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京都在住のブロガーKyotaroです。
夏の風物詩のひとつとしてあげられる風鈴、日本の夏に欠かせないアイテムのひとつでもありますが、近年はたくさんの風鈴を飾る「風鈴まつり」が全国的に開催されていますね。
今回は京都からすぐアクセスできる滋賀県大津市にある「西教寺」の風鈴参道通り抜けへ行ってきました。
比叡山の麓に位置し、境内の高台から琵琶湖の眺望も楽しめるスポットの紹介です。
詳しく見ていきましょう。
西教寺の風鈴参道通り抜けの開催期間と風鈴の規模について
滋賀県大津市にある西教寺は天台真盛宗総本山の寺院で明智光秀公ゆかりの寺院です。
参拝専用駐車場の横にある総門は明智光秀公寄進によるもので坂本城の城門をこの地に移築したものと云われています。
総門から続く緩やかな坂道の参道の先の高台に境内があり、宗祖大師殿横の石段から風鈴参道がはじまり、本堂前へと続いています。
西教寺の風鈴参道通り抜けはいつまで?開催期間について
西教寺で開催される「風鈴参道通り抜け」のイベントは、2023年6月24日(土)から同年9月18日(祝)まで開催されています。
古来より風は疾病を運ぶものと考えられていたので、音をたててその邪気を祓う風習が日本にはありました。
この音が聞こえるエリアは聖域と考えられ、災いが起こらない場所とされてきたので寺院では「風鐸」を吊るす風習が昔からあったんですね。
江戸時代になるとこの「風鐸」を吊るす風習が魔除け、暑気払いのための縁起物として、その名を「風鈴」と呼ばれるようになった歴史があり、今日に至ります。
特に暑気払いの意味もあることから夏の風物詩となり、6月下旬の初夏から9月中旬の残暑の頃までが開催期間となっています。
風鈴参道通り抜けの開催中は境内・大本坊休憩室にて「ガラス風鈴絵付け体験」を1個1,500円税込にて開催中です。
暑さの最盛期は7月、8月なのでぜひ納涼体験に訪れたいですね。
西教寺の風鈴参道通り抜け、その規模はどのくらいなの?
2023年に西教寺の風鈴参道通り抜けで飾られる風鈴の数は、前年よりも風鈴の数が増えて約2,000個のカラフルなガラス風鈴が参道を彩ります。
風鈴が2,000個と言われてもピンと来ないひともいるかもしれませんが、規模を図るバロメータは風が吹き一斉に奏でる風鈴の音色、ハーモニーによる、と個人的に考えています。
風鈴の音色だけで考えると経験上、1,000個以上もの風鈴があれば、その音色はまるで“妖精たちの笑い声”かのように感じられます。
そういう観点から2023年の西教寺「風鈴参道通り抜け」の風鈴はそこそこの規模であることを伺い知ることができますね。
見た目には本堂がある境内へと続く石段から境内中心部まで、そして本堂前の石畳参道沿いに設置された「風鈴」がすべて、ということになります。
戦国武将たちにゆかりがある西教寺境内の見どころ
西教寺は豊臣秀吉公、徳川家康公、そして明智光秀公と戦国武将ゆかりの地としても有名な寺院でもあります。
特に明智光秀公とは縁が深く、西教寺の檀徒となり、信長による比叡山山焼き討ちに際して災禍を被った西教寺の復興に大きく力を注いだと云われています。
当時、坂本城の城主になった明智光秀公はのちに西教寺再興のため、その城門を寄進します。
現在、西教寺の境内には明智光秀公と内室煕子や一族の墓があり、ともに祀られています。
では、境内見どころについて紹介します。
総門・参道
総門は明智光秀公の寄進によるもので坂本城の城主となった明智光秀公がその城門を移築したものです。
総門を入ると正面の勅使門まで緩やかな参道が続き、5月にはツツジ、初夏の青もみじ、秋には紅葉が美しいスポットとして知られています。
勅使門
寺院で勅使参向のときに勅使通行に使用される門を勅使門といいます。
京都では建仁寺や大徳寺、妙心寺、南禅寺、相国寺といった有名で大きな寺院にありますが、西教寺にもありました。
唐門・琵琶湖ビュースポット
勅使門から左手に進むと唐門があり、唐門前からは琵琶湖と大津市街、近江富士を眺望することができます。
ベンチもあって緩やかな坂道をあがってきたので琵琶湖の眺望を楽しみながら休憩できます。
唐門は国登録の有形文化財で2頭の麒麟にぜひ注目してみましょう。
宗祖大師殿
宗祖大師殿も国登録の有形文化財に指定されていて真盛上人をお祀りしています。
とても大きな建物で周囲は一周できるようになっていますが、内部は拝観できません。
大師殿前には真盛上人の幼少期「宝珠丸」像が安置されています。
手水舎
宗祖大師殿北門から参道に戻ると本堂へと続く石段があり、ここから風鈴参道通り抜けが始まります。
石段を上った先が本堂で参道脇には手水舎があります。
近年は花手水にしている寺院が全国的に増えていますが、西教寺はアヒルとガラス玉、手水舎天井からは風車をあしらった装飾がされていて華やかになっていました。
本堂参拝前にこちらで身を清めてから拝観しましょう。
本堂
国の重要文化財に指定されており、御本尊は阿弥陀如来をお祀りしています。
建物の大きさに圧倒されますが、桁行七間、梁間六間、総檜入母屋造りの豪壮な建築様式は1739年(元文4)に上棟落成したと云います。
観音堂・納骨堂
手水舎の東側に並ぶふたつの建物は南から観音堂、納骨堂です。
ともに国登録の有形文化財に指定されています。
鐘楼堂
本堂の東側、納骨堂の北側にあるのが鐘楼堂で坂本城主であった明智光秀公が坂本城の陣鐘を寄進したものです。
お堂に囲まれているため、外見から鐘を見ることはできません。
大本坊
大本坊は参拝者の休憩所や納経所、売店がある寺務所の役割をする建物。
ここから西教寺本堂、客殿、書院の内部を参詣することができます。
客殿
西教寺の客殿は通称「桃山御殿」と呼ばれ、豊臣秀吉居城であった伏見城遺構を移築したと云われ、国の重要文化財に指定されています。
桁行十二間、梁間八間、柿葦の重屋根、南を入母屋造、北を切妻とした落ち着いた桃山様式の希少な建物と云われています。
内部には日本絵画史上最大の画派として名高い狩野派の狩野永徳が描いたという襖絵があり、小堀遠州による庭園とともに必見の価値あり。
書院
客殿と穴太衆による枯山水庭園を挟んで建つのが書院で国登録の有形文化財に指定されています。
書院裏にある庭園は1989年(平成元)に作庭された比較的新しいものです。
書院の奥には光秀資料室があり明智光秀公に関する資料が展示されています。
槻坂(けやきざか)
風鈴参道通り抜けの石段とは別に本堂へと続く緩やかな参道石段があり、通称「槻坂(けやきざか)」と呼ばれています。
ここは樹々に覆われており、「坂」という名が付きますがやや暗い「石段」なので足元に注意して通りましょう。
石段を上がり切ると鐘楼堂横、本堂の東側、大本坊玄関前に出てきます。
西教寺の周辺観光、アクセスと駐車場について
西教寺は滋賀県側の比叡山麓に位置し、数多くの歴史舞台となった地にある寺院です。
比叡山麓の坂本に位置し、周辺には全国およそ3800社の日吉・日枝・山王神社の総本宮「日吉大社」やテーブルリフレクションの絶景が楽しめる「旧竹林院」などがある。
アクセスは車の場合、京都市内から西大津バイパスを利用し、滋賀里ランプで下りて比叡山ケーブルの坂本駅方向へ走る事約5分程度で着きます。
西大津バイパスの坂本北インターが近くにあるのですが、坂本北インターは敦賀方面行きの入口、京都方面行きは出口のみとなっており、京都方面から行くと下りることができないので注意しましょう。
公共交通機関だとJR京都駅から湖西線の「比叡山坂本駅」下車、路線バス(江若バス)で西教寺まで約7分、京阪電車「坂本比叡山口駅」下車、路線バスで約4分の距離です。
滋賀県ですが、京都からのアクセスも比較的便利かつ時間がかからない距離にあるので京都を拠点に足を延ばしてみるのもおすすめです。
●西教寺(さいきょうじ)
TEL:077-578-0013
〒520-0113 滋賀県大津市坂本5丁目13-1
■拝観料金 大人500円 中学生300円 小学生200円
※身障者割引あり 200円
■拝観時間 9:00~17:00
■アクセス 京都市内から車で40分、京都駅からJRで約15分
・JR京都駅より湖西線「比叡山坂本駅」下車、路線バス乗換・約7分
・京阪電車石坂線「坂本比叡山口駅」下車、路線バス乗換・約4分
■駐車場 参拝者専用無料駐車場完備(30台)
まとめ
今回は京都市に隣接する滋賀県大津市の西教寺で行われるイベント「風鈴参道通り抜け」を紹介させて頂きました。
夏の風物詩として約2,000個もの風鈴が奏でるハーモニーはまさに納涼体験による究極の癒しでした。
2023年の夏は酷暑のため、涼しいと感じられる催しに癒される人も多いのではないでしょうか?
境内高台からは琵琶湖の眺望も楽しめ、本堂や客殿、書院の内部まで拝観ができるのでぜひ、この機会に訪ねてみては如何でしょうか?
京都から意外とアクセスが便利で近いので京都拠点の周辺観光としておすすめのスポットで比叡山をはじめ日吉大社、旧竹林院といった人気スポットも一緒に観光できます。
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