京都在住のサラリーマン・ブロガーKyotaroです。
10月15日に鞍馬寺を訪れましたが、本来は10月14日に秋の大祭が行われる予定でしたが、2020年は新型コロナウイルス感染拡大予防のため中止となりました。
鞍馬寺は例年であれば10月中旬以降、11月にかけての紅葉シーズンは多くの観光客で賑わうのですが、2020年は秋の大祭中止の影響もあるのか、参拝客もまばらでした。
秋晴れのもと、運動を兼ねて鞍馬寺本殿から鞍馬山から貴船へと向かう鞍馬寺奥の院まで行って来ました。
大天狗と牛若丸伝説が残る「鞍馬天狗」の舞台「鞍馬寺奥の院」の魅力に迫ります。
鞍馬寺奥の院に残るという天狗と牛若の足跡を辿ってみる
鞍馬寺の「本殿金堂」は京都最強のパワースポットと「鞍馬寺遍」で紹介しました。
本殿金堂前にある六芒星を模った「金剛床」は全宇宙のエネルギーを授かることができるスポットとして有名ですね。
本殿金堂西側にある光明心殿の先へと進むと「鞍馬寺奥の院」へと続く参道の入口があります。
ここから先は本格登山道を少し登って、貴船方面へと下って行くルートになるので服装と靴に注したいですね。
女性のハイヒール、まずアウトです。
霊宝殿と冬柏亭
本殿金堂の奥にある「鞍馬寺奥の院」参道入口より徒歩5分以内で霊宝殿が見えてきます。
ここは有料で200円の入館料が別途必要です。
霊宝殿は別名・鞍馬山博物館とも呼ばれ、1階は自然科学博物苑の展示室があり、2階が寺宝展観室、与謝野寛・晶子の記念室があります。
そして3階が仏像奉安室となっています。
また鞍馬山はまるで山全体がミュージアムのように随所に解説看板があり、立ち止まってゆっくり探訪できるようになっています。
霊宝殿の向い側には書斎が移築された状態で展示されていますが、与謝野晶子のものでこちらが「冬柏亭」です。
霊宝殿近くには与謝野晶子・寛の歌碑もいくつか建っています。
息つぎの水
霊宝殿から先は自然の登山道が続き、いよいよ険しい奥の院参道が始まります。
途中、参道沿いには牛若丸が天狗に兵法を習う際の通りすがりに湧水を飲んでいたとされる「息つぎの水」があります。
深夜、真っ暗がりの中、ひとり奥の院参道を急ぎ、天狗のもとへ向かう通り道だったのです。
今でも静かな参道に立っているとそよ風とともに牛若丸が走りぬけたように感じます。
屏風坂の地蔵堂
険しい奥の院参道の途中に現れる地蔵堂を「屏風坂の地蔵堂」と呼びます。
背比べ石
牛若が奥州平泉の藤原秀衡を頼り、鞍馬寺を出奔する際に名残を惜しみ、背比べをした石という伝承があります。
平家が自らの父親の仇であることを知った牛若丸の一大決心を見守った史跡です。
今でもひょっこり牛若丸が現れて背比べをしてそうな気にさせられるのはKyotaroだけでしょうか?
木の根道
牛若丸の兵法修行地のひとつで有名なのが木の根が地表面にアラベスク模様を描く「木の根道」です。
鞍馬山の険しさを表す代名詞にもなっており、「木の根道」=「牛若丸修行の地」という印象があります。
このあたり一帯の砂岩が灼熱のマグマ貫入によって硬くなってしまい、木の根が地中に根を張ることができなかったことによる現象と云われます。
大杉権現社
「木の根道」の先に100mほど進んでいくと現れるのが「大杉権現社」です。
大杉苑瞑想道場とも呼ばれていましたが、2019年の台風被害によって堂舎は現在倒壊しており、祭壇だけが残っています。
「大杉権現社」は護法魔王尊のエネルギーが非常に高い場所としても知られています。
僧正ケ谷不動堂
「僧正ケ谷不動堂」は大天狗と牛若丸が初めて出会った場所として伝わる聖地。
周囲は静かで神秘的な雰囲気が漂う森でまさに浄域を感じさせる神聖な場所という印象があり、その地に建つ不動堂です。
僧正ケ谷不動堂内には、伝教大師・最澄が天台宗立教の悲願のため一刀三礼を尽くし刻んだという不動明王が泰安されています。
義経堂
頼朝軍に追われ奥州で非業の死を遂げた義経の魂が舞い戻ったとされる鞍馬山の僧正ケ谷。
義経の心の中には幼少期に大天狗と修行したこの地を懐かしく思う心の拠り所があったのでしょう。
僧正ケ谷不動堂のすぐ傍らにあり、その名の通り、義経の御魂が遮那王尊として祀られています。
魔王殿
「奥の院魔王殿」は今から約650万年も昔、太古の時代に金星から護法魔王尊が降臨した磐坐、磐境として崇拝されてきた歴史があります。
鞍馬寺奥の院の信仰の中心地であり、鞍馬山にまつわる伝説はこの地から始まったのです。
まさにパワースポットの根元地と言っても過言ではなく、仁王門から登山してきて貴船方面へと続く山の反対側にある、本殿金堂とならぶ聖地です。
鞍馬寺奥の院にある僧正ケ谷に残る「鞍馬天狗の伝説」
鞍馬寺奥の院に伝わる「鞍馬天狗の伝説」は源義経幼少期の武勇説話を説いたもの。
ある日、鞍馬山の東谷の僧は西谷の花見に招かれて修行中の稚児平家の公達を連れて出かけました。
稚児平家の公達の中には牛若丸も含まれていたといいます。
花見の途中に見知らぬ山伏がやって来たので気を悪くして僧と稚児平家の公達は帰ってしまいますが、牛若丸はただ一人その場に残っていたと云います。
牛若丸の素性を知り憐んだ山伏は諸所の花の名所を案内しながら自らが「大天狗」であることを牛若丸に伝えました。
そして大天狗は牛若丸に「平家討滅の望みを達せられるよう、兵法の秘伝を授けよう」と言い、翌日から激しい修行の日々が始まったといいます。
激しい修行の末、兵法を授かった牛若丸に大天狗は再会を約束してその場を立ち去り、牛若丸は源義経として父の仇である平家討滅を心に誓い、鞍馬山を出奔する決意をします。
のちに壇ノ浦合戦で義経が平家を討ち滅ぼしたことは誰もが知る史実ですが、義経(牛若丸)が鞍馬山を出奔し、平家討滅を誓わせたのは“大天狗”こと護法魔王尊だったのです。
今でも老杉が高く聳え立ち、巨根地を這う神秘的な雰囲気が漂うこの僧正ケ谷で牛若丸が天狗僧正坊から武芸を習い、修行してる姿を思い起こさせる聖地です。
鞍馬寺奥の院へのアクセスと駐車場について
■鞍馬山鞍馬寺(奥の院)
TEL:075-741-2003
〒601-1111 京都府京都市左京区鞍馬本町1074
愛山費 高校生以上300円
※霊宝殿入館料は別途200円(毎週月曜、冬季休館)
※ケーブル寄進は大人片道200円、小人片道100円
拝観時間 9:00~16:30
アクセス
京阪電鉄終点「出町柳駅」から叡山電鉄で「鞍馬駅」下車、徒歩2分で鞍馬寺仁王門へ。
京阪電鉄終点「出町柳駅」から叡山電鉄で「貴船口駅」下車、京都バス乗換「貴船」下車、徒歩5分で鞍馬寺西口へ。
※2020年10月現在、市原~鞍馬間を叡山電車は運休中。注意。
京都バス「国際会館」より「鞍馬」下車、徒歩2分。
駐車場 専用なし、周辺有料駐車場を利用。
まとめ
大天狗と牛若丸の伝説が残る鞍馬山について今回は奥の院の見どころを紹介させて頂きました。
ハイライトは魔王殿、僧正ケ谷不動堂、そして木の根道ですね。
山全体がパワースポットといわれ、神聖なパワーを鞍馬山のあちらこちらで感じるスポットがたくさんあります。
京都最強のパワースポットの秘密は鞍馬山にあるのではなく、日本人の心に根付く源平合戦の歴史を繰り広げた中心人物である源義経(牛若丸)にあるのかもしれません。
鞍馬寺本殿金堂と鞍馬寺奥の院魔王殿、このふたつが鞍馬山がパワースポットである象徴です。
鞍馬寺奥の院魔王殿に行きたい人は貴船側の西門入口から入ったほうが近くて便利です。
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