“京都はんなりずむ”を訪れて頂きありがとうございます。
京都在住のブロガーKyotaroです。
今回は、古都京都を代表する禅寺、紅葉の名所としても知られる「南禅寺」を徹底的にご紹介します。
「絶景かな、絶景かな」の名台詞で知られる三門から、国宝指定の南禅寺水路閣、国指定名勝の方丈庭園まで、見どころがつきません。
特に、南禅寺水路閣から疏水沿いに歩ける穴場の散策ルートも含めて詳しく解説。
この秋の京都旅行の参考にしてくださいね。
南禅寺の方丈庭園で禅の美をじっくり巡ってみよう
南禅寺に来たら、絶対に外せないのが国指定名勝に指定されている「方丈庭園」です。
それぞれ異なる趣を持つ4つの庭園を、心静かに巡りながら、禅の教えを感じてみましょう。
国指定名勝・方丈庭園
南禅寺の方丈庭園は、国指定の名勝として名高い、小堀遠州が込めた子育てと悟りの教えで知られ、6つの石を虎の親子に見立てた「虎の子渡し」が有名です。
メインの見どころは、庭石の配置が「虎子渡河(こしとか)」という中国の故事に見立てられている点。
親虎が3匹の子を連れて川を渡る際に、1匹ずつしか渡れないため、残りの2匹は必ず親虎の近くにいなければならないという様子を表現しているもの。
実はこの風景には、人生の「七難八苦」を乗り越えるという深遠な禅の教えが込められているんですね。
石の一つ一つから物語を読み解くような、静かで奥深い時間が過ごせます。
写真映えももちろん抜群です!
小方丈庭園「如心庭」
方丈庭園の「虎の子渡し」とは雰囲気がガラッと変わるのが、小方丈庭園こと「如心庭」です。
心を「如(ある)がまま」に映し出すという意味合いで名付けられたという小さな枯山水庭園。
白砂の波紋、苔の深い緑、そして簡潔に配置された石組みが織りなすミニマルで洗練された美に、心がスーッと洗われるような感覚になります。
忙しい日常を忘れ、苔と石が織りなす静謐な空間で瞑想すると静かに自分と向き合う時間を持つことができますよ。
古式の庭園「六道庭」
迷いの世界・六道から仏道へ導かれる庭園の構成とは?
鎌倉時代末期の様式を伝える、古風でどこか厳かな雰囲気を持つ庭園が「六道庭」です。
仏教でいう地獄・餓鬼・畜生・修羅・人・天の迷いの世界「六道」を石の配置で表現しているのが特徴。
この庭園を巡ることは、私たちが迷いの世界から仏の教えに導かれていく過程をたどることを意味しているそうです。
ただ美しいだけでなく、深いストーリーを感じらながら拝見してみては如何でしょうか。
苔が主役の「還源庭(げんげんてい)」
静かな苔庭に込められた水の循環と生命力。
方丈庭園の裏手にひっそりと佇むのが、この「還源庭」です。
方丈庭園の「虎の子渡し」のようなダイナミックな石組みはありませんが、書院と蔵に囲まれた空間は、静寂に包まれた別世界。
ここでは、一面に広がる緑豊かな苔が主役です。
庭園の名前にある「還源」とは、水が循環し、元の場所へ帰るという意味。
禅の教えでは、生命が生まれ、巡り、そして悟りへ回帰していく様子を暗示していると言われています。
苔の絨毯の奥には、遠くの山をイメージした「遠山石」が静かに配されており、庭全体が深い奥行きと幽玄な美しさを醸し出しています。
茶室「不識庵」と「窮心亭」
南禅寺の方丈エリアをじっくりめぐって最奥部にあるのが、方丈の裏側エリアにある茶室。
訪問当時は公開されておらず、外観の見学のみでしたが、南禅寺の方丈エリアに存在するふたつの茶室についても紹介します。
不識庵(ふしきあん)
不識庵は1954年(昭和29)の開基亀山法皇の650年御忌の際に茶道宗偏流八世宗有宗匠から寄進されたもの。
名前の由来は、禅宗の開祖である達磨大師にまつわる有名な故事に由来。
窮心亭(きゅうしんてい)
こちらも1968年(昭和43)に茶道宗徧流一門から寄進された茶席です。
修学院離宮、上の茶屋にある後水尾天皇御命名の茶亭「窮邃軒」の趣を慕い、命名されました。
【紅葉見頃予想】
方丈から望む秋の借景庭園の紅葉見頃は例年11月下旬~12月上旬頃。
また、南禅寺境内全体の紅葉は例年11月中旬から12月上旬頃が見頃です!
歴史と近代建築!南禅寺の壮大な見どころを徹底解説
庭園だけでなく、広大な南禅寺の境内には、歴史上のドラマと近代の息吹を感じるスポットが共存しているのが魅力。
ここでは南禅寺境内の見どころについて紹介しましょう。
日本三大門の一つ「三門」
「絶景かな」!楼上に登って京都のパノラマを満喫しよう
「空門」「無相門」「無願門」の三つの解脱の境地を表す日本三大門の一つです。
そして何と言っても有名なのが、歌舞伎の演目にも登場する石川五右衛門の「絶景かな、絶景かな」の名台詞の舞台であること。
有料ですが、楼上へ登ってみましょう。
そこから広がる京都市内を一望できる大パノラマは圧巻の一言。
秋には紅葉の海を見下ろすことができ、五右衛門の気持ちが理解できるはずですよ!
禅の威厳を示す中心「法堂」
法堂は、南禅寺の中心となる建物で、厳かで重厚な雰囲気に満ちています。
内部でぜひ見上げてほしいのが、天井に描かれた巨大な龍の天井画。
その迫力と力強さに、思わず息をのんでしまいます。
禅寺の信仰の力を感じられる、神聖な空間です。
境内を南北に走る近代遺産「南禅寺水路閣」
南禅寺の代名詞的な存在になっている「水路閣」、レトロな煉瓦アーチと古都の異色の調和美が印象的な建造物です。
南禅寺の風景の中で、最もユニークな存在がこの水路閣ではないでしょうか。
お寺の境内にあるのに、ローマの水道橋のようなレンガ造りのアーチが連なっています。
これは、明治時代に建設された琵琶湖疏水の一部で、今も現役で水が流れているってご存知でしょうか。
古都の寺院とモダンな煉瓦建築という異質な組み合わせが、他にはない独特の美しさを生み出し、最高のインスタ映えスポットとして人気を集めています。
穴場散策のススメ
水路閣の水を辿り、疎水分線沿いの癒やしの小径から蹴上インクラインへ行くことができるのをご存知でしょうか?
水路閣を見学したら、ぜひ試してほしいのが、この穴場の散策ルートです!
水路閣の上を流れる琵琶湖疏水の分線沿いには、静かで気持ちの良い小径が続いています。
このせせらぎを聞きながらの散策は、境内のにぎわいを忘れるほどの癒やし空間。
そのまま約10分ほど歩くと、かつて舟運のために使われた蹴上インクライン(傾斜鉄道の跡)にたどり着けます。
水路閣とインクラインは疏水で繋がっている歴史ロマンあふれるスポットです。
この二つをセットで巡る散策コースは、南禅寺観光の満足度をぐっと上げてくれるので特に秋の散策がおすすめです。
【紅葉見頃予想】
三門と水路閣を彩る境内の紅葉見頃は例年11月中旬~12月上旬頃です。
重厚な三門と赤く色づいた木々のコントラストや、レトロな水路閣の煉瓦のオレンジと紅葉の朱の調和は、他では見られない絶景です。
ぜひカメラを片手に、広大な境内を歩き回ってみましょう。
南禅寺へのアクセスと駐車場について
●大本山南禅寺
TEL:075-771-0365
〒606-0017 京都市左京区南禅寺福地町86
拝観時間 8:40~17:00(※12~2月冬季は16:30迄)
拝観料金 境内自由※下記は拝観料金必要
方丈庭園 一般600円 高校生500円 小中400円
三 門 一般600円 高校生500円 小中400円
南禅院 一般500円 高校生450円 小中350円
アクセス 市バス又は地下鉄を利用
・京都駅、四条河原町より市バス5系統「南禅寺・永観堂道」下車、徒歩約10分
・市営地下鉄「蹴上駅」徒歩約10分
駐車場 南禅会館前の駐車場利用(2時間以内1,000円)以降、1時間ごとに500円加算
まとめ
いかがでしたか?
京都を代表する禅寺、南禅寺は小堀遠州の傑作「虎の子渡し」の方丈庭園をはじめ、大迫力の三門、そしてモダンな近代建築・南禅寺水路閣と、見どころが尽きません。
特に水路閣の裏から始まる疏水沿いの散策路は、静かに水音を聞きながら蹴上インクラインへ向かえる、おすすめの穴場ルートです。
例年11月中旬から12月上旬頃には、境内全体が燃えるような紅葉に包まれ、参拝客を魅了します。
この秋はぜひ、南禅寺で禅の心と日本の美、そして歴史ロマンに触れる特別な旅を楽しんでください!



























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