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京都在住のブロガーKyotaroです。
「京の冬の旅」非公開寺院特別公開で第57回となる2023年初公開の「醍醐寺理性院(りしょういん)」を今回紹介させて頂きます。
醍醐寺三宝院は比較的有名ですが、理性院は通常非公開のため、場所がよくわからない、という方も多いのではないでしょうか。
今回は通常非公開の醍醐寺塔頭寺院のひとつ、「理性院」に実際に行ってみた感想をお届けします。
アクセス情報とともにご覧ください。
醍醐寺理性院(非公開寺院)で狩野探幽の障壁画を堪能する
「京の冬の旅2023」非公開寺院特別公開で醍醐寺の塔頭寺院のひとつ「理性院(りしょういん)」を拝観してきました。
「理性院」は三宝院、金剛王院、無量寿院、報恩院とならぶ「醍醐五門跡」のひとつに数えられ、小野六流のうちのひとつ理性院流の本寺としても知られています。
醍醐寺本来の参拝ルート(三宝院→霊宝館→伽藍)から少し外れた場所にあり、かつ通常非公開ということもあり、ややわかり辛い場所にあります。
場所については次章で紹介しますのでここでは「理性院」の見どころについて紹介します。
狩野探幽の障壁画については現地にいらっしゃるボランティアガイドの方から聞いた話を要約しています。
理性院は写真撮影OK?
非公開寺院特別公開で気になるのがまず、写真撮影についてです。せっかく拝観するならぜひ想い出として写真を撮影したいですよね。
今回訪ねた「理性院」は本堂、客殿のふたつに大きく分かれていますが、本堂内のみ一切、撮影禁止となっています。
よって客殿内、狩野探幽の障壁画は撮影ができますし、理性院の入口正面にある千体地蔵も撮影ができます。
理性院に残る狩野探幽、若かりし日の障壁画
理性院にある障壁画が狩野探幽のものであると判明したのは1970年頃といわれており、醍醐寺第80代座主であった義演の日記『義演准后日記』の記載によります。
日記には1620年(元和6)10月25日条に義演が理性院へ行った際に“狩野采女”が座敷絵を描いていた時の様子が記されており、義演が召し出して盃をつかわしたといいます。
“狩野采女”とは18歳の頃の狩野探幽のことであり、探幽が徳川和子入内にあたり造営された女院御所の障壁画制作のために江戸から上洛していた時に描いたものと判明。
理性院では狩野探幽が10代に描いた障壁画が観賞できるというわけで、必見の非公開文化財となっています。
理性院客殿の障壁画の謎とは?
理性院の障壁画は客間の正面にある床壁貼付とその左にある壁貼付とではよく見ると筆跡、作風が異なっていることがわかっています。
それぞれ別人物によって描かれたことが明白であり、客間正面、床壁貼付左側にある壁貼付の障壁画に描かれている囲碁をしている人の絵が探幽の筆跡、すなわち作風に似ていることから狩野探幽の作と云われています。
では、客間の正面にある床壁貼付の障壁画の作者はというと探幽の父・狩野孝信であり、探幽が描いた壁貼付の障壁画の3年前に描かれたものであることがわかっています。
理性院の本堂(※堂内は写真撮影禁止)
「理性院」の本堂には80年に一度のみ御開帳される秘仏・太元帥明王像(非公開)が安置、祀られており、次は約60年後まで拝観することが出来ません。
御本尊の左手には鎌倉時代に造られたという毘沙門天立像、右手には平安時代後期の作と云われる一木造、重要文化財に指定の「不動明王坐像」が安置されており、それぞれ拝観することができます。
堂内は一切、写真撮影が禁止のため画像はありません。
本堂と客殿の間には小さな庭園があり、歴史を感じさせる手水鉢が残されています。
客殿とは反対の本堂の東側には巨大な石塔が建っており、境内の歴史の古さを感じさせる景観が残されています。
理性院の千体地蔵
「理性院」の山門を入って正面に見えるのが「千体地蔵」で、いきなり圧倒されそうになる光景が広がります。
先代の住職が集めたもので様々な表情のお地蔵様が安置されており、お猿さんの地蔵も中には含まれています。
毎年10月第三日曜日には「千体地蔵供養」が行われ、お地蔵様の新しい真っ赤な涎掛けが奉納されます。
地下鉄醍醐駅から醍醐寺理性院まで歩いて行く方法
醍醐寺の公共交通機関の最寄駅は地下鉄東西線「醍醐駅」、もしくは京阪バス「醍醐寺前」となります。
ここでは地下鉄東西線「醍醐駅」から歩いていく方法を紹介します。
醍醐寺総門まで歩いて約10分、総門から三宝院、唐門を左に眺めながら仁王門前を左に曲がって理性院まで徒歩約5分、合計約15分前後の徒歩移動となります。
醍醐駅北口改札
醍醐駅に着いたら北口改札を出ます。
正面にアルプラザ入口へ直結するほう(山科駅側)の改札です。
醍醐駅2番出口
地下にある駅の出口が複数ありますが「出口2」の方向へと進みます。
上りエスカレーターが出てきます。
アルプラザ東館2階へ上がる階段
エスカレーターを上りきると斜め左手に階段が見えます。
アルプラザ東館の2階へとあがる連絡階段です、ここをあがって2階迄行きます。
連絡通路を通り抜け
2階にあがると吹き抜けの連絡通路があるのでそのまま左(東)、アルプラザ2階の入口がある方へ進みます。
店内には入らず、そのまま吹き抜けの通路を出て住宅街のほうへ出ます。
醍醐山方向(東)へ住宅街
整備された連絡通路が続くので醍醐山(東に見える山)方向へ進んで行きましょう。
とても綺麗な通路です。
突き当り・奈良街道を左
そのまま連絡通路を突き当りまで歩いていきましょう。
突き当りの道路が奈良街道であることがわかる看板が突き当りに立っています。
奈良街道を進み醍醐寺看板を右
突き当りを左、奈良街道沿いを進んで行くと醍醐寺→の看板が出てきます。
看板の角を右に曲がりましょう。
高架を潜ると・・
右に曲がるとすぐ立体交差の高架が見えます。
そのまま右方向に進み、高架を潜っていきます。
醍醐寺総門へ
高架を潜ると正面に醍醐寺の総門が見えてきます。
そのまま真っすぐ突き当りが醍醐寺総門、到着です。
三宝院・唐門
総門を入ってすぐ左に三宝院の受付、その先に唐門が見えてきます。
とりあえずここは通過して正面に見える仁王門を目指しましょう。
仁王門を左へ曲がろう
伽藍への入口となる仁王門を左に曲がります。
仁王門前には理性院の左折看板が立っています。
理性院山門へ到着
200mほど白壁沿いを歩くと左手に理性院山門が見えてきます、到着です。
位置的に三宝院の北側に位置すると考えて下さい。
以上、ここまでで約徒歩15分前後の道のりです。
ぜひ参考にして下さいね。
醍醐寺三宝院へのアクセスと駐車場について
●醍醐寺理性院
TEL:075-571-0006
〒607-8456 京都府京都市伏見区醍醐東大路町21
■拝観料金 京の冬の旅・特別公開
大人800円 小学生400円
※2023年3月18日(土)までの特別公開
■拝観時間 10:00~16:30(最終受付16:00)
■アクセス
・京都駅よりJR琵琶湖線、湖西線で山科駅下車、地下鉄東西線「醍醐駅」下車、徒歩10分
・京都駅よりJR奈良線で六地蔵駅乗換、地下鉄東西線「醍醐駅」下車、徒歩10分
・山科駅、六地蔵駅からは京阪バス「醍醐寺前」下車、徒歩すぐ。
・京都駅より京都醍醐寺ライン(京阪バス)「醍醐寺」下車、徒歩すぐ。
■駐車場 有料あり(※普通車100台)
まとめ
今回は第57回京の冬の旅2023初公開となる醍醐寺の塔頭寺院「理性院」の紹介でした。
いちばんの見どころは狩野探幽が18歳の頃に描いたという障壁画を拝観することができる希少な体験ができました。
本堂内部は写真撮影NGですが、それ以外はほぼ写真撮影ができ、狩野探幽の障壁画も撮影が自由なので必見の価値ありですね。
通常非公開寺院なのでこの機会にぜひ訪ねて貰いたい寺院のひとつです。
併せて醍醐寺三宝院の非公開文化財特別公開も訪れてみては如何でしょうか。
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