京都在住のブロガーkyotaroです。
新型コロナウィルス蔓延に伴い、京都府でも外出自粛要請に続き、緊急事態宣言が発令され、4月に入り京都の街はさらに閑散としています。
そんな中、残念なニュースが舞い込んできました。
京の夏の風物詩・祇園祭「山鉾巡行」開催中止の発表が2020年4月20日にありました。
京都では祇園祭「山鉾巡行」が終れば梅雨が明け、8月16日の五山送り火までの約1ケ月“京の暑い夏”が幕を開けるのです。
そういった祭が行われることで四季を感じることができる、日本ならではの風物詩が無くなるのはどこか寂しいですね。「山鉾巡行」58年ぶりの中止です。
祇園祭「山鉾巡行」が58年ぶりの中止「苦渋の決断」
「祇園祭」の山鉾連合会などは2020年4月20日に祇園祭を例祭とする京都の八坂神社で会見を行い、2020年7月開催予定の祇園祭「山鉾巡行」の中止を決定したと発表しました。
原因は、新型コロナウィルスの感染拡大防止の為であり、祇園祭のクライマックスとなる7月17日の前祭(さきまつり)と7月24日の後祭(あとまつり)に行われる「山鉾巡行」が中止に。
58年ぶり?過去にもあった「山鉾巡行」中止
Kyotaroの記憶の中では7月の祇園祭「山鉾巡行」が中止になったことはなかったのですが、生前の1962年に一度、阪急電鉄の地下鉄工事影響で中止になって以来、58年ぶりとのこと。
八坂神社の森壽雄宮司による「苦渋の決断。残念だがいつの時代もお祭りは柔軟な考えで継承されてきたので、その柔軟な考えで臨む」という言葉が印象的でした。
3密を回避できず4つのメインイベントが中止に
祇園祭と言うと華やかな「山鉾巡行(前祭、後祭)」や四条通や烏丸通など周辺道路を歩行者天国にして楽しむ「宵々山」「宵山」などの行事が有名だが、それ以外の祭事も様子を見て中止、もしくは縮小して行われるとのこと。
祇園祭は京の夏の風物詩のひとつであり、2020年7月に「コンチキチーン」の音色が鳴り響かないのか、と思うととても寂しい気持ちになります。
祇園祭だけじゃない?全国に広がる夏祭りの中止
京都の祇園祭だけではなく、今年は7月から8月にかけて予定されている全国の夏祭りや花火大会も次々に中止が決定して行ってます。
最近では、徳島の「阿波踊り」や「熊野花火大会」の中止も発表されましたね。
祭りと言えば東北四大祭りで知られる「青森ねぶた祭」や「秋田竿灯まつり」も中止が決まり、新潟の「長岡まつり大花火大会」も中止がすでに決定しています。
いずれも新型コロナウィルスの感染拡大に歯止めがかからない世情、そして「東京オリンピック2020」が延期になったことなども影響してるようですね。
夏祭りや花火は、いわば“日本人の心”的なところがあるので、軒並みイベント中止にはがっかりする人も多い事でしょう。
一日も早い、新型コロナウィルスの蔓延が終息することを心から祈るばかりです。
コロナだからこそ祇園祭をやめられない京都人の精神とは?
「いくらコロナやから言うても祇園祭だけは、やめるわけにはいきまへんやろ」
これは祇園祭の「山鉾巡行」が中止になったあとの京都の人々の会話の一部。
そこまで祇園祭に命をかけてるのか?いえ、根底には長い長い歴史の中での疫病と祭りの関係性があったのです。
祇園祭のルーツとは?
確かに「山鉾巡行」は祇園祭のクライマックスを彩る一大イベントであり、華やかなイメージがあるのですが、実は祇園祭が始まったそもそもの目的は「疫病退散」を祈る神事だったのです。
869年(貞観11)に全国で疫病が蔓延した年があり、その時に京都二条の「神泉苑」に当時の国の数と同じ66本の鉾を立てて、神輿を送り災厄除去を願ったことがあります。
これが現在の祇園祭の始まりとされています。
こんな時やから祇園祭の神事(宗教儀式)は執り行う?
近年は祇園祭と言うと観光色が強くなり、日本国内だけでなく、海外からも多くの見物客が訪れ、一種の「お祭り」という印象ですが、当時は「疫病退散」を祈念する神事だった。
この事実を踏まえてか、地元では神事(宗教儀式)としての「行事」は八坂神社境内などで執り行うとのことらしいです。
「疫病退散」というからにはぜひ、新型コロナウィルスという現代の疫病を早く終息させるべく、宗教儀式によって追い払って欲しいものです。
祇園祭ってどんな祭!?「山鉾行事」について
祇園祭とは日本三大祭りのひとつであり、また葵祭(5月15日)、時代祭(10月22日)とともに京都三大祭りにも数えられ、「京都祇園祭の山鉾行事」としてユネスコの無形文化遺産にも登録されています。
もともとは八坂神社の祭礼であり、例年7月1日の薙刀鉾の稚児によるお千度に始まり、7月31日の疫神社夏越祭までのまる1ケ月続きます。
今回中止になったカーニバルとしての「山鉾巡行」は7月17日にのみ行われてたのですが、2014年より「前祭」と「後祭」にそれぞれ山鉾巡行が行われるようになったのです。
実はこの「前祭」と「後祭」は50年以上前には現在の形で行われていたそうで、実に48年ぶりに復活したのです。
「山鉾巡行」は豪華な懸装品に飾られた前祭に23基、後祭で11基の山鉾が京都市の中心部を進む行事です。
イメージ的には鉾の基数が多い「前祭」の印象が世間では強いようで、2019年度開催の観覧客数はそれぞれ「前祭」約12万人と「後祭」約3.3万人の人出があったとされています。
Kyotaroも個人的には7月17日「前祭」に登場する薙刀鉾の巡行は見逃せないと思います!
そのように思うのでこの「前祭」が終われば、祇園祭もクライマックス、「暑い京都の夏が始まる」と今でも思ってますね。
まとめ
新型コロナウィルスの蔓延に伴い、世界経済は本当に大きなダメージを受け、様々な悪影響が方々で出てきています。
一日も早い終息を願うとともに、ぜひ神事(宗教行事)としての祇園祭を執り行ってもらい、現代の「疫病」こと“コロナウィルス退散”を京都で一緒に祈念したいと思います。
2020年は残念ですが、次年度こそ盛大に華やかな鉾が京都の街を巡行することを願いたいものです。「コンチキチ~ン♪」の音色がないと夏が始まりません。
コメント