旧三井家下鴨別邸の通年公開と特別公開の違いは?事前予約は必要か?

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京都在住のブロガーKyotaroです。

あなたは“冬の京都”にどんなイメージをもっていますか?

2000年前後まで冬の京都といえば閑散期でしたが外国人旅行者の年々増加、コロナ前の2019年までは特に中国の春節時期になると多くの観光客でごった返していました。

一方、国内ではJR各社による「冬の京都ディスティネーションキャンペーン~京の冬の旅~」の定着により非公開文化財の特別公開が人気となっています。

今回は非公開文化財の特別公開が人気の「旧三井家下鴨別邸」に行ってきた様子をシェア。

江戸時代に呉服・両替商で富を築いた豪商から日本を代表する一大財閥となった三井家の歴史に迫ります。

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旧三井家下鴨別邸の一般公開と特別公開はどう違う?

旧三井家下鴨別邸は下鴨神社へと続く参詣道の鳥居のそばにあります。

京都賀茂川と高野川の合流地点、京阪&叡山電車の「出町柳駅」から歩いて3分の距離でアクセス条件は抜群の立地です。

隣には京都家庭裁判所がありますが、もともと裁判所も旧三井家別邸のあった広大な土地の一部といわれています。

ここでは通年で一般公開されている「旧三井家下鴨別邸」の特別公開との違いについて実際に行ってきた様子をもとに紹介します。

旧三井家下鴨別邸の通年公開と特別公開の違いと予約について

「旧三井家下鴨別邸」は「あさが来た」が終了した半年後の2016年10月から通年での一般公開が行われています。

通年の一般公開(大人500円)では1階部分と庭園しか見学ができませんが、季節限定の特別公開では、2階部分と3階部分にあたる望楼まで見学ができます。

特別公開で望楼まで見学する場合は大人1,000円(中高生700円)が必要で随所に配置された解説員が館内案内をしてくれます。

また事前予約について通年の一般公開は必要ありませんが、京都市観光協会が行う特別公開について近年は事前予約が必要となっています。

コロナ禍での人数制御の意味合いもあるようなのでお出かけの際は京都市観光協会ホームページなど事前に確認し、必要な手続きをお済ませのうえお出かけ下さい。

旧三井家下鴨別邸「特別公開」の目玉は?

「旧三井家下鴨別邸」の特別公開は2階部分と3階の望楼まで実際に上って見学できるのが大きなポイントです。

でもそれ以外の目玉は館内の展示品にもあり、2020年2月に訪ねた際は2階に展示されている、幻の国宝・俵屋宗達の最高傑作のひとつ「松風図屏風」が注目の展示品でした。

「松風図屏風」原画は現在、アメリカにおける日本美術の宝庫として有名なフリーア美術館(ワシントンDC)に門外不出の作品として所蔵されています。

今回はNPO法人京都文化協会、キャノン株式会社、スミソニアン協会フーリア美術館、祥雲寺の協力のもと、綴プロジェクトで制作された高精細複製品としての展示です。

「松風図屏風」は複製品でしたけどとても見応えがあり、原画はもっとスゴイのだろうなぁ、という実感がわきましたね。

旧三井家下鴨別邸が現代に伝える財閥の栄華としての“望楼”

「旧三井家下鴨別邸」で特別公開される3階の望楼からは比叡山、右大文字、船形など京都の美しい山々を360度のパノラマで眺望できます。

非常に狭い一室で、コロナ禍ということもあり、同時にあがれるのが4人くらいまでが限界です。

それ以上になるとかなり圧迫感があるので、ゆっくり景色を楽しむことも出来ないかもですね。

望楼への階段も非常に急な角度で特別公開時には手すり代わりのロープが備え付けてあり、落ちたら間違いなく怪我します… 汗)

解説員の方から説明がありましたが、「望楼」は当時、屋敷の上に造ることが大富豪としてステイタスをあげるポイントであったそうです。

いわゆる贅沢で造る以外のなにものでもなく、当時の財閥が極めたという栄華を現代に伝える貴重な建造物の象徴でもあるんですね。

旧三井家下鴨別邸をひょうたん池越しに眺める

旧三井家下鴨別邸の中を見学した後は、庭園を散策することもできます。

写真撮影のベストポジションは、庭園への出口を出た右手前方の位置から外観を撮るとパンフレットにある“おすすめ撮影スポット”のような写真が撮れます。

庭園への降り口に赤い傘が置いてあるので、写真撮影に自由に使えるようになってるのでうまく活用すれば“インスタ映え”写真も撮れそうですね。

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旧三井家下鴨別邸が国の重要文化財になるまでの歴史

旧三井家下鴨別邸は2015年下期に放映されたテレビドラマ「あさが来た」で一躍脚光を浴びるようになりました。

京都油小路の小石川三井家の四女として生まれた主人公、広岡浅子(ひろおかあさこ)をモデルにした“あさ”の生涯を描いたドラマです。

あさは日本女子大学校の設立を始め、女子教育の普及にも貢献し、御殿場二の岡で若い女性を集めた勉強会を主宰し、その中には村岡花子(赤毛のアン翻訳者)もいたとか。

そんなドラマの舞台にもなった「旧三井家下鴨別邸」の歴史を辿ってみました。

旧三井家下鴨別邸の歴史

三井財閥はその礎を築いた三井高利の男系子孫六家を本家、と女系子孫五家を連家として同族11家が一体となり、「三井十一家」と呼ばれるようになりました。

「旧三井家下鴨別邸」は下鴨神社糺の森の南に位置し、「三井十一家」の共有の別邸として三井北家第10代の三井八郎右衛門高棟(たかみね)によって建築されました。

もともと三井家の祖霊社参拝の休憩所として1925年に建築されたのが現在の旧邸であり、建築に際して三井家の木屋町別邸(1880年建築)が主屋として移築されました。

三井家の祖霊社とは?

現在「旧三井家下鴨別邸」がある場所には1909年(明治42)に三井家の祖霊社である顕名霊社(あきなれいしゃ)が遷座されていました。

当時、呉服を扱っていた三井家は、京都太秦にある養蚕の神を祀る「木島神社(このしまじんじゃ)」に先祖を祀る社として「顕名霊社(あきなれいしゃ)」を設けていたのです。

この顕名霊社の遷座先となったのが下鴨にあった約2万平方メートルの土地(現在の旧三井家下鴨別邸)というわけです。

旧三井家下鴨別邸が辿った紆余曲折の時代

「旧三井家下鴨別邸」は現在京都市が管理していますが、紆余曲折の時代を辿ってきました。

1949年(昭和24)に国に譲渡され、1951年以降は京都家庭裁判所所長の宿舎として2007年(平成19)まで実際に使用されてたのです。

「旧三井家下鴨別邸」は近代京都を代表する名建築で初期に建設された主屋を中心に大正期までに造られた大規模な別邸としての屋敷構えがそのまま残されています。

特別公開時に内覧してきましたが、裁判所所長の宿舎として利用されていたとのことで本当に生活感が残ってるなぁ、という印象を受けました。

その歴史的価値が高く評価され、2011年(平成23)には国の重要文化財に指定されました。

現在は京都市の管理のもと通年での一般公開、そして季節限定での特別公開が定期的に開催されています。

旧三井家下鴨別邸へのアクセスと駐車場について

●旧三井家下鴨別邸
TEL:075-366-4321
〒606-0801 京都府京都市左京区下鴨宮河町58-2
■入館時間 9:00~17:00(※16:30受付終了)
※休館日 水曜定休日(※祝日の場合は翌日)、12/29~12/31
■入館料金
・一般公開/大人500円 中高生300円 小学生200円
・特別公開/大人1,000円 中高生700円 小学生500円
■アクセス 京阪出町柳駅から徒歩5分
・市バス「葵橋西詰」「出町柳駅前」下車、徒歩5分
・京阪電車「出町柳駅」下車、徒歩3分
■駐車場  専用駐車場なし

まとめ

旧三井家下鴨別邸の見学所要時間は、特別公開の時でも30分あれば充分です。

駐車場はありませんので公共交通機関の利用をおすすめします。

一般公開時の桜や紅葉シーズンは人も多くなり混雑することが予想されます。

庭園からの写真もゆっくり撮影しづらいかもしれませんので朝いちばんに行くなど工夫しましょう。

新緑の季節はインスタ映えには持って来いのスポットですよ。

下鴨神社参拝のついでに訪ねてみるのもいいかもしれませんね。

※最近は特別公開時は京都市観光協会HPからの事前予約制になっていますので詳細を確認のうえお出かけ下さい。

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