“京都はんなりずむ”を訪れて頂きありがとうございます。
京都在住のブロガーKyotaroです。
今回は「京の冬の旅」で特別公開される鳴虎で有名な報恩寺を紹介。
京都西陣にある豊臣秀吉公や黒田長政公にもゆかりのある寺院でアクセスは市バス利用でないとやや不便な場所にあります。
詳しく見ていきましょう。
報恩寺の特別公開で鳴虎図(複製)と大黒天像を観賞
2022年1月から3月まで開催の「京の冬の旅」の特別公開で実に8年ぶりの公開となる京都西陣にある「報恩寺」へ行ってきました。
2022年干支の寅にちなんで縁起の良い「鳴虎図(複製)」そして報恩寺では初公開となる「大黒天像」を観賞。
見どころ満載の報恩寺の紹介です。
報恩寺の特別公開
今回は「京の冬の旅」特別公開で「鳴虎図」と「大黒天像」が公開されるとのことで拝観してきました。
境内は堂内が一切の撮影禁止のため庭園など屋外での写真が中心となります。
庭園は方丈庭園、中庭ともに下りて観賞することができます。
庭園はともに手入れが行き届いた美しい庭園でした。
中庭の池には6匹の人面魚の鯉が泳いでる、と書かれてますが池の上に緑の防護ネットがかけられてるので見つけるのは困難でしたね。
寺院の入口横には鎌倉時代の作と云われる阿吽の仁王像が二体安置されていますのでお見逃しなく。
他にも境内には地蔵堂や稲荷大明神などがありますので併せてお参りしましょう。
堂内の撮影はかないませんが、庭園をはじめ見応えのある寺院です。
鳴虎図(複製)
今回の特別公開のメインのひとつが「鳴虎図」で今回は複製画の観賞となりました。
「鳴虎図」原本が公開されるのは寅年の元旦から1月3日までの3日間限定、12年間のうちの3日間という非常に稀な機会となっています。
2022年「京の冬の旅」期間の第一期1月8~16日までは鳴虎図の原本が特別公開されましたが、1月17日以降3月18日までは「鳴虎図」の複製画の展示となります。
報恩寺の鳴虎図は中国伝来の掛け軸であり、豊臣秀吉が報恩寺を訪れた際にとても気に入って「聚楽第で観賞したい」と持ち帰ります。
ところが夜中になると虎の鳴き声がやまず、秀吉は一睡もできなかったため「この虎は鳴き虎じゃ、すぐに寺へ返せ」と翌朝には報恩寺に「鳴虎図」を返すよう命じます。
以来、この掛け軸は「鳴虎」と呼ばれるようになり、報恩寺の正式名称にも「鳴虎」の文字が入るようになったといいます。
御本尊である阿弥陀三尊像が祀られる本堂の隣の部屋に掛け軸は寺宝である織田信長公と豊臣秀吉公の掛け軸とともに特別展示されています。
大黒天像(重要文化財)
特別公開もうひとつのメインとなったのが御本尊の阿弥陀三尊像前で特別展示されていた「大黒天像」です。
この「大黒天像」通常は京都国立博物館に寄託されていて、今回は初めて報恩寺での公開となった像でとても珍しい機会に拝観することができました。
「大黒天像」公開は第二期(1月17日~3月18日)期間中の特別展示となっています。
とても小さくて愛嬌のある表情をされた大黒天さまでやや頭が大きい「大黒天像」でした。
“大黒さま”というだけあり“笑顔”で微笑む表情が印象的でした。
撞かずの鐘
報恩寺境内の墓地に鐘楼があり「撞かずの鐘」と呼ばれています。
梵鐘は平安時代鋳造と云われ、奈良時代の形式を踏襲しています。
もとは織物で有名な西陣で朝夕の仕事の交代時刻を告げる鐘として使用されていました。
「撞かずの鐘」と呼ばれるようになったのには逸話があり、西陣織屋の子供がその日に鳴る鐘の回数を当てる競争をしていたところ、一人の子供がお寺と回数を示しあわせるというズルをしていました。
結果、負けた子供が鐘楼で首吊り自殺をしてしまい、それ以来、報恩寺の鐘楼は「除夜の鐘」以外は撞くことができない「撞かずの鐘」になったのです。
現在も大晦日に参拝者が「除夜の鐘」を撞くことができます。
報恩寺の由緒
京都西陣の報恩寺は通常非公開で普段は事前に予約しないと拝観ができない寺院です。
正式名称は「尭天山 佛牙院 鳴虎 報恩寺」ですが、開創(室町時代)当時は「法園寺」や「法音寺」と呼ばれていたそうです。
創建当時は一条高倉に存在していたことが織田信長が狩野永徳に描かせた「洛中洛外図」から伺えます。
天台宗の寺院として開創されますが1501年(文亀元)に後柏原天皇の勅命により慶譽(けいよ)が再興した際に浄土宗に改宗されました。
1585年(天正13)豊臣秀吉の命によって現在の西陣へ移転されますが、享保、天明年間に度々焼失、現在の建造物はそれ以降に再建されたものとなります。
報恩寺(京都西陣)の便利なアクセス方法は?
報恩寺の便利なアクセス方法について紹介します。
今回Kyotaroは阪急京都線「大宮駅」で下車、堀川通まで出て北上して二条城前を通過して今出川通、一条戻橋、晴明神社を超えて約40分で到着しました。
京都の街並みを歩いてみたい、歩くのが苦にならない方には歩くことをおすすめします。
途中には二条城や晴明神社などがあり、併せて観光することもできますしね。
ちなみに堀川通から東に入って報恩寺の看板が見えて通りを北に進むと正面突き当りに壁が見えて一瞬、「???」となりますが、壁を右方向から迂回したら報恩寺の伽藍が見えてきます。
堀川上立売が最寄りのバス停
最寄り交通機関は京都市営バス(市バス)の堀川上立売バス停から徒歩2分の距離にあります。
市バスは京都駅から西賀茂車庫まで堀川通を南北に繋ぐ「9系統」が便利で約13分の乗車時間です。
繁華街の四条河原町からだと「12系統」で約33分乗車時間ですので、効率よく移動するなら大宮まで移動して京都駅から来る「9系統」を利用したほうがいいでしょう。
市営地下鉄烏丸線でアクセス
最寄駅ということになると京都市内中心部を南北に走る市営地下鉄烏丸線の利用が便利です。
京都駅から市営地下鉄を利用して「今出川駅」もしくは「鞍馬口駅」下車で堀川通方向に徒歩約12分というルートです。
最寄り駅といいながら10分以上歩くことになりますし、鞍馬口駅からだと住宅街を通り抜けて堀川通までいかねばならず、道に迷う可能性が高くなります。
報恩寺のアクセスと駐車場について
●尭天山佛牙院鳴虎報恩寺
TEL:075-414-1550
〒602-0066 京都府京都市上京区小川町寺之内下射場579
■拝観料金 京の冬の旅 800円
■拝観時間 10:00~16:30
■アクセス 堀川通からアクセスが便利
・市バス「堀川上立売」下車、徒歩2分
・阪急電鉄「大宮駅」下車、徒歩40分
■駐車場 なし※周辺コインパーク利用
まとめ
今回は2022年「京の冬の旅」で特別公開される「報恩寺」の見どころとアクセス方法についての紹介でした。
秀吉が聚楽第で観賞していたいと思わされるほどの「鳴虎図」は中国伝来の掛け軸で原本にはなかなかお目にかかれませんが、今回はデジタル複製図の観賞となりました。
「鳴虎図」は模写ではなく、デジタル技術を活用した複製図にため、原物の傷や折り目まで精巧に複写されており、まさに“うりふたつ”といった印象でした。
市バスでのアクセスがいちばん便利なため、つい車で行きたくなりますが、残念ながら参拝者専用駐車場はありませんので周辺コインパークを利用しましょう。
次回「鳴虎図」の原本を拝観できるのは寅年を迎える元旦から1月3日ということになりますね。
※報恩寺は通常非公開のため、「京の冬の旅」が終了後は事前に連絡して拝観予約をおこなってから訪れるようにしましょう。
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