京都在住のブロガーKyotaroです。
今年の梅雨はなかなか明けず、九州地方をはじめ各地で豪雨被害が出ており、一日も早い復旧を祈るばかりです。
梅雨が明けると京都にも暑い夏がやってきます。
京都には盆明けの8月22,23日に“京の六地蔵めぐり”という厄病退散を祈願する風習があります。
なかなか終息しないコロナ退散祈願のため「鳥羽地蔵・浄禅寺」にお参りして来ました。
京の六地蔵めぐりのひとつ鳥羽地蔵・浄禅寺
“京の六地蔵めぐり”のひとつ「鳥羽地蔵・浄禅寺」は正式名称を「恵光山浄禅寺」といいます。
浄土宗西山禅林寺派・総本山永観堂の末寺としても有名な寺院で1182年(寿永元)に文覚上人によって創建されたと云われます。
本堂には御本尊の阿弥陀如来立像、観音堂には11面観音立像、そして六角の地蔵堂には地蔵菩薩像が祀られています。
地蔵堂の地蔵菩薩像は平安初期に小野篁卿が一度冥土へ行った際に、生身の地蔵を拝むことで蘇り、一木から六体の地蔵を彫り出したうちの一体であるといいます。
小野篁といえば、平安初期の有名な公卿、文人で夜な夜な冥界の閻魔大王のもとへ出入りしていた(アルバイトしていた?)という変わった人物。
もともと六体の地蔵は京都伏見にある六地蔵・大善寺に安置されていました。
その後、疫病が流行した平安末期の保元年間に平清盛公が西光法師に命じ、京へ出入りする6つの街道口へ分けて安置したのが始まりとされます。
そのうち一体がここ鳥羽街道口に安置され「鳥羽地蔵」として親しまれています。
鳥羽地蔵・浄禅寺で袈裟御前の“恋塚”拝観
鳥羽地蔵・浄禅寺の境内には“袈裟御前”の首塚と呼ばれる五輪石塔があることから「恋塚浄禅寺」とも呼ばれています。
浄禅寺に古くから伝わる平安末期の北面の武士であった遠藤盛遠と渡辺左衛門尉渡の妻であった袈裟御前の「悲恋物語」で現代でいう“不倫関係”にあったんですね。
北面の武士であった遠藤盛遠が袈裟御前に渡辺左衛門尉渡と縁を切るよう迫ったところ、袈裟御前は夫である渡を殺してほしいと遠藤盛遠に持ち掛けます。
操を守るために袈裟御前は自らが身代わりとなって盛遠に殺されてしまうことになります。
自らの罪を恥じ、悔やんだ盛遠は後に出家し“文覚上人”となって袈裟御前の菩提を弔うべく浄禅寺を建立したのです。
この悲恋物語を思いながら境内の“恋塚”を参拝して来ました。
境内は非常にコンパクトなので“恋塚”もすぐわかると思いますのであなたも参拝に訪れたらぜひ“恋塚”も参拝しましょう。
鳥羽地蔵・浄禅寺へのアクセスと駐車場について
■恵光山浄禅寺
TEL:075-691-3831
〒601-8136 京都府京都市南区上鳥羽岩ノ本町93
拝観時間 9:00~17:00
拝観料金 拝観無料
アクセス
市バス/「地蔵前」下車、徒歩すぐ
「鳥羽大橋北詰」下車、徒歩約5分
自家用車/名神京都南ICより約4分
駐車場 境内駐車スペースあり(10台)
まとめ
鳥羽地蔵・浄禅寺は公共交通機関ではやや不便な立地の地蔵尊です。
境内にある「悲恋物語」の舞台“恋塚”に思いを馳せて参拝してみては如何でしょうか?
鳥羽地蔵・浄禅寺の境内はさほど広くありませんが、本堂、観音堂、地蔵堂、手水舎に袈裟御前の恋塚(首塚)と呼ばれる五輪石塔、そして大きなクスノキがたっています。
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