“京都はんなりずむ”を訪れて頂きありがとうございます。
京都在住のブロガーKyotaroです。
京都嵯峨野にある「二尊院」は秋の紅葉とともに春の桜シーズンがとても静かでおすすめのスポットです。
百人一首に詠われる小倉山の麓にある二尊院の境内は古くより人々から愛されてきた自然豊かな美しい景観を誇ります。
春の訪れとともに新緑が芽生え、野鳥がさえずり、桜が舞う境内の様子をシェアします。
二尊院の春と言えば桜の馬場、そして普賢像桜
二尊院といえば秋の“紅葉の馬場”そして勅使門の向こう側に広がる真っ赤な紅葉が有名で勅使門からの景観は「そうだ京都、行こう。」キャンペーンのポスターにもなったほど。
総門から続く“紅葉の馬場”の景観が春には桜並木へと変貌を遂げ、真っすぐ続く参道の美しい景観に感動させられます。
自然豊かな境内へと吸い寄せられるようにKyotaroも拝観してきた時の様子を以下、シェアさせて頂きます。
桜の馬場
紅葉名勝として有名な「二尊院」ですが、春になると“紅葉の馬場”が“桜の馬場”と呼ばれ、約100m続く参道沿いに美しい桜並木が続きます。
数百メートル続く参道沿いにはモミジとサクラの木が交互に植えられており、訪れる人々を暖かく出迎えてくれます。
交互に桜の樹々が植えられてるせいか、桜のトンネルとまでいきませんが、「気持ち境内へ向かって左側に咲く桜が多いのかな?」という感じがしました。
総門入って受付の周辺にも桜が綺麗に咲いており、受付向い側の井筒八ツ橋本舗「四季庵」で小倉大納言ぜんざいが楽しみながら花見ができます。
桜の馬場、正面突き当りには皇室とゆかりの深いことを示す五本線の入った白壁があり、左に進むと黒門、勅使門があり、そこから二尊院境内に入ることができます。
遅咲きの普賢像桜(ふげんぞうさくら)
二尊院の桜開花は例年3月下旬から4月上旬頃ですが、しだれ桜が終わりを告げる4月中旬から綺麗に咲き始めるという遅咲きの「二尊院普賢像桜」が二尊院境内にあります。
今回Kyotaroが訪れた時は、しだれ桜が満開でしたので残念ながら「普賢像桜」はまだ蕾でした。
八重咲の桜として有名ですが、花弁が百五、六十枚はあり、花の中央からふたつの変わり葉が出て普賢薩摩の乗っている白象の牙ににていることからその名が付いたといいます。
場所は境内「のきばの松」の近くに咲く「源平桃」の隣、「九頭竜辯財尊天」の目の前にあります。
二尊院の二如来像が見守る紅しだれ桜
二尊院は正式名称を「小倉山二尊教院華臺寺」といい、二体の御本尊として知られる「釈迦如来」と「阿弥陀如来」の二如来像が本堂に並んで安置されてることでも有名です。
開創は838~848年(承和年間)に嵯峨天皇の勅願によって慈覚大師が建立したと云われており、天台宗、真言宗、律宗、浄土宗の四宗兼学の道場でしたが、明治以降は天台宗に属する寺院となっています。
寺名の由来ともなっている二尊とは極楽往生を目指す人を此岸から送り出す「発遺の釈迦」と彼岸へと迎え入れる「来迎の釈迦」のことを意味します。
遺迎二尊の思想は唐(中国)の時代に善導大師が広めたという「二河白道喩」という例えによるものとされ、日本伝来の際に法然上人に受け継がれたと云います。
本堂前の紅しだれと淡しだれ
「釈迦如来立像」と「阿弥陀如来立像」が安置される本堂の正面、黒門と勅使門の間には“紅しだれ”が植えられており、3月下旬から4月上旬に花を咲かせます。
また勅使門から書院よりの庭園には“淡いピンクのしだれ桜”も咲いており、本堂から勅使門の左右に紅白のしだれ桜が咲く光景がこの時期限定でご覧いただけます。
秋になると紅白のしだれ桜に代わって、境内を真紅に染める燃えるような紅葉を楽しむことができますのでぜひ、秋にも訪れたいスポットです。
発遣の釈迦と来迎の阿弥陀
二尊院の名前の由来にもなったという「二如来像」ですが、本堂中央に兄弟かのように立ち並ぶ姿を拝観することができます。
向かって右側が「釈迦如来像」左側が「阿弥陀如来像」で左右相称で金泥塗、玉眼入りの像となっており、その眼差しが境内を見守るようなお姿となっています。
春のこの時期は紅白のしだれ桜を見守るかのようにも見え、二尊院の美しい景観を二体の仏像が護っておられる、実際に参拝してみてそんな感じを受けました。
二尊院の見どころ
二尊院の境内はとても広く、小倉山の麓にあり、とても静かな景観に包まれた環境となっています。
境内には様々な史跡が残されており、じっくり見て回ると1時間程度は必要かと思います。
効率よく拝観するために境内の見どころを紹介します。
総門
二尊院の総門は1613年(慶長18)に伏見城にあった薬医門を当時の豪商であった角倉了以が移築・寄進したものと云われます。
室町時代の希少な建築様式を誇り、唐草模様や数珠入り三つ巴紋、桃の円蓋瓦など多彩な模様が施されており、京都市指定文化財となっています。
現在の総門は2014年(平成26)の瓦葺工事によって江戸時代の柄そのままに復元されたものです。
紅葉の馬場(桜の馬場)
小倉山を背景に春夏秋冬・四季折々の風景が楽しめる二尊院の代名詞といっても過言ではない境内見どころの一つ。
行きに総門からの眺めを堪能し、帰りの際に石段の上から参道を見下ろす光景の素晴らしさに感動することでしょう。
春には参道沿いに桜が咲き誇り、参拝者を歓迎してくれるかのような景観が続きます。
勅使門
天皇の意思を伝えるために派遣される「勅使」のみが出入りすることを許されたという「勅使門」は唐破風型の屋根が特徴的です。
現在は参拝者用に開放されていますが、かつては勅使が訪れた時しか開閉されなかった格式高い特別な門なのです。
本堂
二尊「釈迦如来」と「阿弥陀如来」を並んでお祀りしており、六間取り方丈形式の間口の広さが特徴的な建物となっています。
室町時代に勃発した応仁の乱による戦火で全焼しますが、1521年(永正18)に三条西実隆が諸国に寄付を募り再建したと云われています。
小倉山を背景に建つ立派なお堂で本堂裏側には「六道六地蔵の庭」が広がります。
弁天堂
弁財天の化身といわれる「九頭竜大神」「宇賀神」をお祀りする本堂に隣接したお堂。
この地に弁財天を祀る由来は「二尊院縁起」にあると云われ、他に「大日如来」「不動明王」「毘沙門天」などをお祀りしています。
本堂と弁財天堂の間には手水鉢があり、今流行りの花手水となっていました。
八社宮と小倉餡発祥の地
ともに境内の東北に位置し、「八社宮」は二尊院境内の表鬼門として造られた社で、その名の通り、伊勢、松尾、愛宕、石清水八幡、熱田、日吉、八坂、北野天満宮の八社をお祀りしています。
また「八社宮」前にある石碑は「小倉餡発祥の地」と書かれてあり、この地で初めて「小倉餡」が造られたことを示す史跡となっています。
しあわせの鐘と角倉了以像
境内奥には鐘楼と角倉了以像が並ぶように建っており、この辺りも秋には真っ赤な紅葉に包み込まれたかのような景観となります。
梵鐘は1604年(慶長9)に鋳造、1992年(平成4)に嵯峨天皇千二百年御遠忌法要記念として再鋳されたものです。
角倉了以は戦国から江戸初期にかけての豪商として知られ、朱印船貿易の祖としてベトナムとの貿易を行ったり、大堰川や高瀬川を私財を投じて開削した人物です。
のちに江戸幕府の命令を受けて富士川、天竜川、庄内川の開削をも行ったのも角倉了以なのです。
湛空廟
本堂と鐘楼の間にある長い石段を上った先にある「湛空廟」。
二尊院で教えを広めたという湛空上人こと法然上人の碑が収められています。
小倉山の中腹にあたり、振り返れば嵯峨釈迦堂(清涼寺)の屋根、遠くには比叡山も遠望できる静かな場所となっています。
心落ち着く瞬間をここでは体感してみて下さい。
二尊院へのアクセスと駐車場について
●二尊院(小倉山二尊教院華臺寺)
TEL:075-861-0687
〒616-8425 京都市右京区嵯峨二尊院門前長神町27
■拝観時間 9:00~17:00
■拝観料金 大人(中学生以上)500円 小学生以下無料
■アクセス 京阪電車利用又は市バスが便利
・市バス「嵯峨釈迦堂前」下車、徒歩約10分
・JR山陰本線「嵯峨嵐山駅」下車、徒歩19分
・京福嵐山本線「嵐山駅」下車、徒歩15分
・阪急嵐山線「嵐山駅」下車、徒歩30分
■駐車場 無料駐車場10台
まとめ
京都嵯峨野の小倉山麓にある春の「二尊院」の紹介でした。
紅葉時期ほど参拝客は多くないので桜の時期は比較的、ゆったり拝観できます。
特に平日の開山直後の時間帯が狙い目ですね。
しだれ桜の見頃が4月上旬くらいまでですが「二尊院普賢像桜」は4月中旬から咲き始めるのでまだまだ春の境内を堪能することができそうです。
嵐山から大本山天龍寺から竹林の道、野宮神社、常寂光寺、落柿舎などいろんな史跡を楽しみながら歩いて「二尊院」まで行くのがおすすめ観光ルートです。
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