京都在住のブロガーKyotaroです。
2019年9月に続き、2020年10月も貴船神社を訪れて来ました。
2019年10月の台風による土砂崩れによって現在、公共交通機関によるアクセスが不便な状態になっています。
2019年の台風被害、2020年は春先からコロナウイルスによる打撃を受けた「京の奥座敷」と呼ばれる観光名所の今をお伝えします。
貴船神社・本宮の神水で水占いみくじ
「貴船」は古来より避暑地としても人気のエリアで夏の「川床」は京都の夏の風物詩のひとつになっています。
自然豊かな環境に恵まれた貴船にある貴船神社は「縁結び」のパワースポットとして人気があり、特に女性に人気があるのが最近、テレビ等でも話題の“水占いみくじ”です。
京都でも有数の古社として有名で677年(白鳳6)にはすでに御社殿が造られていたといい、御所の真北に鎮座するため、“京都の水源の守り神”として厚い信仰があります。
貴船神社の由来について
貴船神社は水徳神・高龗の神を祀る旧官幣中社で社名を“木船”“貴布弥”とも書かれたが、明治期に「貴船」と改称。
平安時代延喜の制には、名神大社という最高位の格別に列し、国家の有事の際には必ず勅使が差し向けられ、祈念が込められた由緒ある神社だったのです。
かつては現在の奥宮の場所にあったといいますが、1055年(天喜3)に現在の地に移されたと云われます。
本宮境内には古来より祈雨の行事が行われてきた雨乞の滝、奥宮本殿西側には船形石と呼ばれる巨大な船の形に積まれた石塁があり、和泉式部がお詣りして不和の夫と復縁、願いが叶ったという話は有名です。
貴船の由来は氣生根(きふね)、氣が生ずる根源地
貴船は“きぶね”ではなく“きふね”と読み、その由来は「氣生根」から来ています。
“神様の氣に触れることで元気に甦る”という意味が込められており、古来より神聖な氣が生まれる場所として信仰があります。
清らかで神聖な氣=パワーに触れることで「運氣隆昌」のご利益を授かれることから京都屈指のパワースポットとしても有名です。
貴船神社は実は“絵馬発祥の地”でもある?
貴船神社・本宮は大鳥居をくぐり抜け、長い石段を上がっていくと境内に辿り着きます。
境内に入ると手水舎の横に2頭の馬の像があり、“絵馬発祥の地”と書かれた看板があります。
古来より貴船神社は雨乞の社としても有名であり、歴代天皇より旱天(ひでり)には黒馬、霖雨には白馬、又は赤馬をその都度献げて祈願する慣例になっていたと云います。
平安時代の頃からは生き馬に変えて「板立馬」を奉納していたという文献が残されており、これこそが“絵馬の原形”と言われているのです。
湧き出る御神水で占う“みくじ”
貴船神社・本宮前にある湧水はいつも人だかりができています。
そのお目当ては若い女性を中心に人気のある「水占いみくじ」でこんこんと湧き出る御神水に水占みくじの用紙(200円)を浸けると、文字が浮かび上がるというもの。
一応「水占いみくじ」に付いてるQRコードをスキャンすることで結果を携帯でチェックすることもできるようになっています。
いかにも水徳神・高龗の神をお祀りする神社ならではの“みくじ”です。
しかもここの“みくじ”は本当に良く当たる、といわれ、それを知ってる参拝者も多いのか、大喜びする人、がっかりする人、様々です。
貴船神社・奥宮に伝わる“龍穴”の伝説とは?
貴船神社奥宮は本宮からさらに徒歩約15分上流に鎮座、貴船神社の創建地で玉依姫命(たまよりひめのみこと)が黄色の船に乗り大阪湾から川を遡って辿り着いた地でもあります。
もともと現在の奥宮に本宮があり、奥宮手前を流れる「思ひ川」で身を清めてお参りをしていたといいます。
本宮よりさらに上流にあり、静かで深い自然に囲まれた境内は神秘的なオーラに包まれた神聖な場所、という印象を受けました。
日本三大龍穴のひとつが奥宮にある?
「奈良室生」「岡山備前」と並ぶ日本三大龍穴のひとつに数えられる“龍穴”が奥宮本殿の真下にあるといわれています。
1861~1863年(文久年間)の奥宮本殿修理の際に大工があやまってノミをこの穴に落としたところ、急激に空が曇り出し、突風とともにノミが空中に噴き上げられたといいます。
まさに神聖で強大な力を噴出する“龍穴”があることから、この奥宮も神聖なパワースポットとなっています。
※奥宮本殿地下にあるので“龍穴”を見学することは出来ません。
玉依姫命が乗っていた「黄船」が隠されている「御船形石」
奥宮本殿の西側にあるのが「御船形石」で玉依姫命(たまよりひめのみこと)が乗っていたと伝わる「黄船」がこの石組みの中に隠されている、という伝説があります。
古の時代、五世紀初頭に玉依姫命(神武天皇の母)が黄船に乗って浪速から淀川、鴨川、貴船川を遡り、この地に上陸して祠を造り、水神を祀ったのが貴船神社の起源といいます。
この「御船形石」の積石を持ち帰ると航海安全にご利益があると言われています。
和泉式部も身を清めたという「思ひ川」
貴船神社にはあの和泉式部がお詣りして不和の夫と復縁、願いが叶ったという言い伝えが残っています。
貴船神社は当時、この奥宮が本宮であり、参拝者はこの川で身を清めてから参拝していたと言います。
この谷川は禊の川、物忌の川であり、和泉式部もここで身を清めて恋の成就、夫との復縁を祈ったという言い伝えがあります。
禊の川であった「おものいみ川」が和泉式部の恋話と重なっていつの間にか「思ひ川」と呼ばれるようになったそうです。
貴船神社・結社は京都随一の縁結びパワースポット
貴船神社本宮での“水占いみくじ”を紹介、縁結びのパワースポットといいましたが、その貴船神社“縁結びパワースポット”の中心がこの中宮こと“結社”です。
御祭神は磐長姫命(いわながひめのみこと)。
特に参拝方法が決まってるわけではありませんが、本宮→奥宮→中宮(結社)の順に参拝する人が多いようです。
最後に縁結びのパワースポットで締め括ろうというところでしょうか?
結社に伝わる磐長姫命の伝承
その昔、神武天皇の曽祖父にあたる瓊々杵尊(ににぎのみこと)が木花咲揶姫命(このはなさくやひめのみこと)を娶る際に父親である大山祗命(おおやまずみのみこと)は、姉の磐長姫命(いわながひめのみこと)も一緒に嫁ぐことを勧めました。
でも瓊々杵尊は木花咲揶姫命だけ娶ることを望んだため、磐長姫命はそれを恥じて「吾ここに留まりて人々に良縁を授けよう」とこの地に鎮座されたといいます。
以来、縁結びの神「恋を祈る神」としての信仰が篤く、和泉式部も切ない心情を歌に託し祈願したという話は有名であり、境内には和泉式部の歌碑が建てられています。
古来の習わしが変わった「結び文」
結社ではかつて細長い葉を玉垣に結び付け、縁結び祈願をしていたのですが、現在は細長い緑色の「結び文」に願い事を書き、「結び処」に結んで祈る習わしに変わっています。
磐長姫命は恋愛のみならず、友人、仕事上のパートナーなど人生におけるあらゆる良縁を導いて下さるのです。
人と文化を結ぶ象徴としての船
結社の境内には大きな船の形をした岩「天乃磐船」があります。
貴船の山奥より出土したという船形の自然石で京都市内の造園業者より奉納されました。
船は古来より唯一の交通機関として人と人、文化と文化の交流=結ぶ役割を果たしてきたので縁結び信仰とも関わりがあります。
奥宮の「御船形石」伝説にもあるとおり、神聖な乗り物として貴船神社との関わりも深いと考えられているのです。
貴船神社のアクセスと駐車場について
■貴船神社
TEL075-741-2016
〒601-1112 京都府京都市左京区鞍馬貴船町180
拝観時間 6:00~20:00 (5月1日~11月30日)
6:00~18:00 (12月1日~4月30日)
拝観料金 参拝無料 ※年中無休
アクセス 叡山電鉄/貴船口駅下車、京都バス乗換「貴船」下車
※貴船口駅から徒歩の場合は約30分(2km)かかります。
※2020年10月現在、市原~鞍馬間を叡山電車は運休中。注意。
※市原~鞍馬間は京都バスが代替輸送を行っています(別途運賃170円)
駐車場 あり 本宮10台/奥宮25台
※2時間500円有料駐車場あり
※止められる台数が多くないので注意
まとめ
貴船神社の本宮・奥宮・結社の紹介をさせて頂きました。
和泉式部ゆかりの地、そして京都随一の縁結びパワースポットとして人気があります。
また夏場は川床も有名で敷居の高いイメージがありますが、最近はちょっとしたカフェを楽しむ感覚で川床を体験出来たりもするので若者にも人気のスポットになっています。
2018年の台風で貴船神社も被害を受け、2019年の台風によって貴船神社への便利な交通機関である叡山電鉄の沿線も土砂崩れで被害を受けました。
※叡山電鉄は市原~鞍馬間が運休しており、その区間を京都バスが代替輸送運行中(2020年10月現在)
2020年はコロナ感染拡大の影響も受けて非常に厳しい環境が続いてますが、街をあげて観光振興に取り組んでおられる貴船はKyotaroの2020年秋のおすすめスポットです。
ぜひ、あなたもお越しくださいませ。
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