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京都在住のブロガーKyotaroです。
さて、今回は京都と比叡山を挟んで隣接し、延暦寺ともゆかりのある滋賀県大津市坂本にある「日吉大社」の紹介です。
ここは映画「るろうに剣心」で主人公が新井赤空から“逆刃刀”を授かるシーンが撮影されたロケ地でもあります。
映画ロケ地としての話題以外にも境内は見どころがたっぷりあります。
詳しく紹介していきましょう。
日吉大社にある映画「るろうに剣心」ロケ地とは?
京都八瀬と比叡山を挟んだ反対側、滋賀県側の比叡山登山口となる大津市坂本に「日吉大社」は鎮座しています。
年間多くの参拝客が訪れる日吉大社の境内には人気映画「るろうに剣心」のロケで撮影場所になった箇所があります。
主人公が“逆刃刀”を授かるロケ地
<逆刃刀のシーンが撮影された大宮橋>
日吉大社の境内を流れる大宮川に架かる石橋「大宮橋」は境内にある「走井橋」「二宮橋」とともに「日吉三橋」と呼ばれています。
<二宮橋は東受付前にある>
この年季の入った石橋、とても歴史を感じさせるのですが、周囲は青もみじに囲まれ、橋の袂にある石灯籠が何とも言えない雰囲気を醸し出す景観となっています。
映画作品の中で主人公の緋村剣心が不刹の剣“逆刃刀”を新井赤空より授かるシーンが撮影されたロケ地となっています。
場所は坂本比叡山口駅方面から道路がカーブする場所にある鳥居を潜った西受付の前を通過した場所に「大宮橋」があり、神社入口すぐの場所にあります。
お車を利用の場合は東受付から駐車場に入るため、境内の山王鳥居から神社入口鳥居方向へ参道を下っていく形になり、また境内拝観へと向かうため行ったり来たりになります。
ちなみに「大宮橋」すぐ下流には「日吉三橋」のひとつ「走井橋」があり、ここにも斜めに横たわるように生えたる松の木があり、ここの風景も映画に登場しました。
日吉大社のご由緒まとめ
映画「るろうに剣心」のロケ地情報をお伝えしましたが、それ以外にも「日吉大社」の境内には見どころがたっぷりあります。
その前に「日吉大社」とは?について以下、ご由緒を紹介しておきましょう。
比叡山の麓に鎮座する日吉大社は、およそ2100年前、崇神天皇七年に創祀された全国3800余りの日吉、日枝、山王神社の総本宮です。
平安京の表鬼門にあたることから都の魔除・災難除を祈り、伝教大師が比叡山に延暦寺を開かれてからは天台宗の護法神として篤い信仰を受けています。
境内には3000本もの楓の樹々があり、秋になると紅葉が境内を彩り、関西屈指の紅葉名勝として多くの参拝者で賑わいます。
日吉大社の境内見どころについて
続いて「日吉大社」の境内見どころについての紹介です。
境内はかなり広くてゆっくり参拝すればいいのですが、結構な距離を歩くことになり途中、石段などもあるので履きなれた靴や運動靴での参拝をお薦めします。
ただ比叡山の麓でもあり、自然に囲まれた景観の神社ですので新緑、紅葉など四季のうつろいを感じることができるのも魅力のひとつですね。
では具体的な見どころを紹介していきます。
西本宮
<西本宮前にある大威徳石>
西本宮は御祭神に大己貴神(おおなむちのかみ)をお祀りしています。
天智天皇の御代に奈良より大津へ遷都が行われた際に奈良の三輪山から御神霊をお迎えし、以来は国家鎮護の神として祀られています。
西受付より参道を真っすぐ進んだ突き当り、正面ではなく右手に西本宮楼門が建っていますのでそちら本宮内へ入ります。
西本宮楼門
西本宮楼門は1586年(天正14)に再建され、国の重要文化財に指定されています。
三間一戸(さんげんいっこ)、入母屋造、桧皮葺の建物で東本宮楼門よりもその規模は大きく、壮麗な造りとなっています。
木部は丹塗にぬりを主とし、境内においても樹々の緑にこの季節はよく映えるのでより鮮やかに感じることができます。
東本宮楼門にはいない神猿(まさる)が楼門の四隅に屋根を支えるかのように配置されているのが特徴です。
棟持ち猿
西本宮楼門に着いたら、よーく屋根の下を目を凝らして見てみましょう。
軒下の四隅に木像の“神猿(まさる)”が楼門を守るかのように屋根を支えるように配置されているのが見ることができます。
普通に参拝に来たら気付かずに通り過ぎてしまうので、予習してから参拝に行くと楽しみが増えますよね。
西本宮拝殿
西本宮拝殿は日吉大社の拝殿のなかでも一番手の込んだ構造になっているといわれ、1586年(天正14)本殿と同時に建てられたものです。
桁行三間、梁間三間の方三間、一重、入母屋造、檜皮葺、妻入りの建物となっています。
柱間は四方開けっ放し、屋根の妻飾りは木連格子で回り縁には高欄が付いており、天井部分は中央が高い折上小組格天井となっています。
西本宮本殿
「西本宮本殿」は御祭神である大己貴神をお祀りしており、1961年(昭和36)国宝に指定されています。
桁行三間、梁間三間、日吉造(ひえづくり)、檜皮葺の建物となっています。
“日吉造”は“聖帝造(しょうたいづくり)”とも言い、全国で唯一、日吉大社でのみ見られる特殊な構造で必見の価値ありです。
現在の社殿は1586年(天正14)に建てられたもので「日吉造」という独特の形をしており、床下に「下殿」と呼ばれる部屋があり、かつてこの部屋で仏事が営まれていました。
本殿の両脇に安置されてる“狛犬”がまた迫力があり、リアルな独特の風貌をしています。
東本宮
東本宮には比叡山の山の神様として古事記に御神名が記されている大山咋神(おおやまくいのかみ)を御祭神としてお祀りしています。
同じ東本宮内の樹下宮(じゅげぐう)の御祭神である鴨玉依姫神(かもたまよりひめのかみ)と大山咋神は夫婦にあたります。
西本宮が楼門から拝殿、本殿が一直線に社殿が並んでいるのに対して東本宮には楼門から拝殿と本殿と交錯するように樹下宮本殿、正対するように樹下宮拝殿が建っています。
東本宮楼門
「東本宮楼門」は、三間一戸(さんげんいっこ)楼門の形式で入母屋造、檜皮葺、縁付きの建物となっています。
斗きょうは上下層とも三手先(みてさき)となっています。
西本宮楼門とは違う比例を持っており、1階部分が高く、2階部分が低い、すらりと均斉がとれているのが特徴的です。
東本宮拝殿
「東本宮拝殿」は本殿前に独立する桁行三間、梁間三間の方三間、一重、入母屋造、檜皮葺、妻入りの建物となっており、西本宮拝殿と同じ造りとなっています。
四方の柱間は吹放し、屋根の妻飾りは木連格子で回り縁には高欄が付いており、天井部分は中央が高い折上小組格天井となっています。
天井の格縁が一本残されており、「文禄五年三月吉」の墨書があることから1596年(文禄5)頃の建築であることを伺い知ることができます。
1964年(昭和39)に国の重要文化財に指定されています。
東本宮本殿
「東本宮本殿」は御祭神である大山咋神をお祀りしており、「西本宮本殿」と同じく1961年(昭和36)国宝に指定されています。
「西本宮本殿」同様に桁行三間、梁間三間、日吉造(ひえづくり)、檜皮葺の建物となっています。
ほぼ同じに見える造りも唯一異なるのが、「東本宮本殿」は背面の三間の床が一段高くなっている点で1595年(文禄4)に西本宮本殿に続き復興された「日吉造」の代表建築です。
樹下神社拝殿
日吉大社の他の拝殿と同様に方三間ですが、柱間が開けっ放しとなっている他の拝殿とは違い、四方とも格子や格子戸で閉ざされているのが特徴です。
樹下神社の拝殿と本殿を結ぶ線は東本宮の拝殿と本殿を結ぶ線と交錯するという珍しい社殿の配置となっています。
樹下神社本殿
「樹下神社本殿」は三間社流造、檜皮葺の建物で後方三間・二間が身舎(もや)でその前方一間通しの廂が前室となっています。
数ある流造のなかでも大型であること、床下が「日吉造」と共通した方式であること、向拝階段前に吹寄格子の障壁を建てているのが「樹下神社本殿」の特徴です。
日吉雌梛・雄梛
<日吉雄梛>
東本宮内には2本の梛の夫婦木が立っており、日吉雌梛は男性が女性の幸せを祈る木、日吉雄梛は女性が男性の幸せを祈る木、と云われています。
<日吉雌梛>
梛(なぎ)には「薙ぎ払う」に通じる災難除や「凪ぐ」「和む」に通じる夫婦和合を象徴する意味が込められているといいます。
境内の見どころ
「日吉神社」の西本宮と東本宮以外の見どころについて見ていきましょう。
正面鳥居から西本宮と東本宮との間に複数の見どころがあります。
山王鳥居
「山王鳥居」は神仏習合の信仰を表す独特の形をした鳥居です。
合掌鳥居とも呼ばれ、日吉大社の境内にあります。
神猿舎の神猿(まさる)
古来より猿は神の使い「神猿(まさる)」と呼ばれ「魔が去る」や「何よりも勝る」として縁起の良いものと云われてきました。
神猿舎には2頭の猿が飼育されていますが、暑いせいか、やや夏バテ気味の様子でした。
隣には「神馬舎」もありますが、中にいる馬は木馬でした(笑)。
白山宮(境内摂社)
日吉神社の境内摂社「白山姫神社」の本殿と拝殿。
1906年(明治39)8月に国の重要文化財に指定されました。
神猿舎の横からスラっと伸びた参道が印象的で正面には立派な拝殿、その奥には本殿が見えます。
本殿脇には滝が流れ落ち、本殿を囲むように水路が張り巡らされており、神聖な雰囲気が漂います。
宇佐宮(境内摂社)
日吉神社の境内摂社「宇佐宮」の本殿と拝殿。
荘厳な杉木立ちに挟まれた参道が正面に建つ威風堂々とした社殿の景観を引き立てます。
西本宮本殿、東本宮本殿と同じく「日吉造(聖帝造)」の典型的な建物となっています。
1901年(明治34)8月に国の重要文化財に指定されました。
神輿収蔵庫
「神輿収蔵庫」には桃山時代から江戸時代にかけて作られた7基の神輿が展示されています。
7基とも重要文化財に指定されており、4月12~14日の「山王祭」では天下泰平と五穀豊穣を祈り、7基の神輿を中心に様々な神事が執り行われます。
※7月20日現在、「神輿収蔵庫」の公開は“高湿度に伴う神輿保存への悪影響”により中止されています。
三宮宮・牛尾宮の遥拝所
西本宮から東本宮へ向かう途中、「神輿収蔵庫」を過ぎたあたりに「三宮宮」と「牛尾宮」の遥拝所があるのに気付きます。
実は「三宮宮遥拝所」と「牛尾宮遥拝所」の間には急勾配な石段と参道があり、標高381mの八王子山山頂へと続く登山道になっているのです。
山頂付近に「三宮宮」「牛尾宮」があり、その間に「金大巌(こがねのおおいわ)」と呼ばれる日吉大社の原点といわれる“御神体”があります。
猿の霊石
「東本宮」前の参道の途中に“お猿さん”がしゃがみ込んだような石があります。
まるで参拝者が無事に帰るのをお見送りしてくれてるかのような「霊石」です。
パッと見てそこまで“お猿さん”とはKyotaroは思わなかったです。
日吉大社へのアクセスと駐車場について
●山王総本宮・日吉大社
TEL:077-578-0009
〒520-0113 滋賀県大津市坂本5-1-1
■入苑料金 大人300円 小人150円
■拝観時間 9:00~16:30
■アクセス JR又は京阪電車が便利
・JR湖西線「比叡山坂本駅」下車、徒歩20分
・京阪電車「坂本比叡山口駅」下車、徒歩10分
■駐車場 境内無料駐車場あり(50台)
※京都方面より車で行く場合は西大津バイパス「滋賀里ランプ」で下りましょう。
※西大津バイパス「坂本北IC」は京都方面から行く場合、下りることは出来ません。
まとめ
今回は京都と比叡山を挟んだ反対側の滋賀県大津市坂本にある「日吉大社」の紹介でした。
映画「るろうに剣心」のロケ地ですが、それ以上に自然に満ち溢れた広大な境内には見どころがたくさんあります。
駐車場完備で名神と西大津バイパスを利用すれば、車で行くのも便利ですが、秋の紅葉シーズンは公共交通機関を利用しないとひどい目に遭います。
京都の感覚で行くと神社の参拝は普通拝観無料で宝物館やお祭りなどイベント開催時のみ拝観料が必要というケースが殆どですが、日吉大社は「入苑協賛金」大人300円が必要となります。
参拝所要時間は「西本宮」から「東本宮」まで境内を歩いて40~50分程度かかりますので計画を立てる際の参考にして下さいね。※八王子山山頂までは別途片道30分かかります。
次回は紅葉を見に出かけたいと思います。
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