“京都はんなりずむ”を訪れて頂きありがとうございます。
京都在住のブロガーKyotaroです。
京都にある大きな三門といえば南禅寺、知恩院、仁和寺、そして東福寺などが有名です。
日本三大門となると山梨県身延山久遠寺の三門にくわえて南禅寺と東福寺の三門が数えられます。
今回紹介する東本願寺の御影堂門は高さが27mある門で日本一の高さを誇るといわれています。
京の冬の旅で初公開された日本一の高さを誇る楼上公開の様子をシェアします。
東本願寺の御影堂門にのぼる楼上公開、高さは世界最大級?
京都では“お東さん”の愛称で親しまれる「東本願寺」は大きな御影堂がシンボルマークとなっています。
今回は御影堂の前に建つ世界最大級の門といわれる御影堂門の楼上公開へ行ってきました。
今年で56回目を迎える「京の冬の旅」初登場の特別公開、以前からKyotaroも上ってみたいなと思っていた楼上を初めて見学できました。
楼上の様子をシェアします。
東本願寺の御影堂門楼上が京の冬の旅初公開
東本願寺の紹介は当ブログでもしてますが、今回は御影堂門(ごえいどうもん)の楼上公開の紹介となります。
読み方は“ごえいどうもん”であり、“みえいどうもん”ではありません。
毎年冬の時期に開催される「京の冬の旅」ですが56回の歴史があり、2022年に初公開となった東本願寺御影堂門の楼上特別公開。
さぞかし眺めが良いのだろう、と期待して上ってきました。
建築物としては幕末の禁門の変で焼失後の1911年(明治44)再建の比較的新しい建物なのでとても美しく芸術性が高い、力強い建築様式だなぁ、という印象をKyotaroは受けました。
東本願寺の御影堂門からの眺望
東本願寺の御影堂門に上りたかった理由はただひとつ。
京都の街を360度のパノラマで眺望してみたかったから。
実際の様子を写真でシェアします。
東~東山
真東には祇園の町並み越しに東山連峰を眺望することができます。
御影堂門の前にある噴水周辺は2022年2月現在、整備工事中となっています。
思っていたより楼上からの目線は高くない、というのが率直な感想です。
西~御影堂、愛宕山
西方向には当然ながら御影堂(ごえいどう)を眼下に眺望できます。
でも御影堂が大きすぎてその向こう側の景色を見ることは出来ません。
天候が良ければやや北西方向に嵐山、そして愛宕山の風景を眺めることができます。
南~阿弥陀堂、京都駅
南方向には京都駅、そして京都タワーを眺めることができます。
南側も京都駅ビルが視界を遮り、その先は見ることが出来ません。
やや南西方向に視線を向けると阿弥陀堂と京都駅周辺の町並みが眺望できます。
北~北山、比叡山
真北方向には京都烏丸のオフィス街、見にくいですが北山連山を少し眺望できます。
北東方向に視線を向けると霊峰比叡山が眺望でき、この方角が比較的視界が開けた方角となります。
こうやって見ると世界最大級27mの高さといいますが、景観規制の厳しい京都のビル群にすら阻まれて眺望がそこまで素晴らしい、というにはややほど遠いというのが感想です。
御影堂門楼上で垣間見える芸術性の高さ
東本願寺の御影堂門楼上で注目したいのが芸術性の高い建築技術です。
木を組み合わせた建築様式や龍、荒波の彫刻、欄干などはとても素晴らしい造りになっていてある意味、楼上からの眺望よりも注目したい見どころです。
また楼上から真下方向に眺める瓦屋根の曲線美も見逃せません。
御影堂門はその芸術性の高さについ目を魅かれるので楼上だけでなく、御影堂門の1階入口付近の彫刻にも注目したいですね。
日本三大門や京都三大門に数えられず、なぜ世界最大級?
冒頭にも紹介しましたが、東本願寺の御影堂門が日本三大門や京都三大門にその名がないけれども世界最大級の木造楼門といわれるのはなぜなのでしょうか。
それは建造物としての高さにあるようで27mという高さが“世界最大級”といわれる要因となっているようです。
確かに高さを気にせず、建築物の規模としてみると知恩院や南禅寺、そして東福寺の三門のほうが規模は大きいと感じます。
規模的には御室仁和寺の三門に近いのかな、という気がしています。
東本願寺の御影堂門は豪華な彫刻と幻の楼上天井画にも注目
東本願寺の御影堂門では豪華な彫刻、そして幻の天井画があった、という角度から見るのがいちばん面白いですね。
豪華な彫刻の中に隠された“遊び心”にも注目したいですが、普通に見てるだけでは見落とす点も多いので注意して見るようにしましょう。
御影堂門の豪華な彫刻に遊び心を感じる
楼上公開でまず注目したいのが通常非公開の「三尊像」です。
上層内部には釈迦如来と左右には阿難尊者、弥勒菩薩像が安置されており、浄土真宗の根本経典「仏説無量寿経」説法の会座を表しています。
また1階下層部では金属製の柱根巻に描かれた「獅子」32体に一体だけ目を閉じて眠ってる獅子がいます。
また扉上狭間(欄間)には雲水龍の彫刻が表裏両側に施されていて睨みをきかしています。
他にも蟇股(かえるまた)の仙人や妻飾(つまかざり)の獏、虹梁(こうりょう)の牡丹渦文様など個性豊かな彫刻が施されており、どこにあるか探すだけで結構、興味深く楽しめます。
楼上に描かれる予定だった幻の天井画
東本願寺の御影堂門上層部、楼上の天井は真っ白で殺風景な感じがします。
京都では伽藍の天井には雲龍図などが描かれてることが多いのですが、御影堂門楼上には何も描かれていません。
実は御影堂門内部の天井部(鏡天井)には、近代画家の先駆者でもある竹内栖鳳(たけうちせいほう)の絵が描かれる予定だったのです。
親鸞聖人650回忌御遠忌記念事業として1911年(明治44)の御影堂門再建に併せて栖鳳に天井画を描くよう東本願寺第二十三代の彰如上人から依頼がありました。
栖鳳は半裸の女性をモデルにした当時としては画期的な天女の姿を描こうと構想を練りますが、なかなか定まらず、下絵製作が滞ったといいます。
また楼上の天井材が乾燥不充分でヤニが多く出たため、とても絵を貼り付ける状態ではなかったという問題もあり結局、御影堂門完成に間に合わず、実現しなかったといいます。
再建後も天井画を描き続けた栖鳳でしたが、モデル女性の病死、弟子たちの独立などもあり、ついに天井画は完成することなく下絵だけが残ったのです。
その下絵は「飛天舞楽図」という名で東本願寺に今でも残されており、まさに“幻の天井画”となってしまったのです。
東本願寺へのアクセスと駐車場について
●東本願寺(真宗本廟)
TEL:075-371-9181
〒600-8505 京都府京都市下京区常葉町754
◎京の冬の旅(2022年1月8日~3月18日)
■拝観料金 京の冬の旅 800円
■拝観時間 10:00~16:30
◎通常拝観
■拝観時間 ※季節により異なる
・3月~10月 5:50~17:30
・11月~2月 6:20~16:30
※法要、行事により異なる場合あり
■アクセス ※京都駅より徒歩5分
・京都駅下車、徒歩5分
・市営地下鉄烏丸線「五条駅」下車、徒歩5分
・市バス「烏丸七条」下車、徒歩1分
■駐車場 専用駐車場なし
まとめ
今回は「京の冬の旅」56年の歴史で初登場、東本願寺の御影堂門楼上に初めて上ってきた様子の紹介でした。
楼上からの眺望だけでなく、芸術的な角度から拝観してみることで様々な楽しみ方や歴史背景が見えて興味深く鑑賞することができました。
御影堂門の南側、阿弥陀堂側入口にある「阿弥陀堂門」は現在、修復工事のためその姿を見ることが出来ません。
が、この景観を楽しめるのも今だけなのでぜひ、東本願寺御影堂門の楼上公開をおすすめします。
京の冬の旅開催期間中、2022年3月18日まで特別公開が行われていますので気になるあなたはぜひ訪れてみてはいかがでしょうか。
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