移動自粛解除で初夏の京都をそろそろめぐりたい、Kyotaroです。
移動自粛解除になって最初の週末、京都の街には活気が戻っていました。
観光客、浴衣を着て街歩きを楽しむ若者など本来の姿を取り戻しつつあります。
あくまで感染予防対策をしっかり行い、手洗い、施設入口での消毒、そしてマスク着用を履行した上での観光です。
今回は令和の枯山水庭園が完成、2020年5月23日より特別公開されてる建仁寺塔頭寺院「霊源院」を拝観して来ました。
【建仁寺塔頭寺院】霊源院にある甘茶の庭とは?
霊源院は建仁寺塔頭寺院で鎌倉時代末期から室町時代にかけて京都五山、鎌倉五山の禅僧たちによる漢文学、五山文学の最高峰の由緒ある寺院です。
室町時代には五山派を代表する学僧を多く輩出して建仁寺の学問面の中核を担ってきた寺院としても有名です。
霊源院の甘茶の庭「甘露庭」について
霊源院境内の南西に広がる枯山水庭園「甘露庭」、通称“甘茶の庭”は本堂から眺めることができます。
かつてよりガクアジサイの変種“甘茶”が庭園一面に植えられ、花梨の植栽、松が配される美しい庭園として“霊源院の代名詞”にもなっていました。
この度、中根庭園研究所の中根兄弟によって新しく作庭された“令和の枯山水庭園”として2020年5月23日より7月31日まで特別公開されています。
今朝の甘茶を動画に撮ってみました。 pic.twitter.com/G1WxKeSHsg
— 霊源院 (@reigenin) May 29, 2019
甘茶は色の変化も楽しんで頂けます。 pic.twitter.com/rWEqhYbBBx
— 霊源院 (@reigenin) June 3, 2019
霊源院の由緒
建仁寺塔頭寺院である霊源院の由緒について簡単にまとめました。
始まりは1358年(延文3)に中厳圓月和尚が「妙喜世界」を京都五山のひとつである「萬寿寺」に創建したのが始まりといわれます。
1362年(康安2)に「妙喜世界」を建仁寺の境内に移築するも1368年(応安元)に中厳圓月和尚が妙喜世界にて亡くなられ、「妙喜世界」を「妙喜庵」と改号します。
霊源院の前進
中厳圓月和尚亡きあと、1394年から1428年の応永年間に一庵一麟が両足院開基の龍山徳見和尚を勧請開山として「霊泉院」創建し、院内に「霊源軒」を建立します。
この時点で現「霊源院」の前進寺院としての基盤が出来上がるも、1532年から1555年の天文年間に起こった「天文の大火」により、霊泉院も大火による被害を受けます。
その後1596年から慶長年間に室町幕府の重臣である柳沢元政によって復興、寺号を「霊源院」と改号します。
廃仏毀釈の流れのなか、場所を転々とするも1872年(明治5)に現在の地に移転、今日に至ります。
このように紆余曲折の歴史がありますが、当時より五山文学の最高峰として五山派の優秀な僧を多く輩出してきた由緒ある寺院として建仁寺派としての役割を担ってきました。
霊源院に令和の枯山水庭園「鶴鳴九皐」が完成、特別公開へ
コロナによる拝観休止の寺院が京都も多かったのですが、5月22日の緊急事態宣言解除、6月19日の移動自粛解除と京都も徐々に観光客が増えて来ました。
緊急事態宣言解除後の5月23日より「霊源院」では新しく完成した庭園を“令和の枯山水庭園”として公開を開始しています。
令和の枯山水庭園は「鶴鳴九皐(かくめいきゅうこう)」という名に改称されました。
作庭改修にあたったのが造園家として有名なあの「中根兄弟(中根行宏氏、中根直紀氏)」。
令和の枯山水庭園「鶴鳴九皐」の見どころ
かつてより“甘茶の庭”として有名であった「甘露庭」ですが、この度、新しくなるにあたり、庭園内の甘茶や岩の配置が変わっていました。
大きなポイントとしては本堂から庭園一面に植えられていた「甘茶」は新庭園では、庭園に向かって左側のエリアに集中的に固められています。
また、庭園右側は白砂による砂紋と岩を配置した庭園に改修されていました。
庭園左側の甘茶が咲き誇るエリアには石塔があり、甘茶の中に飛び石と呼ばれる石が適度に配置され、ひときわ目を引く茶色の大きな石は“坐禅石”との事です。
この“坐禅石”はインドのブッダガヤから運ばれてきた石で坐禅を組むこともできます。
新しいお庭には石が沢山あるのですが、そのうちの一つこの茶色い石はインドのブッダガヤから運ばれてきた石です。この石は坐禅石で、この画像のように座って頂き、お釈迦様の教えを感じて頂けたら幸いです。#霊源院 #インド #ブッダガヤ #坐禅石 #鶴鳴九皐 #京都 #特別拝観 #甘茶 #枯山水 pic.twitter.com/oHRFey9Zur
— 霊源院 (@reigenin) June 6, 2020
「霊源院」本堂の見どころ
「霊源院」本堂右手には細長い枯山水庭園が本堂を取り囲むように続きますし、こちらでも庭園を楽しめます。
本堂内には茶室「妙喜庵」や茶席「也足軒」の他、中厳圓月坐像や毘沙門天立像が安置されています。
本堂南側の枯山水庭園
白砂の砂紋と石が配置されており、庭園を眺めるように座椅子が設置されていますのでここに座ってのんびり静かに庭園を眺めることができました。
この場所は本堂の中でもスペースが広くなっており、団体が来たときには法話が行われる場所にもなっています。
也足軒
本堂奥にある四畳半の茶席で達磨図の掛け軸が印象的です。
本堂内ににじり口がある珍しい構造になっており、建仁寺開山の“お茶の祖”としても知られる栄西禅師が中国から茶を持ち帰り、普及に努めたことは有名。
妙喜庵
霊源院本堂南側に花頭窓を隔てた茶室が「妙喜庵」です。
茶室としては最小の一畳台目の茶室で点前に必要な道具畳、客人が座る一畳のみに切り詰めた超コンパクトな茶室でお茶の世界では“究極の茶室”とされています。
中厳圓月坐像と毘沙門天立像
本堂には「霊源院」創建の礎を築き、五山文学で活躍した臨済宗僧侶「中厳圓月坐像」と「中厳圓月坐像」の胎内仏である「毘沙門天立像」が安置されています。
「中厳圓月坐像」は南北朝時代の肖像彫刻木像、「毘沙門天立像」は慶派仏師によって鎌倉時代に造られた木像です。
ともに玉眼を嵌め込んだ表情が特徴的で「毘沙門天立像」が持つ水晶玉の中には伝教大師が持ち帰った仏舎利が納められています。
御朱印
今回の新庭園完成に伴い、霊源寺では限定御朱印が授与されており、豊富な種類でカラフルなラインナップになっています。
参拝記念にぜひ手に入れてみたいですね。
アメブロを更新しました。
『【京都】令和の枯山水庭園完成!! 初公開中!! 建仁寺塔頭「霊源院」のステキな【限定御朱印】』#御朱印#建仁寺塔頭#霊源院#京都#枯山水庭園 #特別公開https://t.co/W8QJPilh4K— 媛うさぎ☆ (@enoden555) June 15, 2020
「霊源院」特別公開を訪ねてみて感じたこと
今回Kyotaroが訪れた時は30名近い“団体客”が入っており、ご住職による法話が行われていました。
本堂内は決して広くないのですが、今後は感染予防対策をしたうえでこのように密に対する対策を講じて観光を楽しむ。
そんなウイズコロナの時代がもうやって来始めてるのだと感じました。
実際、ご住職の法話を聞き入っておられる人達を見て“蜜を気にする”というより“対策して観光を楽しむ”という印象を受けました。
これが新しい時代の観光の楽しみ方なのだと感じ、少し嬉しくなりました。
人が多すぎる京都も問題ですが、人がいない閑散とした京都はもっと問題ですからね。
【建仁寺塔頭寺院】霊源院へのアクセスと駐車場について
■霊源院(建仁寺塔頭寺院)
TEL:075-561-0986
〒605-0811 京都府京都市東山区大和大路四条下ル小松町594
拝観時間 10:00~16:00
拝観料金 一般500円 中高生300円 小学生無料
アクセス
・京阪京都線「祇園四条駅」下車、徒歩12分
・阪急京都線「京都河原町駅」下車、徒歩15分
・市バス「京都駅」発206・100系統に乗車
「東山安井」下車、徒歩8分
「南座前」下車、徒歩10分
「祇園」下車、徒歩10分
「清水道」下車、徒歩5分
駐車場 建仁寺有料駐車場あり ※30分250円
まとめ
「霊源院」の「鶴鳴九皐(かくめいきゅうこう)」特別公開は前半5月から6月はあじさいの季節とも重なり雨の多い時期ですが、趣のある景観を楽しむことができました。
雨とあじさいと庭園、雨が降る京都でも充分楽しめる、むしろ雨の日こそ、より映える写真が撮れる時期でもあります。
建仁寺の境内にあり、アクセスも便利なのでぜひ建仁寺参拝と一緒にお訪ねになってはいかがでしょうか?
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