“京都はんなりずむ”を訪れて頂きありがとうございます。
京都在住のブロガーKyotaroです。
2025年、巳年の初詣をかねて名水と歴史、そして酒蔵の町として有名な伏見を半日で歩きながら満喫してきました。
2年ぶりの伏見五福めぐりでしたが、今回は五社寺すべてを歩いて巡ってきましたので、周辺観光スポット、そして酒処伏見を堪能できるバージョンで紹介します。
詳しく見ていきましょう。
伏見五福めぐり2025、歩いて巡るベストルートは?
伏見五福めぐりとは、伏見にある五社寺を色紙に御朱印を授かりながら初詣を兼ねてめぐる、御朱印めぐりのことで1985年(昭和60)から始まり、今年で40年を迎えます。
最近はじまった御朱印めぐりかと思えば、結構、歴史はあるんだなぁ、と思いましたが、室町時代から続く「都七福神巡り」と比べるとまだまだ最近はじまった御朱印めぐり、ってところですかね。
2025年は巳年、ということで毎年、色紙に描かれる干支のイラストを楽しみにしておられる人も多いのではないでしょうか?
ヘビのイラストってどんな感じで描かれるのか?と楽しみにしてましたが、とても可愛らしいデザインになっています。
今回、Kyotaroは五社寺すべてを歩いて巡ってきたのでその様子をシェアします。
歩いてだいたい半日、早い人なら3時間程度でめぐることができます。
京阪中書島からスタート
まず、はじめにアクセスですが、京阪中書島から始めました。
理由は、元旦から1月15日まで開催してるといいながら、色紙がなくなるのが毎年早くなってるような気がします。
ちなみに2024年正月は1月4日には藤森神社での色紙授与分が完売、2025年正月は1月3日午後の時点で乃木神社での色紙授与分が完売しており、その他社寺授与分も1月6日頃にはすべてなくなってしまうほどの人気ぶり。
そんな理由から、五社寺の中でも初詣参拝客の比較的多い、藤森神社、御香宮神社を最初に行くのを避け、かつ京阪中書島から徒歩5分の場所にある「長建寺」からスタート。
1月3日のお昼前でしたが、色紙はまだありましたので予定通り、「長建寺」から伏見五福めぐりを開始しました。
今回のルートは京阪中書島→長建寺→大黒寺→御香宮神社→乃木神社→藤森神社→京阪藤森駅、全行程で約3時間少しの所要時間でした。
長建寺
京阪中書島から徒歩5分、観光船として人気の「伏見十石舟のりば」のすぐ目の前にある寺院です。
特徴的な唐風山門と朱色の土塀、そして京都でも唯一辨才天を御本尊とする、真言宗醍醐派の寺院。
江戸時代の頃より諸国大名の往来が多く、現在も全国からの参詣が多い、と云われていますが、普段は住宅街の一角にある静かな佇まいのお寺、という印象です。
山門から正面に本堂があり、参拝後に本堂横にある受付で伏見五福めぐりの色紙1,000円を購入しました。
御本尊が辨才天なので開運、商売繁盛、諸芸上達にご利益があります。
境内本堂の前には伏見の名水、仏さまにお供えする水を意味する「閼伽水(あかすい)」が湧き出ており、かつて三十石舟に時を知らせたという鐘楼、護摩堂、マリア燈籠、弁天型灯籠など、日本古来の寺院とは一風変わった雰囲気が漂います。
長建寺山門の川向いの酒蔵(月桂冠)の風景は、伏見を代表する景観として新京都百景の第一号に選ばれています。
大黒寺(薩摩寺)
真言宗の寺院で平安初期の創建と云われ、御本尊は七福神のひとり、頭巾を被り左肩に大きな袋を背負い、右手に打ち出の小槌を持ち、蓮台の上に立つ出世大黒天をお祀りしています。
大黒天が御本尊ということでご利益は、出世、開運、そして金運です。
かつて薩摩藩の祈祷所であったことから別名「薩摩寺」とも呼ばれ、かつて西郷隆盛と大久保利通がこの地で会談したことでも知られています。
小さな寺院ですが、境内には2001年(平成13)に掘られた新しい井戸、大黒天に供えられる霊験あらたかな「金運清水」が湧いており、また本堂裏にある墓地には「寺田屋騒動」で亡くなった有馬新七ら、薩摩九烈士の墓や薩摩藩家老の平田靱負翁の墓地があります。
御香宮神社
徳川家にゆかりのある神社で御本殿は徳川家康の命で造営され、御本尊に神功皇后、仲哀天皇、応神天皇をお祀りしており、安産、開運、厄除のご利益があります。
また境内南側にある表門は伏見城大手門を移築したもので国の重要文化財に指定されています。
境内には伏見名水のひとつ御香水(おこうすい)が湧いており、毎朝地元の方が水を汲みに来られます。
正月になると地元伏見をはじめ、多くの初詣客で賑わい、御本殿を拝観するのに長い行列が表門まで続くほど参拝客が多いので行くのであれば朝早い時間、もしくは午後なるべく遅い時間がおすすめです。
御香宮神社の境内は1868年(慶應4)に勃発した鳥羽伏見の戦いの戦跡にもなっており、この地に薩摩藩が陣取り、大手筋を挟んで新選組をはじめとする幕府軍が詰めていた伏見奉行所へ向け砲撃を開始した場所としても有名です。
乃木神社
1916年(大正5)に明治天皇御陵の麓に創建され、日露戦争で武功をあげ、明治天皇崩御の際に夫婦で殉死した乃木希典命、乃木靜子命をお祀りしており、境内宝物館には乃木大将を偲ぶ展示がされています。
文武両道と子供守護にご利益があります。
境内には勝ち運の縁起水として知られる「勝水」があるのですが、2025年1月訪ねた際は、枯渇したのか?「水は出ません」という貼り紙で覆われて全く出ていませんでした。
御本殿の手前には狛犬とさらに2対の馬像が安置されており、「勝水」の横には「勝ちま栗」の小さな祠があります。
御香宮神社からかつて伏見城があったとされる明治天皇御陵方向へ坂道を歩いて10分くらいの距離で、立派な楼門から参道は右に弧を描く珍しい参道、そして軍国主義色の雰囲気が境内には漂います。
藤森神社
伏見五福めぐりの最北に位置する藤森神社は乃木神社から歩いて約35分の距離にあり、他四社が比較的近くにあるのに対し、一社だけ離れた場所にあります。
藤森神社は勝運、開運のご利益があり、素戔嗚尊、舎人親王、早良親王をはじめとする12柱の神々をお祀りする神社で伏見五福めぐりのなかでは御香宮神社と並んでお正月は初詣参拝者が多い神社で御本殿まで長蛇の列ができます。
またここ数年は、伏見五福めぐりの色紙も正月早々に授与する上限に達して終了してしまうほどで他にも刀剣御朱印など限定御朱印が人気の神社として有名です。
境内には伏見名水のひとつ「不二の水」という御神水が湧き、勝運を授ける水として有名です。
5月の駈馬神事、6月の紫陽花まつりなど四季を通じて多くの参拝者で賑わう神社で、特に競馬関係者、競馬ファンにとっての聖地にもなっており、必勝祈願自動販売機が設置されるなど、特に勝運を授かるために参拝に訪れる人が多いことで知られています。
他にも境内には5月5日に開催される、菖蒲の節句発祥の祭として有名な藤森祭で飾る武者人形に藤森の神が宿ると云われ、その象徴としての神鎧像や藤森七福神像、神功皇后御旗塚などがあります。
京阪藤森駅から帰路へ
藤森神社を参拝後、Kyotaroは京都市内方面へ帰るので歩いて約10分の京阪藤森駅を目指して歩きました。
京阪藤森駅は各駅停車しか停まらない駅ですが、祇園四条駅まで約10分の移動時間です。
途中、同じく各駅停車しか停まらない伏見稲荷、東福寺からは多くの初詣客が乗り込んできますが、同じだけ下車する人もいますので車内の混雑は10分ほど我慢しましょう。
今回の伏見五福めぐりはすべて歩いて巡ったのですが、京阪中書島から京阪藤森まで区間にして4区間を約3時間でいろいろ歩いたことになります。
歩数にして約15,000歩といったところですね。
名水と歴史と酒蔵の町、伏見を歩いて半日でめぐる
今回、伏見五福めぐりで歩いたのは、伏見を南(京阪中書島)から北(京阪藤森)へと北上するルートです。
既に紹介の通り、京阪中書島駅から次の伏見桃山駅、その次の丹波橋駅と2駅間にかけて4社寺が点在しており、大手筋を経て比較的巡りやすいのですが、藤森神社だけやや離れた場所にあるため、30分以上歩くことになります。
ここでは伏見五福めぐりをしながら楽しめる伏見の見どころを紹介します。
京阪中書島から長建寺、大黒寺へ
京阪中書島の北改札口を出るとまず、酒処伏見を思わせる酒樽のミニチュア、そして坂本龍馬がお出迎えしてくれます。
まず、長建寺へと向かう街並みは古く、伏見の歴史を感じさせる雰囲気があります。
京阪中書島から歩いて5分くらいで長建寺に到着と既に紹介の通り、宇治川派流へと到達します。
ここは毎年3月下旬から12月上旬まで宇治川派流を「伏見十石舟」で水運めぐりが楽しめます(※初詣時期は休業期間)。
宇治川派流沿いに水運と月桂冠の酒蔵の景観を楽しむこともでき、途中寺田屋近くの水運沿いには坂本龍馬とおりょうの銅像もあり、この地から龍馬は寺田屋事件のあと、鹿児島への湯治旅、俗にいう日本最初の新婚旅行に旅立った港があります。
そしてなんといっても新京都百景の第一号に選出された酒蔵(月桂冠)の風景に代表されるとおり、月桂冠大倉記念館や黄桜カッパカントリーなど昔ながらの酒蔵の風景や坂本龍馬ゆかりの史跡、寺田屋などが点在しており、いきなり伏見の観光ハイライトが広がります。
伏見の繁華街、大手筋方向に続く龍馬通りには個性豊かな飲食店が並び、日本酒なども楽しめ、伏見十八蔵の酒が飲み比べができる「伏水酒蔵小路」のきき酒セットなどいかがでしょうか。
一旦、大手筋を通過して北上、2つめの御朱印を求めて大黒寺へと進みます。
大黒寺から御香宮神社へ伏見を歩く
大黒寺へ到着すると向かい側には金礼宮というお寺があり、道を挟んだ真向かいなのでぜひこちらも併せてお参りしましょう。
金礼宮(きんさつぐう)は観阿弥の謡曲「金札」にも登場する、伏見で最も古い神社のひとつで霊験あらたかな天太玉命(白菊翁・白菊大明神)を祀り、境内には京都市天然記念物のクロガネモチの木がある、開運と幸運にご利益があります。
大黒寺では本堂と併せて境内墓地にある薩摩九烈士の墓、平田靱負翁の墓も併せて参拝しましょう。
そこから再び大手筋方向に戻りますが、その際は、伏見の町を南北に走る、新町通、両替町通、そして京町通と3つ並走する通りのうち、両替町通を南方向、大手筋へと進むと大手筋の北西角に伏見銀座跡という石碑があります。
こちらは通りの名が物語る通り、豊臣から徳川の時代、都が京都から江戸へと移り行く歴史のなかで徳川幕府の中心がここ伏見にあった時代に「伏見銀座」とよばれる役所を設置して繁栄した街の名残でまさに銀貨と銀を交換していた場所。
大黒寺から御香宮神社へ伏見の歴史を感じながらの街歩きは如何でしょうか?
御香宮神社から明治天皇御陵がある丘へ
大手筋を東に緩やかな坂を上がっていくと京阪伏見桃山駅、近鉄桃山御陵駅を通過、大手筋通に立つ大きな鳥居が見えてきます。
御香宮神社へ到着、境内には鳥羽伏見の戦い跡となった石碑、伏見城大手門を移築した表門などこちらも歴史を感じられる場所になっているので参拝と併せてぜひ堪能してほしい場所です。
御香宮神社から国道24号線を渡ってさらに東、JR桃山駅も通過して行くと明治天皇御陵の入口が見えてきます。
そう大手筋商店街から東に見えていた小高い山は天皇御陵(かつて伏見城があったといわれる場所)だったんですね。
そのまま、道沿いに進むと明治天皇御陵の麓に創建されたという「乃木神社」へと到着です。
乃木神社から藤森神社へ
乃木神社から藤森神社への道がいちばん歩くと時間がかかります。
JR奈良線まで戻り、線路沿いを歩きそのまま国道24号線に出て国道沿いを北上、途中から大和街道へと入り、京阪墨染駅を通過した先に藤森神社があり、乃木神社からKyotaroの足で約35分の徒歩移動でした。
ちなみに40分近くも歩くのはちょっと、という人はJR桃山駅からひと駅だけJRに乗って「JR藤森駅」まで移動するのもあり、ぜひ参考にして下さい。
伏見五福めぐりの詳細と注意事項
●伏見五福めぐり(御香宮神社内・洛南保勝会)
TEL:075-611-0559
〒612-8039 京都府京都市伏見区御香宮門前町174
■開催期間 1月1日~1月15日 ※無くなり次第、色紙授与終了
■開催場所 藤森神社、乃木神社、御香宮神社、長建寺、大黒寺
■受付時間 9:00~17:00
■朱印料 専用色紙授与1,000円(授与社寺の御朱印含む)
※朱印料1社寺500円 ※すべて集めると3,000円
■アクセス
・藤森神社:京阪「墨染」駅下車、徒歩5分
JR奈良線「藤森」駅下車、徒歩10分
駐車場あり(有料)
・乃木神社:京阪「伏見桃山」駅下車、徒歩15分
近鉄電車「桃山御陵前」駅下車、徒歩13分
臨時駐車場あり(無料)
・御香宮神社:京阪「伏見桃山」下車、徒歩約5分
近鉄「桃山御陵前」下車、徒歩約3分
駐車場あり(有料)
・長建寺:京阪電車「中書島」下車、徒歩5分
市バス「中書島」下車、徒歩3分
駐車場なし※周辺コインパーク利用
・大黒寺:京阪「丹波橋」駅下車、徒歩5分
近鉄「丹波橋」駅下車、徒歩5分
駐車場なし※周辺コインパーク利用
まとめ
2年ぶりの伏見五福めぐり、今回は五社寺すべてを歩いてめぐりました。
混雑を含めて3時間半くらいですべて回れたので途中、食事したり観光も兼ねて回るとそれでも半日あれば巡れてしまうおすすめルートです。
Kyotaro個人的には正月で蓄えたカロリーを少しでも消費できるよう、健康面を考慮したウォーキングを兼ねた「伏見五福めぐり」となりました。
京都市内中心の観光地に比べて初詣客、観光客が少ないエリアではあるので混雑を避ける意味でもおすすめの御朱印めぐりです。
同じ伏見にはあの「伏見稲荷大社」があり、初詣の参拝者数も全国区なため、そういう視点からも比較的マイペースでまわれるのが「伏見五福めぐり」の魅力です。
伏見の酒を楽しみながら、各社寺では伏水の名水にもふれて、坂本龍馬をはじめ幕末の志士たちも駆け巡った歴史を体感できる、そんな伏見のおすすめコンテンツの紹介でした。
※近年注意したい、色紙が期間途中で授与分をすべて完売してしまうことを鑑みて、できれば正月3日くらいまでに色紙は長建寺、大黒寺あたりでゲットしたいですね。
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