京都在住・京都大好きブロガーKyotaroです。
2020年も梅雨本番、7月に入りました。
6月水無月を彩る季節の花といえば“紫陽花”ですが、京都には6月に紫陽花が境内を彩る個性豊かな寺院があります。
2020年を振り返り、2021年の紫陽花めぐりへの備忘録として紹介します。
大原三千院のあじさい苑(約50種1000株)
京都大原の里にある「大原三千院」は比叡山延暦寺が発端で伝教大師最澄から慈覚大師円仁に引き継がれてその後1200年の歴史をほこる天台宗の寺院。
境内は自然に囲まれた静かな景観で美しいカエデと青苔が四季を彩り、青苔に点在している“わらべ地蔵”はとても愛らしく、ほっこりした気持ちにさせてくれます。
大原三千院のあじさい苑
弁財天の背後、金色不動堂の手前に広がるその規模数千株といわれるあじさい苑が広がります。
6月中旬の小あじさいから始まり、希少な星あじさい(七段花)、そして山あじさい、額あじさいと期間中、順番に咲き誇り、7月上旬まで参詣者を楽しませてくれます。
金色不動堂前の無料休憩所からは眼下に広がる“あじさい苑”を一望することができます。
三千院を代表する荘厳な建築物
見どころは御所の紫宸殿を模して、大正15年に建てられた「宸殿(御本尊は薬師瑠璃光如来像)」と三千院の歴史の源とも言える「往生極楽院(御本尊は阿弥陀三尊像)」。
特に往生極楽院に祀られている阿弥陀三尊像は非常に大きく、往生極楽院に納めるために天井を舟底型に折り上げる工夫がなされています。
堂内中心に鎮座するのが阿弥陀如来、向かって右側に観世音菩薩、左側に勢至菩薩で「大和坐り」の慈悲に満ちた姿で安置されています。
三千院の美しい自然が映える庭園
三千院の境内には二つの庭園があり、自然と融和した悠久の時間を刻む、独特の静寂に包まれた景観です。
「聚碧園(しゅうへきえん)」は客殿の庭園で江戸時代の茶人・金森宗和により造られた池泉式回遊庭園です。
また三千院の境内でよく紹介される景観としても有名な「有清園」は宸殿から往生極楽院を眺める池泉式回遊庭園で青苔の上にそびえ立つ杉や檜が荘厳な景観を作り上げています。
善峯寺の白山櫻あじさい苑(約50種約1万株)
京都西山三山のひとつに数えられる「西山善峯寺」は西国三十三ケ所第20番札所でもあるため一年を通じて多くの参拝客が訪れます。
京都西山の中腹にある難所で交通の便も悪く、境内が非常に広大なため、比較的ゆったり参拝することができます。
善峯寺の白山櫻あじさい苑
境内の順路に従って進み、護摩堂の先にある幸福地蔵。
ここから眼下に広がる「白山櫻あじさい苑」を一望でき、その規模は約50品種約1万株の紫陽花が咲き誇ります。
山の斜面一面に広がるあじさい苑でその規模は三室戸寺と並び、京都随一の“あじさい苑”として有名。
善峯寺開祖の源算上人が写経に使用したという白山名水の辺りから見上げた幸福地蔵祠と紫陽花の景観がシャッターポイントです。
善峯寺の境内諸堂を彩る花手水
善峯寺にある「観音堂」「釈迦堂」、奥之院にある「薬師堂」にある手水舎は紫陽花の時期になるとあじさいの花で彩った“花手水”が期間限定でお目見えします。
鮮やかな色合いで参拝者を歓迎、出迎える観音堂の花手水、カラフルな一色ずつの紫陽花を添えて上品な雰囲気の釈迦堂の花手水。
そして境内標高最高所にある奥之院「薬師堂」の花手水は青紫の紫陽花のみで龍の手水舎にとてもシンプルな装いの仕様となっています。
善峯寺から眺める絶景、比叡山と京の街並み
善峯寺は西山の中腹にあるため、山門から奥之院まで山肌に沿って境内が広がるので至る所から京都の街並みを眺める眺望が楽しめます。
奥之院前のけいしょうでんからは遮るものがほぼ何もなく、目の前に絶景パノラマが広がり、正面に比叡山、手前に京都市街地、そして遠くに京都南部の山城平野まで眺めることができます。
山上にある寺院ならではの景観も楽しめるスポットです。
三室戸寺のあじさい園(約50種約1万株)
三室戸寺は京都宇治にある西国三十三ケ所第10番札所として有名。
境内の参道沿いに広がる三室戸寺庭園とともに春から初夏は季節の花々が楽しめる「与楽園」は非常に広大で散策しながら楽しむことができます。
三室戸寺あじさい園は全国的に有名
例年6月上旬より7月上旬までの約5週間開園される三室戸寺のあじさい園は多くの観光客で賑わいます。
特に紫陽花が見頃を迎える6月第二土曜から第四日曜まで約2週間はあじさい園の夜間ライトアップも開催されるほどの人気ぶり。
あじさい園の規模としては約50品種・約1万株の紫陽花が境内を彩り、一面に広がる紫陽花の規模は間違いなく、京都№1といっても過言ではありません。
毎日咲く場所が変わるという“ハートあじさい”も人気を呼び、若い女性を中心にインスタ映えスポットとして近年は注目を集めています。
三室戸寺にある源氏物語「浮舟之古蹟」
源氏物語「宇治十帖」の謡曲「浮舟」は夫薫中将と兵部卿宮との恋の狭間に揺れ迷う女性「浮舟」を描いた源氏物語「宇治十帖」の古蹟が三室戸寺境内にあります。
旅僧と宇治の里女の出会いを描いた幽玄味のある曲からは「浮舟」の宿命、そして懊悩が伝わり、その供養塔が三室戸寺に残されているのです。
京都の宇治は源氏物語の舞台としても有名なのです。
三室戸寺は西国霊場としての参拝者も多い
言わずと知れた西国三十三ケ所霊場のひとつとして年間を通じ、非常に多くの参拝客が訪れる寺院として全国的に有名です。
境内の長い急な石段を昇った先にある本堂は1814年(文化11)に再建された、重層入母屋造のとても重厚な建物です。
本堂前にはハスの花が7から8月頃に咲き誇り、本堂とのコントラストが素晴らしい景観を演出してくれます。
本堂右手には阿弥陀堂、鐘楼、兵庫県佐用郡の高蔵寺から移築した三重塔が建ち並びます。
柳谷観音・楊谷寺のあじさい廻廊(花手水)
柳谷観音(楊谷寺)は善峯寺とならび京都西山三山のひとつに数えられ、ここも車やバスで行かないと辿り着けない京都西山の難所です。
近年は山門横にある境内手水舎の“花手水”が有名となり、季節の花々で埋め尽くされた“花手水”を撮影に来る人が非常に多くなっています。
年間でいちばん盛り上がるあじさいウィーク
京都府長岡京市にある柳谷観音(楊谷寺)は眼病平癒祈願所として「独鈷水(おこうずい)」があることでも有名です。
例年6月上旬から7月上旬にかけて紫陽花の見頃にあわせて開催される「あじさいウィーク」は年間でいちばん盛り上がる時期でもあり、多くの参拝者が訪れます。
特に人気なのが“あじさいの花手水”と本堂から奥之院へと続く“あじさい廻廊”です。
靴を持って上がった“あじさい廻廊”の他にも奥之院周辺でも紫陽花を楽しむことができ、ゆっくり1時間は参拝に時間がかかる寺院です。
柳谷観音(楊谷寺)の名勝庭園「浄土苑」は必見
本堂から靴を脱いであがると辿り着ける書院があり、ここから眺める庭園は見事な名勝庭園として定評があります。
山の斜面を利用し程よく配置された岩石を十三仏に見立てた見事な景観が広がります。
書院の上には通常非公開の「上書院(※毎月17日とあじさいウィーク期間のみ公開)」がありここから眺める名勝庭園の池泉式は格別です。
眼病平癒祈願所「独鈷水(おこうずい)」
弘法大師・空海がこの地を訪れた際に見つけた眼のつぶれた小猿の眼を洗う親猿の逸話がある「独鈷水(おこうずい)」。
空海が小猿のために17日間のご祈祷を行うと小猿の目が開き、喜んで親子は山に帰って行ったという言い伝えが柳谷観音には残ります。
その後、この不思議な湧き水を眼病平癒の霊験あらたかな霊水にすると決心された空海が17日間の祈祷を行ったことが「独鈷水」の始まりとされ、多くの人が訪れます。
建仁寺塔頭寺院「霊源院」の甘茶庭園
建仁寺の学問面の中核を担ってきたという「霊源院」は室町時代には多くの京都五山、鎌倉五山に代表される五山派の学僧を多く輩出して来ました。
その霊源院でかつてより有名であった「甘茶の庭」がこの度、令和の枯山水庭園として造園家・中根兄弟によって完成しました。
令和の枯山水庭園「鶴鳴九皐」完成、特別公開へ
コロナ禍の影響を京都も4・5月は大きく受けていましたが、緊急事態宣言が解除された5月23日より特別公開を開始した建仁寺塔頭寺院の「霊源院」。
令和の枯山水庭園を「鶴鳴九皐(かくめいきゅうこう)」と改称し、期間限定での特別公開が2020年7月31日行われています。
かつてより“甘茶の庭”として有名でしたが、庭園内の甘茶と岩の配置が変わっており、まさに新しい令和の景観を楽しむことができます。
特に甘茶が咲き誇るエリアには“飛び石”と呼ばれる石が適度に配置され、ひときわ目を引く大きな茶色の大きな石は“坐禅石”としてインドから運ばれてきたとのこと。
霊源院本堂の見どころ
霊源院本堂には「也足軒」「妙喜庵」ふたつの茶室があります。
建仁寺を開山した栄西禅師は中国からお茶を持ち帰った“お茶の祖”としても有名でその影響を受けているものと思われます。
「也足軒」は四畳半の茶席でにじり口がある珍しい構造、「妙喜庵」は茶室として最小といわれる一畳台目の茶室で客人が座る一畳のみに切り詰めたコンパクトさが特徴的。
また本堂に安置される「中厳圓月坐像」とその胎内仏である「毘沙門天立像」はともに玉眼を嵌め込んだ表情が特徴的で「毘沙門天立像」が持つ水晶玉には仏舎利が納められています。
まとめ
京都を代表するあじさいが名所の5つの寺院を紹介しました。
Kyotaroが訪ねて感銘を受けたスポットですが、まだまだ京都には紫陽花が美しい寺院があるので2021年にはブラッシュアップして紹介したいと思います。
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