“京都はんなりずむ”を訪れて頂きありがとうございます。
京都在住のブロガーKyotaroです。
朝晩の冷え込みに冬の足音が聞こえるようになってきた京都、紅葉もいよいよ大詰め、という感じですね。
さて今回は京都東山、南禅寺界隈にある「無鄰菴」の紹介です。
訪れるのが今回2回目ですが、2020年は新型コロナウィルス感染拡大防止のため時間毎の事前予約制になっています。
運よく11月の日曜日に予約が取れましたので5年ぶりに訪ねて来ました。
無鄰菴の庭園カフェは予約が必要?抹茶と庭園を楽しむ贅沢
無鄰菴は明治・大正の元老・山県有朋が1894年(明治27)から1896年(同29)にかけて京都に造営した別荘であり、「無鄰菴会議」の舞台としても有名です。
作庭は平安神宮の神苑を手掛けた名造園家として名高い小川治兵衛が担当した見事な池泉式回遊庭園です。
庭園内にある母屋からの眺めは創建当時のままであり、山県有朋が眺めた風景が現代に受け継がれており、現在は「庭園カフェ」として借景眺めながらティータイムが楽しめます。
無鄰菴の庭園カフェって予約制?
2020年現在、無鄰菴は見学自体が事前予約制になっており、9時から17時までの毎時00分から1時間毎の時間制での見学となっており、各回20名定員となっています。
必然的に「庭園カフェ」を希望する場合も見学の予約時に「庭園カフェも希望する」という項目があり、そちらを選択すると通常600円の入場料にカフェ代1,000円が加算されます。
ネット予約でカード決済もできるので当日は受付窓口で名前を伝えるだけでOKでした。
スタッフの皆さんも感じよく対応してくれました。
無鄰菴庭園カフェのメニューと金額
無鄰菴の庭園カフェで楽しめるメニューですが、お飲み物とスイーツ各4種の中から好きなものを選択できるようになっています。
飲み物にスイーツ1品が付いて1,000円税込、しかも各4種類の中から好きなものが選べるようになっていて、カフェなのになぜかクラフトビールまである、粋な計らい?です。
今回、Kyotaroはお抹茶とどら焼きを選択して頂きました。
お抹茶は京都福寿園のお抹茶を使用、どら焼きは「無鄰菴オリジナル」でしっかりとどら焼きに“Murin-an”と川のせせらぎをイメージした焼印がされています。
11月最終日曜日でしたので気温が低かったのですが、電子カーペットが敷いてあり、足元が冷える心配もなく、女性には嬉しい気遣いですね。
抹茶とスイーツ、庭園を楽しむ
母屋の正面には庭園が広がり、その背後には京都東山を遠望でき、目の前の庭園から川のせせらぎが聞こえてきます。
毎回、20名までの限定で今回は庭園カフェ利用者がそう多くなかったのでほぼ“ひとり占め状態”でしたので、山県有朋になりきったつもりで贅沢な時間を堪能させて貰いました。
母屋周辺の樹々が色付いており、紅葉も楽しめますが、もみじの名所というレベルではなく、京都東山の借景を楽しむつもりでお越しください。
今回は時間に限りがあるので庭園カフェの滞在は60分のうち、約20分程度となりました。
無鄰菴で楽しむ山県有朋好みの京都東山の借景
無鄰菴のこの日の予約は全ての回で満席となっていました(各回20名×7回=140名)。
1回あたり20名しか入場できないので、1時間という制限付きではありますが、ゆったりと園内を楽しむことができます。
毎分05分、30分から10分程度の無料ガイドもあり、Kyotaroは入場後すぐの05分のほうを選択して説明を受けました。
無鄰菴の歴史から庭園作庭の意図、現代の庭師による庭園管理について母屋の広間から庭園を眺めながら説明をして頂けます。
山県有朋好みの借景庭園
無鄰菴の監修は山県有朋自らが行い、作庭を小川治兵衛が担当した、当時の日本庭園としては傑作とまで言われたほど。
山県有朋は小川治兵衛に無鄰菴の作庭に際し、3つの要望を出したといいます。
以上が無鄰菴を作る際の条件だったといいます。
特に当時として芝生をメインにしたのは日本庭園としてかなり画期的な事であったといいます。
山県有朋は苔ではなく、芝生を好み、庭園に変化をもたらすものとして“川のせせらぎ”を用い、美しい京都東山から流れ出る川のように作庭したと云います。
母屋から庭園散策も楽しめる
さて母屋で無料ガイドと庭園カフェを楽しんだ後は、実際に庭園へ降りて散策を楽しむことができます。
母屋から歩き始めて小川を渡った先まで行って振り返ると母屋の全景と紅葉の風景が広がります。
またここから反対を向くと正面には東山が広がります。
庭園を奥に進んでいくと芝生ゾーンから苔のゾーンへとやって来ます。
苔は晩秋から冬にかけて緑が映える山苔が敷き詰められています。
庭園のいちばん奥には三段の滝があり、周辺には赤い実を付けたセンリョウ、マンリョウ、ナンテンの低木が。
冬の足音が聞こえてくるようでした。
茶室と洋館
無鄰菴の庭園散策締め括りは茶室と洋館の見学。
ここまで来ると見学も終盤、入場から45分が経っていました。
まず茶室は山県有朋が客人に比叡山の雄姿を見せた場所と云われ、今でも茶室の北側から比叡山を眺望できます。
無鄰菴を管理している庭師によって茶室から比叡山が見える様子を蘇らせる、手入れを程底してるとか。
洋館では1階の煉瓦造りの壁、2階には「無鄰菴会議」が行われた洋間が展示されています。
窓ガラスは“大正手延べガラス”が使用されており、窓越しの景色がゆらいで見えるのが特徴で、手作りのため気泡が入ってそのようになるそうです。
このガラスは現代では復元・製造ができない貴重なものなので決して触れないようにしましょう。
無鄰菴を見学してる時に庭師の方が手入れをされていました。
現在、無鄰菴を管理しておられる植彌加藤造園株式会社の庭師の方で川のせせらぎ周辺に特に気を遣うのでしょうか?
入念に手入れをしておられました。素晴らしい景観を楽しませてもらって感謝の気持が自然と込み上げて来ました。
無鄰菴へのアクセスと駐車場について
■無鄰菴
TEL:075-771-3909
〒606-8437 京都府京都市左京区南禅寺草川町31
入場料金 お一人様600円
※市内在住70歳以上、未就学児は無料
※庭園カフェ別途1,000円必要
開場時間 9:00~18:00
※10-3月は17:00迄
アクセス 地下鉄東西線、市バスを利用
・市営地下鉄東西線「東山駅」から徒歩10分、「蹴上駅」から徒歩7分
・市バス「神宮道」又は「岡崎公園美術館・平安神宮前」から徒歩10分
・市バス「南禅寺・疎水記念館・動物園東門前」から徒歩4分
駐車場 なし※市営駐車場(有料)を利用。
まとめ
今回は明治・大正時代の元老・山県有朋の別荘であった「無鄰菴」の紹介でした。
現在は京都市が管理、京都の傑作と呼ばれる東山を借景とする日本庭園で母屋からの眺めは格別で四季折々の風景が楽しめます。
庭園散策もできますが、やはり母屋から東山借景を眺めながら抹茶を楽しむのがいちばんの贅沢ではないでしょうか?
春・夏・秋・冬それぞれ表情が異なる「無鄰菴」で山県有朋が愛した景観を堪能できました。
周辺には京都市動物園をはじめ、南禅寺、永観堂、平安神宮、京都市美術館など見どころがたくさんあります。
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