“京都はんなりずむ”を訪れて頂きありがとうございます。
京都在住のブロガーKyotaroです。
今回は京都街中にある通常非公開の庭園が2023秋に開催の特別拝観で初めて公開されるということで行ってきた時の様子を紹介します。
心和山光清山、秋の特別拝観が2023年11月23日から11月26日まで4日間限定で公開されたのです。
お目当ては境内の庭園「心和の庭」で作庭者はあの重森三玲氏。
重森三玲の世界観に浸りながら心静かに庭園を眺める時間を堪能してきました。
光清寺「秋の特別拝観」の見どころについて
光清寺は1669年(寛文9)に創建された通常非公開、臨済宗建仁寺派の禅寺です。
非公開寺院なので初めて聞く、という人も多いと思うのですが、普段は月例で体験・催しとして坐禅体験やヨガ、子供書道教室を開催するなど地域の方々には馴染みのある近所のお寺、のような存在です。
そんな光清寺が2023年11月23日(祝)~26日(日)まで4日間限定で秋の特別拝観を行いましたので見どころを紹介します。
山号にちなんだ「心和の庭」は重森三玲氏が作庭
光清寺の山号にちなんで命名されたという「心和の庭」は境内・本堂の東側に広がり、東正面の白壁、庭園南側の竹垣という作庭家の重森三玲氏ならではの感性を感じることができる空間になっています。
重森三玲氏は設計に際し、山号の心和山が心字の主題であることから、心字型の枯山水庭園を意図的に作庭しました。
心の字を表す四つの島はそれぞれ「蓬莱」「方丈」「瀛洲(えいしゅう)」「壺梁(こりょう)」の四島に見立て、石組を三尊石組と七五三配石に合わさった心字式の枯山水庭園構成になっており、禅寺の庭園に相応しい簡素な庭が広がります。
本堂の軒先に座って心静かに庭園を眺め、正面の白壁、そして南側の竹垣の模様を見ていると重森三玲氏が何か語りかけてくれているような気持ちになり、東福寺塔頭寺院の「龍吟庵」の庭園をふと思い出してしまいます。
心月庭
山門から受付玄関へ向かう途中右手、庫裏の前にある見事な竹垣に囲まれた空間があり、こちらは「心月庭」と呼ばれています。
もともとあったクロマツが枯れた後、1974年(昭和49)に重森三玲氏によって作庭されました。
白砂台を設けた石組を金閣寺垣で囲う、重森三玲氏の独特の世界観がここでも感じることができます。
鐘楼堂
玄関前に建つ立派な鐘楼は存在感があり、1967年(昭和42)に建てられた総ケヤキ造の建物。
鐘は黄鐘調の音色を放ちます。
鐘楼堂の横には見事な松の木があり、まるで鶴が飛び立つ時のような立派に手入れされた様子は必見です。
山門
1986年(昭和61)に鐘楼堂と同じ総ケヤキ造の比較的新しい門で建仁寺管長湊素堂老師を導師に招き、建仁寺をはじめ縁のある寺院や檀信徒が参列しての落慶法要が執行されました。
お寺の山門としては比較的小さい建物ですが、新しいこともあり、凛とした佇まいで拝観者を迎え入れてくれます。
鎮守弁天堂
1918年(大正7)に再建された鎮守社で弁財天の両脇に稲荷大明神、愛宕大権現が祀られています。
山門入ってすぐ左手に鎮座。
お茶席
今回の特別拝観にあわせて書院に作られたお茶席でお茶と茶菓子を拝観料800円にプラス600円で楽しむこともできます。
茶菓子は浮かれ猫のイラストが入ったオリジナルの干菓子、聚楽という塩芳軒の焼菓子を頂きました。
浮かれ猫は境内にある有名な江戸時代の絵馬「浮かれ猫」を可愛らしいキャラクターにしたもののようです。
光清寺境内で重森三玲の世界観に浸る
光清寺の庭園「心和の庭」はすでに紹介の通り、重森三玲氏が手掛けた心字の庭園です。
心字の庭園自体が江戸時代に入ってからの伝承と云われ、その特徴は最初から意図して作庭し、完成されたものはひとつもない、ということです。
特に枯山水には、その伝承すらなく、最初から作庭意図を用いた本格的な心字庭こそ「心和の庭」が初めてのものであり、他に類を見ない創作庭園として有名です。
心字四島は一番大きな大島が「蓬莱島」、最初の一点が「方丈島」で後の小島が左から「瀛洲島」「壺梁島」と呼ばれています。
また全庭の白砂は海を表現しており、一木一草を用いず、枯山水発想の意図を尊重、禅寺の庭としての風格を表現することに注力したことが伺えます。
また重森三玲氏の庭園でよく見られる竹垣にも注目したいのですが、心和の庭の南側の竹垣は心字の抽象的なデザイン、外は本山にちなみ建仁寺垣となっている点にも注目したいポイントです。
光清寺へのアクセスと駐車場について
●心和山光清寺(通常非公開)
TEL:075-841-5630
〒602-8359 京都府京都市上京区七番町339
■特別拝観 2023年11月23日~26日4日間
■拝観料金 秋の特別拝観800円 ※通常非公開
■拝観時間 10:00~16:30(受付終了16:00)
■アクセス 市バス利用が便利、最寄バス停「千本出水」
・京都駅より206系統乗車「千本出水」下車、徒歩3分
・四条河原町から10、46、201系統乗車「千本出水」下車、徒歩3分
・地下鉄東西線「二条駅」下車、徒歩約20分
・JR嵯峨野線「二条駅」下車、徒歩約20分
■駐車場 檀信徒専用あり(3台)
※駐車場は周辺コインパーク利用
※光清寺の周辺は昔ながらの住宅街で道路も狭く、一方通行が多い京都ならではの入り組んだエリアなので慣れてない人は特に注意して運転をしましょう。細い路地から突然自転車が出てきたり、人が出てきたりと細心の注意が必要です。
まとめ
今回は普段は非公開で拝観することができない「光清寺」秋の特別拝観へ実際にって来た時の様子を紹介させて頂きました。
個人的にも重森三玲氏の庭園を今まで複数見てきたので、今回の初公開を聞きつけ、実際に拝観してきました。
重森三玲氏の庭園はいつも静かな環境の中で拝観できる寺院が多く、東福寺塔頭寺院の光明院や龍吟庵、松尾大社など京都にはたくさんの重森三玲氏が作庭した庭園があります。
「光清寺」も京都古来の住宅街、上京区にあるため、やや場所が分かり辛いのですが、またいずれ特別拝観があるかどうか?わかりませんが、開催されたときはぜひ訪ねて頂きたい寺院として紹介させて頂きました。
コメント