京都在住・京都大好きサラリーマンブロガーKyotaroです。
新型コロナウィルス感染拡大防止の観点から拝観休止だった「柳谷観音 楊谷寺」も拝観が再開されました。
善峯寺、光明寺とともに京都の“西山三山”のひとつに数えられる「柳谷観音 楊谷寺」は眼病平癒の“眼の観音様”として知られています。
ここはフォトジェニックな“花手水”で有名な手水舎があり、SNSでも話題の寺院です。
「柳谷観音 楊谷寺」の見どころと気になる拝観料について紹介します。
柳谷観音 楊谷寺はあじさいのシーズン、花手水がお出迎え
「柳谷観音 楊谷寺」は写真映えする“花手水”が山門入ってすぐにお出迎えしてくれる寺院です。
眼病平癒のご利益があり、平安時代より皇族や公家を初めとする眼病に悩む人々から厚く信仰されてきた観音様です。
最近は“花手水”が注目を集め、若い女性にも人気があり、SNSでもそのフォトジェニックな季節の花々が浮かぶ手水舎が話題になっています。
6月は紫陽花の季節なのであじさいの花が龍の手水舎に浮かびます。
確かに“インスタ映え”頂きました、と言いたくなる写真が運よく撮れました。
花によっては参拝者が水を汲むことで花びらが水面に散ってしまう花の時期もあるので“花手水”を写真に収めたいなら、朝いちばんの時間帯に行くことをおすすめします。
また、花の衣替え時期や季節によっては“花手水”がない時もあるので、どうしても観たいというあなたは事前に確認してから行くようにしましょう。
柳谷観音 楊谷寺の気になる拝観料はいくら?
「柳谷観音 楊谷寺」の気になる拝観料ですが、2022年3月まで境内は自由拝観ができ、特に入山の拝観料は必要ありませんでしたが、2022年4月より拝観料が必要になりました。
2022年3月までは年間で「あじさいウィーク(6月中旬から7月上旬頃)」と「紅葉ウィーク(11月中旬から12月上旬)」のみ拝観料300円が必要でそれ以外の期間は拝観無料でした。
駐車場も無料の参拝者専用駐車場が100台はあったのですが、現在は第一駐車場にコインパークが設置され有料になっています(1時間以内500円)。
境内には見どころがたくさんあり、あじさいと紅葉ウィークを除く「柳谷観音 楊谷寺」の拝観無料はとても魅力だったのですが…。
特に本堂に靴を脱いで上がり(靴は各自設置の袋に入れて持ち歩きます)、庫裡・書院から名勝庭園「浄土苑」を見学して廻廊を通り抜けて「奥之院」まで拝観に上れる、とても見応えのある境内になっています。
他にも眼病平癒祈願ができる「独鈷水(おこうずい)」や寺院にゆかりのある「弘法大師お砂踏み(四国八十八ケ所)」など普通に拝観しても1時間は軽く時間が必要です。
柳谷観音 楊谷寺の見どころについて
柳谷観音 楊谷寺は“眼の観音様”として有名で本堂から靴を脱いで上がり、庫裡・書院から名勝庭園を見学してさらにその奥へと続く廻廊から奥之院まで行くことができます。
通常ここまでの拝観が必要な寺院は拝観料が500円前後必要なことが多く、柳谷観音 楊谷寺は2022年3月まで拝観無料でしたが、同年4月より拝観料500円(ウィークは700円)が必要となりました。
境内の見どころを実際に行って来た観点から紹介します。ぜひ参考にして下さい。
山門
かつて勅使門として使われていましたが、現在はすべての参拝者に開放されている。
四本の脚からなる四脚門で門の両脇には“風神”“雷神”が奉られており、ぱっと見は中国などにある寺院の山門を思わせる装いです。
山門は計38段の石段の上に建ち、寺を囲む塀には白の5本線があり、天皇家との関わりが深い事を示しています。
本堂
御本尊は眼病に霊験あらたかな十一面千手千眼観世音菩薩像ですが、普段は幕によって拝むことができません。
毎月17,18日の2日間だけ御開帳され拝観ができ、観世音菩薩の両脇には将軍地蔵大菩薩(左側)と勝敵毘沙門天王(右側)が祀られ、清水寺の十一面観音の脇侍と同様である。
“南無観世音菩薩”と心をこめてお祈りをすればご利益にあやかれる、という言い伝えがあります。
土足のまま参拝できる珍しい本堂ですが、左手奥の庫裡・書院に繋がる通路からは土足厳禁で靴を備付けの袋に入れて上がることができます。
阿弥陀堂
本堂に向かって右手正面に位置し、建立は江戸時代でかつては念仏堂とも呼ばれており、淀殿寄進のお厨子の扉には豊臣家の家紋が入ってるのが確認できます。
御本尊は阿弥陀如来で左に法然上人像、右に善導大師像(中国の高僧)が安置されています。
毎年8月18日には盆大施餓鬼の法要が阿弥陀堂で行われます。
地蔵堂・親子地蔵
阿弥陀堂の隣に建ち、境内北東角、護摩堂の横に並立するのお堂が「地蔵堂」です。
堂内には親子地蔵が祀られており、親子の絆を大切にし、子供たちへのご加護があります。
淀殿弁天堂
その名のとおり、弁財天の前に淀殿の人形が安置されている変わったお堂です。
淀殿が柳谷観音 楊谷寺の観音様を信仰、寄進されたという事実を知った有職御人形師十二世の伊東久重氏(柳谷観音の信者)によるもの。
七福神唯一の女神である弁財天をお参りするというよりは淀殿の人形を参拝してる印象しかありません。
お堂の傍らに淀殿が毎日洗顔していたという伝説の湧き水があります。
独鈷水(おこうずい)
811年に弘法大師(空海)がお堂の傍らにある厳窟の溜水で眼のつぶれた小猿を抱きながら、ひたすら小猿の眼を洗う親猿を見かけられました。
空海は小猿のために17日間のご祈祷を行うと満願の日に小猿の目が開きいて喜び山に帰ったという言い伝えがあります。
その後、空海がこの不思議な湧き水を眼病平癒のために霊験あらたかな霊水にすることを決心され、さらに17日の祈祷を行ったといいます。
これが独鈷水(おこうずい)の始まりと云われ、江戸時代には霊元天皇の眼病を治癒させたことを機に明治時代まで天皇家に独鈷水を献上していたそうです。
独鈷水は持って帰ることもでき、受付で3合半(630CC)サイズの容器を500円で販売しています。
弘法大師お砂踏み
弘法大師像の前に四国八十八ケ所霊場のお砂が敷かれた大師様の足形があります。お砂はそんなに多くありません。
足形の上に靴を脱いであがり「南無大師遍照金剛(なむだいしへんじょうこんごう)」と21回唱えると足腰が丈夫になるといいます。
独鈷水を飲む前にここで先にお参りすることで独鈷水のご利益が倍増するとも云われています。
名勝庭園「浄土苑」
書院から眺めることができる庭園で京都市の名勝庭園に指定されている「浄土苑」。
山の斜面を利用して作られ、程よく配置された岩石がアクセントなる見事な景観の庭園。
菩薩様に見立てた大きな石が十三仏(阿弥陀如来、観音菩薩、不動明王など)や目菩薩、受菩薩として配置されている。
最大の特徴は三層の眺めを楽しむことができ、第一層が書院から、第二層は書院から階段を上った反対側から、第三層は上書院から見降ろす三層の眺めを楽しめます。
但し、三層目の上書院からの眺めは秋の限定公開時のみとなります。
奥之院
書院で名勝庭園を眺めたあと階段と廻廊を経て山の上、高台にある「奥之院」へ辿り着きます。
「奥之院」には観音菩薩のほかに歴代天皇の位牌を安置しており、洛西観音霊場第10番札所にもなっています。
拝観後、「奥之院」から外に出る時に本堂から袋に入れて持ってきた靴を履き直します。
「奥之院」からは京都市街地と比叡山を木立の間から眺望することができ、6月には周囲にあじさいの花が咲き誇ります。
奥之院・眼力稲荷
奥之院本堂の守り神で観音様を信仰する万民の守り神でもある。
「奥之院」の真後ろに建つ、厳かな雰囲気のあるお稲荷様です。
奥之院・愛染堂とあいりきさん
愛染明王をお祀りし、縁結びや夫婦円満等にご利益があります。
愛染明王の前には石板を背負った天邪気(あいりきさん)がおり、ちょっと破廉恥な恰好をしています。
“あいりきさん”はよく見ていないと気付かず通り過ぎてしまいそうなので注意してみて下さい。
正一位眼力稲荷大明神
本堂の背後に位置し、奥之院本堂の背後にある“眼力稲荷”同様、本堂の守り神である。
京都伏見稲荷大社より勧請された山の守り神である“眼力稲荷大明神”をお祀りします。
古来より学問の神様として知られ、先見の明を授けて下さるご利益があります。
柳谷観音 楊谷寺へのアクセスと駐車場について
●柳谷観音 楊谷寺
TEL:075-956-0017
〒617-0855 京都府長岡京市浄土谷堂ノ谷2
■拝観時間 9:00~16:00(最終受付16:00)
■拝観料金 入山料通常期500円※高校生以下無料
※ウィーク期間は拝観料700円必要
※年間入山券3,500円(ウィーク期間含む)
■アクセス 最寄駅の「西山天王山駅」から徒歩1時間
・阪急京都線「西山天王山駅」下車、徒歩60分
・阪急バス「奥海印寺」下車、徒歩40分
・タクシー利用の場合「西山天王山駅」より10分、「長岡天神駅」より15分
※アクセスが非常に不便なのでマイカーでの参拝者が多いです。
■駐車場 参拝者専用あり(※2022年より第一駐車場が有料化)
まとめ
今回は善峯寺、光明寺とともに京都の“西山三山”のひとつに数えられる「柳谷観音 楊谷寺」の紹介でした。
境内は見ごたえがあり、あじさいの季節、そして秋の紅葉の季節にも訪れたい寺院ですね。
古くから皇族や公家から厚い信仰を集めてきたのは、参拝することでたくさんのご利益が得られるからなんですね。
特に参拝者が増えた理由は“花手水”がSNSで若い女性達の間で話題になったことから。
特にあじさいの“花手水”はとても美しくインスタ映え間違いなしです。
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