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京都在住のブロガーKyotaroです。
11月下旬になると京都の紅葉名勝はピークを迎えます。
今回は京都駅からいちばん近い紅葉名勝、東福寺界隈の紅葉めぐりルートを紹介します。
アクセス便利な人気エリアですが、隠れ紅葉名勝もあります。
東福寺と泉涌寺、正反対の個性を持つ2つの寺院
「大本山東福寺」と「御寺泉涌寺」は京都駅からいちばん近い紅葉名勝として有名です。
京都駅からJR奈良線でひと駅、アクセス抜群の人気スポットですが、東福寺界隈にはたくさんの紅葉名勝があります。
全国的に東福寺が有名になりすぎて実は“東福寺界隈”には東福寺以外にも美しい紅葉を堪能できるスポットがたくさんあります。
まず東福寺と泉涌寺、ふたつの対照的な寺院から紹介します。
京都屈指の人気を誇る紅葉名勝・東福寺の通天橋
東福寺は京都でも屈指の人気を誇る紅葉名勝で“もみじの永観堂”にも匹敵するほどの人気を誇る寺院。
全国的にも有名、その名は海外にも知れ渡り、コロナ前には紅葉シーズンになると国内外を問わず、大勢の観光客が押し寄せるスポットとして有名。
最大の人気を誇るのが東福寺境内外にある紅葉名勝「三名橋」です。
詳しく見ていきましょう。
通天橋
「通天橋(つうてんきょう)」といえば真っ赤に燃え盛るような洗玉澗の紅葉に埋もれるように見える楼閣の景観をあなたも写真やポスターで見たことがあるのではないでしょうか?
「三名橋」のなかで唯一有料となっており、紅葉ピーク期は1,000円の拝観料が必要となります。
例年の見ごろは11月20日頃で洗玉澗という境内を流れる渓谷沿いに美しい圧巻の紅葉絵巻が広がります。
ちなみに「通天橋」とは東福寺境内の方丈と開山堂とを結ぶ廻廊のことで紅葉とのコントラストが美しい景観を作り上げ、偃月橋からの眺めは世界的に有名な写真スポットとなっています。
臥雲橋
「臥雲橋(がうんきょう)」は完全木造の橋ですが、普段は地元住民の生活道路の一部となっており、学生の通学路にもなっています。
そんな臥雲橋が秋の紅葉シーズンになると一変、大勢の観光客で大渋滞となるのです。
そのお目当ては先ほど紹介の「通天橋」と「洗玉澗」の圧巻の紅葉をひと目見るために大勢の観光客が押し寄せるから。
よく見る東福寺の「通天橋」の燃えるような紅葉の景観はこの「臥雲橋」の上から眺望する風景なんですね。
また東福寺境内入口が東福寺駅から臥雲橋を渡った先にあるのでここは通り道にもなっているのです。
※紅葉ピーク期は橋上での写真撮影が禁止となります。
偃月橋
「偃月橋(えんげつきょう)」は1603年に造られた国の重要文化財にも指定されている「日本百名橋」にも選出されている名橋です。
三名橋のなかで唯一、東福寺境外にあり、通常非公開の東福寺塔頭寺院である「即宗院」と「龍吟庵」へと続く橋のため普段は人気がほとんどないスポットです。
先に紹介した「臥雲橋」「通天橋」から見て「洗玉澗」の最上流にあたる橋でここも紅葉が美しいスポットになっています。
「通天橋」や「臥雲橋」に比べると静かで落ち着いた場所になっていますのでぜひ足を運んでみましょう。
※東福寺方丈入口がある「庫裡」横の通路を奥に進むとあります。
御寺泉涌寺・御座所庭園の紅葉
「御寺泉涌寺」は古くから皇室とも深い関わりのある“御寺”として格式の高い真言宗泉涌寺派の総本山寺院で境内いたるところに菊の御紋が見ることができます。
今回、紅葉名所としておすすめしたいのが特別拝観エリアにある「御座所と海会堂」です。
皇室と関わりが深いと紹介したまさに「御座所」と「海会堂」を拝観することができる必見のエリア。
紅葉スポットとしてKyotaroがおすすめしたいのが「御座所庭園」でここの景観は昭和天皇もこよなく愛されたことでも有名な景観です。
東福寺の真紅に染まり、燃えるような情熱的な紅葉とは対照的に美しい庭園に赤、朱、黄色の紅葉グラデーションを心静かに楽しめる場所です。
東福寺ほど観光客が押し寄せないため、比較的ゆったり紅葉を楽しむことができるのでぜひ、泉涌寺まで足を運んで東福寺とは対照的な紅葉を楽しんでみては如何でしょうか?
東福寺界隈の紅葉名勝、隠れスポットも紹介
東福寺界隈にはまだまだ他にも紅葉が綺麗なスポットが数多くあります。
東福寺が有名すぎて脚光を浴びていないのですが、紅葉の美しさは東福寺にもひけを取らないくらい。
まさに観光における“灯台下暗し”ですね。早速紹介していきましょう。
雲龍院
東福寺や泉涌寺の影に隠れてさほど注目を浴びないスポットが御寺泉涌寺別院「雲龍院」です。
東福寺から徒歩10分、泉涌寺からも徒歩2分の場所にあり、併せてぜひ拝観してほしい場所です。
「雲龍院」は皇室ゆかりの写経道場として皇室とも密接な関わりがある寺院で実際に訪ねてみるとわかりますが、小さな寺院ながらもどこか厳かな雰囲気が漂っていました。
五色の紅葉
雲龍院では豪華で華やかな圧巻の紅葉というよりは風情のある紅葉を心静かに楽しむ、と行った方がいいと思います。
その代表が「五色の紅葉」で後ほど紹介する悟りの窓がある「悟りの間」で見ることができます。
廊下から見た正面のふすまがわずかに開いた隙間からグラデーションのように色の異なる“五色の紅葉”を楽しむことができます。
“ふすまのわずかな隙間”の先に広がる景観、というのがいかにも京都らしい風情を?き立てる演出となっています。
蓮華の間しきしの景色
蓮華の間にあるふすまには4つの窓があり、それぞれが額縁の役割を果たし、四つの絵画が並んでるように見える、なんとも粋な計らいが施された場所があります。
「蓮華の間」は「報道ステーション」お天気コーナーで紹介される季節の風物詩として取り上げられたことがあり、お天気お姉さんこと青山愛さんお気に入りのスポットとして紹介されたました。
また「旅サラダ」という番組でも「蓮華の間」に設置された座布団から見える4つの景色が話題となったこともあります。
左の窓から「椿」「燈籠」「カエデ」「松」を主体とした景観をそれぞれ楽しむことができます。
ぜひ、京都に来たら実際に見て頂きたい景観のひとつです。
悟りの窓、迷いの窓
雲龍院の拝観入口からいちばん奥の「悟りの間」にある“悟りの窓”と“迷いの窓”。
正確な真円は禅における“悟りの境地”を表し、眺めることで何かを悟ることができる、といいます。
悟りの窓の前には椅子が置いてあるのでそこに座って同じ目線でこの窓を眺めてみましょう。
京都独特の詫び寂び文化に浸れる瞬間かもしれません。
今熊野観音寺
「今熊野観音寺」は御寺泉涌寺の塔頭寺院であり、西国三十三ケ所第15番霊場、そしてぼけ封じ近畿十楽観音霊場としても有名な由緒ある寺院です。
かつては御寺泉涌寺の規模を凌ぐほどの寺院であったというなかなかのエピソードを持つ寺院なのです。
Kyotaro個人的には“青もみじ”の季節がとても大好きなスポットなのですが、その青もみじが秋には全て紅葉するから秋にも必見のスポットというわけです。
鳥居橋から参道沿いに続く楓並木がとても美しい景観を作り上げています。
本堂、大師堂、ぼけ封じ観音、鐘楼など諸堂と紅葉のコントラストが素晴らしい寺院です。
本堂背後の山の中腹に聳え立つ「医聖堂」はかつて疫病に怯えることが多かった時代に医と宗教がともに手をたずさえ、人類がともに明るく健康に暮らせるようにと、住職の願いを込めて建立された境内伽藍です。
SNSで花手水が話題の東福寺塔頭・勝林寺
近年、SNS映えで拡散され、注目を集める全国の寺院にある花手水。
京都では西山三山のひとつ柳谷観音楊谷寺のあじさい花手水が全国的に有名になりましたが、東福寺塔頭寺院の毘沙門堂・勝林寺も週替わりの花手水で話題の寺院です。
最近はポケモンや鬼滅の刃のキャラ人形まで花手水の傍らに登場し、“インスタ映え”の聖地となっています。
そんな勝林寺の本堂前には大きな「吉祥紅葉」の木があり、12月上旬頃まで朱黄色の独特の色彩をした紅葉を楽しむことができます。
非常に小さな寺院の限られた敷地にその存在感を凛と示す美しい姿に力強さを感じる紅葉としてKyotaroのお気に入り紅葉のひとつになっています。
晩秋から冬の足音が聞こえる12月初旬でも鮮やかな紅葉が楽しめるのでKyotaroはシーズンの締め括りに見に行くことが多い紅葉でもあります。
限定御朱印などお洒落な御朱印でも有名、TwitterやInsutagramによる積極的な情報発信をしておられるのでチェックしてみましょう。
まとめ
今回は京都駅からいちばん近い東福寺界隈の紅葉名勝を紹介させて頂きました。
東福寺がワールドワイドに有名になりすぎてその周辺にある紅葉名所がスポットを浴びず、穴場的な魅力のある場所が多い、まさに“灯台下暗し”のエリア。
京都駅からのアクセス抜群で人気が高い東福寺に人が集中するのを尻目に先に泉涌寺、雲龍院、今熊野観音寺、そして毘沙門堂勝林寺を拝観してから最後に東福寺へ行くのがお薦めのルートです。
東福寺はピークとなる11月中旬から下旬はどうしても参拝客が多くなるので昼間の拝観とライトアップ拝観の合間となる夕方の時間に行くことで少しでも混雑を回避できるかもしれません。
東福寺界隈だけでも充分一日かけて紅葉めぐりを探訪することができるエリアです。
あなたの秋の京都訪問の際に少しでも参考になれば幸いです。
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