“京都はんなりずむ”を訪れて頂きありがとうございます。
京都在住のブロガーKyotaroです。
近年、京都の町家長屋を利用した飲食店などの店舗が増え、京都を感じることのできる施設として人気を呼んでいます。
京町家をリノベーションした宿泊施設も京都市内に増え続け、コロナ前は海外からの観光客にも日本文化を感じる場所として人気がありました。
今回はそんな「町家長屋」に焦点をあてたスポット探索にいってきたのでその時の様子をシェアします。
あじき路地、若手作家が暮らす町家長屋にオープンした喫茶文六
2021年8月6日(金)コロナ禍、真っ只中の京都東山にある「あじき路地(ろうじ)」にオープンしたのが「喫茶文六」です。
京都東山、祇園宮川町に近い住宅街のなかに若手作家が暮らすという築百年以上の「町家長屋」をリノベーションした「あじき路地」。
町家長家は店舗兼住宅を兼ねており、この路地一帯の大家さんが若手作家を応援するために町家長家を貸し出したのがはじまり。
そんな路地裏に総席数7席の小さな喫茶がオープンしたと聞きつけて早速、行ってきました。
あじき路地「喫茶文六」で懐かしのナポリタン
今回、Kyotaroが訪ねて注文したのは、喫茶店懐かしの定番「ナポリタン」です。
サラダ付きで850円(税込)の金額、オーダーが通ってから若い店主が作ってくれます。
ボリュームもさることながら、具だくさん、かつ夏野菜のナスや青唐辛子がまんま入ってるダイナミックさが気に入りました。
ナスは特に季節感満載で大きくてナポリタンの味をより引き立ててくれました。
サラダには特製のオリーブオイルのドレッシングでしょうか?独特の酸味が効いていて新感覚で食すことができました。
ドリンクは名物らしいので「ジンジャーソーダ」を注文、ジンジャー=生姜が底に沈んでいて食べることができます。
ナポリタンは定番メニューですが、日替わりというか店主の気まぐれ的に変わるランチメニューもあり、個人的に次はオムライスを注文してみたくなりました。
ちなみに娘は「かき氷」(400円税込)を注文、種類は2種類(桃とトマト)とのことで桃味を注文した後、よほど気にいったのか?まさかのトマト味おかわりの要望が(・・汗)。
店主もKyotaroも目が点になりましたが、「トマト味のかき氷」はなんとこの時初オーダーということもあり、感想をめっちゃ聞かれ、娘が質問攻めにあってました。
サイモン&ガーファンクルの名曲が流れる喫茶
店主はとても若くて、気さくな方で一緒に行った娘にも話しかけてくださり、楽しい雰囲気で食事ができました。
オーダーしたあとは店内に流れる「サイモン&ガーファンクル」の名曲を懐かしく思いながら耳を傾けてると、ひとりで来てた年配の男性客から声をかけられました。
「懐かしいでしょ、LPレコードを知ってる世代ですね」と言われ、「いや~、懐かしいですね」と、つい話が盛り上がってしまいました。
小さな店内の中央にLPレコーダーがあり、とても懐かしいというか、もはや骨董品と言っても過言ではないLPレコードが昭和初期の世界を感じさせてくれました。
初めて見るオーディオ機器を不思議そうに見ながら娘が“写メ”してました。
そう、今どき10代の若者はLPレコードを知らない、楽曲は携帯からダウンロードする世代。
店主も20代後半の若さなので娘と同じく、LPレコードは知らない世代ですが、その魅力に取り付かれたそうで「LPレコード持ち込みOKの店」をアピールしていくそうです。
温かみのある手作りメニューやお店の名刺
「喫茶文六」はふたりでお店をされてて、オープン間もないということでまだ試行錯誤しながら営業されてるそうです。
店内はテーブル席が3席、奥の座敷が4席で総席数7席の喫茶店、かつテーブル席は二人掛けと一人用という独特のテーブル席となっています。
メニューは手書きの手作り、ちょうど店に行った日に発注していたお店の判子も出来上がったということで「第一号のお店の名刺貰ってください」といわれ頂きました。
7席といえ、店主が一人で調理を担当してるので少々時間がかかることもあるようですが、その間はレトロな空間と「サイモン&ガーファンクル」を聴いて楽しめます。
店主との距離が近い、とても温かみのあるお店なのでまた利用したいと思います。
あじき路地とはどんなところ?行き方は?
「あじき路地(ろうじ)」とはどんなところか?について詳しく紹介しておきましょう。
「あじき路地」の“路地”は“ろじ”ではなく“ろうじ”と読みます。
「あじき路地」のある町家長屋を管理する大家さんが京都で創作活動をする若手作家を応援したいという思いから、入居者を募ったのが始まりです。
長年続いた空き家に訪れた転機
京都には昔ながらの町家がたくさんあり、居住者の高齢化、死亡に伴い空き家となり、その後は誰も居住せずに空き家となるケースが非常に多く、社会問題となっていました。
現在の「あじき路地」も同じく空き家となっていたのですが、2004年に名もなき作家や町家に魅力を感じる若者たちによって町家長屋を見事に復活させる活動が起こります。
大家の安食弘子(あじきひろこ)さんもかつて彫刻作家を目指していた“名もなき作家”のひとりでしたが、結婚を機に夢を諦めたそうです。
でもその夢をこの名もなき若手作家たちに託し、自らも応援しようという思いが契機となり、現在の「あじき路地」での若者たちの創作活動が始まったのです。
空前の町家ブーム到来
その後、京都の町家に“らしさ”を感じる観光客が増え、空き家となった町家が飲食店や宿泊施設としてリノベーションされる動きがここ2010年代に特に活発化されます。
「あじき路地」に集結した若手作家たちも町家長屋を住居兼工房にする「職住一体型」の借家として路地裏界隈を復活させることになったのです。
路地には生活者と活気が戻りましたが、路地には名称がなかったため大家の安食さんの苗字から「あじき路地」と名づけることになり、見事に活況を取り戻したのです。
まさに町家ブーム到来によるメディアへの露出など後押しもあり、現在は観光客にも徐々に認知され、訪れる人も増えてきています。
若手作家による活動は2016年に京都商工会議所より未来への飛翔部門において「京都創造者大賞」を受賞した経歴もあります。
あじき路地にある工房・店舗について
「あじき路地」には「喫茶文六」の他にもアトリエや切り絵工房、ノート、カスタムメイド専門の帽子屋、テディベア製作・販売、水彩画ワークショップなどがあります。
いずれも若手作家たちによる手作り工房、創作工房の集まりとなっていますが、路地を歩いてると普通に人が生活してる町家そのもので工房という感じがしません。
観光地ではないので路地に入ったら静かにマナーを守ってお目当ての工房を目指しましょう。
ちなみに「喫茶文六」の隣は、「PICARO EIS」というアイスクリーム屋さんとなっていて、以前からある店なので若者に人気があるようで店の前で待ってるお客さんが結構います。
「喫茶文六」でランチしてそのあとデザートに如何でしょうか?
あじき路地への行き方について
「あじき路地」は非常に分かり辛い場所にあり、入口も小さくて気づかずに通り過ぎてしまうくらい目立たない静かな町家長屋が続く路地になっています。
目印は入口に隣接する「大黒湯」という銭湯で、昭和の面影が残る昔ながらの外観と煙突が目印となります。
四条通(祇園四条駅)方面からは大和大路通を南下していき「建仁寺」や「ゑびす神社」の前を通り過ぎて松原通との交差点を向かって右斜め方向へ続く小さな路地(大黒町通)へと進みます。
やがて柿町通に突き当りますが、一筋手前、「大黒湯」手前に「あじき路地」入口があります。
また「清水五条駅」方面から行く場合は、五条通を東方向(清水寺方面)へ向かって二つ目の信号を左折、北上して突き当りを右折して最初の角に「大黒湯」が見えてきます。
「祇園四条駅」から徒歩15分、「清水五条駅」から歩いて8分の距離となります。
車利用の場合は、大黒湯の向い側にコインパーキングがありますのでそちらを利用しましょう。
2つのコインパークが隣接してますが、25分300円と30分300円と微妙に金額に差があるので空いてれば30分300円の大黒湯側のコインパークを利用しましょう。
喫茶文六(あじき路地)へのアクセスと駐車場について
●喫茶文六(あじき路地南一号)
TEL:090-9615-6685
〒605-0831 京都府京都市東山区大黒町通松原下る二丁目山城町284
■営業時間 11:00~18:00
■定休日 不定休※金土日祝のみ営業
■アクセス 京阪電車「清水五条駅」が最寄り
・京阪電車「清水五条駅」下車、徒歩8分
・京阪電車「祇園四条駅」下車、徒歩15分
・市バス「京阪五条」下車、徒歩8分
■駐車場 専用なし※路地入口向側にコインパークあり
まとめ
今回は京都東山、清水五条に近い「あじき路地」の紹介でした。
Kyotaroが訪ねた「喫茶文六」はまだできたばかりのお店ですが、店主がとても若く、店の情報をもっと拡散したい、と意欲的で情熱のある方でした。
席数がそこまで多いわけでなく、店舗も小さく、営業も今のところは週末のみというスタイルですが、暇があれば平日もOPENしてることもあるようです。
静かな路地にある喫茶でまさに隠れ家のような場所で個人的にはあまり人に紹介したくないのですが、頑張ってる若い店主を応援する意味で今回紹介させて頂きました。
訪れる際は観光地ではなく、住宅街であることを忘れずマナーを守って路地を散策するようにしましょう。
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