旬になると植木の刈込が行われ、年間でもっとも整った美しい庭園を拝観することができますので特におすすめです。

智積院の国宝、長谷川等伯一門による障壁画

続いて拝観受付所のすぐ隣にある収蔵庫に納められている“我が国最高峰”といわれる長谷川等伯一門による国宝の障壁画

長谷川等伯一門は桃山時代に活躍したあの有名な狩野派の対抗馬のような存在であり、お互いに腕を競い合ったライバル関係だったと云われます。

日本を代表する障壁画“楓図”と“桜図”

長谷川等伯一門によって描かれた障壁画のなかで智積院の収蔵庫に現存するのが“楓図”“桜図”“松に秋草図”“松に黄蜀葵図”“雪松図”“松に立葵図”です。

特に有名なのが“楓図”と“桜図”でそれぞれ長谷川等伯と息子・長谷川久蔵の作といわれ、智積院の寺宝であるとともに国宝にも指定されています。

“楓図”は長谷川等伯の作で26歳の若さで急逝した息子の長谷川久蔵のために父親である長谷川等伯が哀惜の情を振り切って精いっぱいに描いた作品。

“桜図”は長谷川久蔵が25歳の時に描いた作品で春爛漫のイメージで2本の桜を中心とした大胆な構図で描かれています。

まさに親子2代にわたる長谷川等伯一門の代名詞と言っても過言ではない障壁画智積院に収蔵保管されており、国宝となっているのです。

収蔵庫内は撮影禁止なので注意を

収蔵庫内にある国宝の障壁画は一切、写真撮影が禁止されています。

収蔵庫内は明かりも一定の明るさに調整されており、収蔵されている障壁画は国宝でもあるため保存状況にも特に気が配られています。

収蔵庫入口のドアは自動ではなく、手動なので必ず開けたら自分で閉めましょう。開けっ放しは厳禁です。

拝観してるとつい写真を撮りたくなるのですが、ここはグッと堪えて講堂、大書院、名勝庭園へと進めて行きましょう。

大書院にある障壁画のレプリカ

収蔵庫内にある長谷川等伯一門による障壁画のレプリカが“大書院”にあります。

“大書院”の広間に座り込んで「名勝庭園」を眺め、背後には見事に再現された障壁画のレプリカを見ることができます。

ここの障壁画はレプリカ(※国宝ではありませんが)なので写真撮影はOKです。

智積院の境内について

智積院は東山七条交差点、突き当りにある寺院で交差点を右折してすぐ入口があります。

京都の寺院では珍しい開放的な山門となっています。駐車場も広々としており、広大な規模の敷地を誇ります。

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境内にはカエデの樹々がたくさん植えられており、新緑から初夏の時期まで“青もみじ”が美しい季節となり、当然秋になれば美しい燃えるような紅葉を楽しむことができます。

境内は自由に参拝できるのですが、「名勝庭園」と「長谷川等伯障壁画収蔵庫」は拝観料が必要となります。

金堂

総本山智積院の中心的建造物で山門より真正面に建つ「本堂」にあたるお堂で御本尊の大日如来像が安置されています。

1882年(明治15)の火災により焼失、1975(昭和50)に宗祖弘法大師御生誕1200年の記念事業で再建されました。

智積院には沢山の修行僧がおられ、参拝中に遭遇することもしばしば、気持よく挨拶して下さいます。

明王殿

もともと1882年(明治15)に焼亡した本堂(金堂)再建のために京都四条寺町にある名刹「大雲院」本堂を現在の智積院講堂のある場所へ移築した建物。

1992年(平成4)の講堂再建によって現在の場所(金堂の南側)に再び移築されました。

御本尊に不動明王像を安置することから「明王殿」は「不動堂」とも呼ばれ、智積院に古くから残る数少ない仏像のひとつです。

あじさい苑

金堂の裏側に広がるあじさい苑で金堂と明王殿の間にある通路を奥に進むと辿り着けます。

拝観自由のエリアなので6月中旬以降見頃を迎えると金堂、明王殿の参拝後に訪れる人が多いですね。

大きな金堂の裏側一体があじさい苑になっており、結構な規模のあじさい苑で見応えがあります。

大師堂

宗祖弘法大師空海を祀るお堂で参道正面の金堂を左手に進んだ石段の上、高台に建ちます。

大書院から名勝庭園を眺めると滝があるのですが、その背後にあるのが大師堂で大書院からもその姿を見ることが出来ます。

南化玄興(なんかげんこう)像

智積院の前身、秀吉公ゆかりの菩提寺「祥雲禅寺」の開基で戦国から桃山時代にかけての臨済宗の僧。

豊臣秀吉とも親交があり、智積院の「名勝庭園」と「国宝障壁画」は「祥雲禅寺」の遺構であったと云われています。

拝観受付

智積院は拝観料が不要ですが境内の「名勝庭園」「講堂」「大書院」「長谷川等伯障壁画の収蔵庫」の見学には拝観料(大人500円)が必要です。

それ以外の境内(金堂・明王殿・大師堂・鐘楼・あじさい苑)は拝観自由で誰でも参拝頂けます。

智積院へのアクセスと駐車場について

■総本山智積院
TEL:075-541-5361
〒605-0861 京都府京都市東大路七条下ル東瓦町964
拝観時間 9:00~16:00
拝観料金 境内自由(金堂・明王殿・あじさい園)
庭園+収蔵庫 大人500円 中高生300円 小学生200円
アクセス 最寄駅「京阪七条」より徒歩10分
・京阪京都線「七条駅」下車、徒歩10分
・市バス「京都駅」発206・208系統「東山七条」下車すぐ
※京都駅から歩くと約30分はかかります。
駐車場 参拝者専用駐車場あり(無料)

まとめ

利休好みの「名勝庭園」と長谷川等伯一門の国宝「障壁画」が見どころの智積院の紹介でした。

豊臣秀吉公ともゆかりのある寺院で現存する建物や仏像はかつての戦乱によって焼失したものがほとんど。

収蔵庫にて常時公開されている国宝の「障壁画」は必見の価値があり、講堂の「襖絵」とともに寺宝となっています。

周辺には「京都国立博物館」や「三十三間堂」は歩いてすぐ、「清水寺」も徒歩20分の距離にあり、京都東山界隈の周辺観光にも便利な立地となっています。


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