京都在住のブロガーkyotaroです。
京都には天台宗の五箇室門跡と呼ばれる寺院があり、そのひとつが曼殊院門跡です。
今回は圓光寺や詩仙堂を訪ねた際に、車を圓光寺近くの駐車場に停めてたまたま歩いて行ける距離に曼殊院門跡があると知り、徒歩で散策がてら訪ねました。
京都には美しい庭園がたくさんありますが、ここの庭園もなかなかのものでした。
お気に入りの庭園について調べるとだいたい“小堀遠州公”ゆかりであることが多いです。
今回は曼殊院門跡の庭園を中心とした見どころとアクセスや駐車場についての紹介です。
曼殊院門跡の見どころは遠州好みの枯山水庭園
京都一乗寺にある圓光寺や詩仙堂を訪ねた際、車を圓光寺近くの駐車場に停めてたら、たまたま歩いて行ける距離に曼殊院門跡があると知って散策がてら訪ねて来ました。
曼殊院門跡は圓光寺より歩いて約15分程度の距離、早い人なら12~13分で辿り着ける距離です。
京都一乗寺の界隈は散策すると史跡など見どころエリアで今回は詩仙堂→圓光寺→曼殊院門跡の順番で参拝してきました。
曼殊院門跡の庭園は遠州好みとのことですが、実際に行ってきた様子をシェアします。
曼殊院門跡の見どころについて
曼殊院門跡は伝教大師の草創に始まり、比叡山西塔北谷に位置することから東尾坊(とうびぼう)と呼ばれています。
ここでは境内の見どころについて歴史的な観点を含めて紹介します。
曼殊院門跡の歴史
曼殊院門跡は別名“小さな桂離宮”とも呼ばれ、1656年(明暦2)に桂宮智仁親王の御次男、良尚法親王の時に現在の地に移ったと云われます。
良尚法親王は曼殊院を御所の北から修学院離宮近くの現在地に移し、造営に苦心されたと云われています。
“小さな桂離宮”と呼ばれ、桂離宮との関連性が高いのは庭園、建築ともに良尚法親王の識見、創意によるところが多い為です。
境内には国宝の黄不動尊、古今和歌集、曼殊院本などが所蔵されており、“織田信長”“武田信玄”“豊臣秀吉”“徳川家康”の直筆書状も展示されていて見応えがあります。
名勝庭園
曼殊院門跡、最大の見どころは“遠州好み”の枯山水庭園で国の名勝庭園に指定されています。
庭園内には“鶴島”と“亀島”があり、鶴島には樹齢約400年の五葉の松があり、鶴をかたどった見事な松となっています。
分かり辛いですが、鶴島の五葉の松の根本にはキリシタン燈籠があり、“曼殊院燈籠”又は“クルス燈籠”とも呼ばれてます。
<松の幹の陰に立つ燈籠>
“鶴島”に対してその奥にある“亀島”は地に這う松がまるで亀のような形をしてることからその名が付けられました。
曼殊院門跡の枯山水庭園は禅の思想と王朝の思想が融合した庭園といわれ、5月初旬には霧島ツツジが真紅に染まる、燃えるような花を咲かせます。
大書院
大書院は江戸時代初期の書院建築となっており、重要文化財に指定されています。
書院の奥には仏間があって御本尊の阿弥陀如来と歴代の位牌がお祀りされています。
仏間はもともと書院上段の間であったが、明治初期の宸殿取り壊しの際に現在の場所に移されました。
大書院から眺める名勝庭園は、目の前に“鶴島”の見事な五葉の松を間近に見ることができます。
小書院
小書院も大書院同様に重要文化財に指定、書院建築の代表的なものであり、富士の形に七宝を配した釘かくしも見事である。
目の前に“亀島”を眺めることができます。
虎の間
大玄関より入って突き当り右手にあるのが虎の間で狩野永徳(桃山時代)による襖絵と云われています。
竹の間
次の玄関にあたる竹の間には江戸時代のものと伝わる版画があります。
孔雀の間
孔雀の間の襖絵は江戸時代中期に活躍した岸駒(がんく)の筆と云われます。
十雪の間
十雪の間にある障壁画は狩野探幽によるもので必見です。
違い棚は様式、用材とも桂離宮のものと同じで同時期に作られたものと云われています。
曼殊院門跡にある幽霊掛け軸とは?
曼殊院門跡の見どころを紹介してきましたが曼殊院にある“幽霊掛け軸”について触れておきたいと思います。
曼殊院門跡の見どころは遠州好みの枯山水庭園にあると言われるのですが、実は大玄関の廊下に“幽霊掛け軸”が展示されており、拝観すれば誰もが見ることができます。
水墨画のような絵ですがよく見てみると“身の毛もよだつ幽霊の絵”が描かれた掛け軸がそこに展示されています。
正直、不意を突かれたように出てくるので一瞬、掛け軸の前で固まってしまいます。
この“幽霊掛け軸”には言い伝えがあって、かつて所持していたある農夫があまりにも家の不幸が続くため、周囲の人に相談したところ、どうやら“幽霊掛け軸”が家にあるからということがわかりました。
その農夫は供養のために“幽霊掛け軸”を寺に納めることをお願いしたといいます。
その時の“幽霊掛け軸”が現在は曼殊院門跡に所蔵されているとのことです。
曼殊院門跡の行き方は?専用駐車場はあるの?
曼殊院門跡は京都市左京区の“一乗寺”と呼ばれるエリアにあり、京都中心街から結構離れた場所にあります。
気になる曼殊院門跡までの行き方と駐車場の情報についてまとめました。
公共交通機関を利用
公共交通機関を利用した一般的な行き方は、
1)京都駅、四条河原町、三条京阪から市バスを乗り継ぐ方法
2)地下鉄烏丸線で「松ヶ崎」まで行き市バスを乗り継ぐ方法
3)京阪電車と叡山電車を乗り継いで「修学院」まで行く方法
と大きく分けて3つの方法があります。
最寄りのバス停は「一乗寺清水町」もしくは「一乗下り松町」となります。
京都の主要ターミナルから市バスが充実していますし、道路渋滞が心配、という人は3)の京阪電車と叡電を乗り継いで行く方法が時間を読むには確実でおすすめのアクセス方法です。
専用駐車場はあるのか?
曼殊院門跡には専用駐車場(無料)があります。スペース的には50台程度はとめることが可能です。
京都市左京区一乗寺は京都中心街からも離れていて、公共交通機関で行っても住宅街を抜けて結構歩かないといけません。
手っ取り早く車で行きたい、という人は車を利用してもいいでしょう。
但し、春や秋のシーズン中は専用駐車場が満車になることもあるので車で行くのであれば朝一番の時間帯をめがけていきましょう。
曼殊院門跡へのアクセスと駐車場について
●曼殊院門跡
TEL:075-781-5010
〒606-8134 京都府京都市左京区一乗寺竹ノ内町42
■拝観時間 9:00~17:00
■拝観料金 一般600円 高校500円 小中400円
■アクセス 主要ターミナルより市バス利用
・JR京都駅より5系統「一乗寺清水町」下車
・四条河原町より5系統「一乗寺清水町」下車
・三条京阪より5系統「一乗寺清水町」下車
・地下鉄松ヶ崎駅より北8系統「一乗寺下り松町」下車
・地下鉄国際会館駅より5・31番系統「一乗寺清水町」下車
※上記いずれも東へ徒歩20分程度
・叡山電鉄「修学院駅」東へ徒歩20分程度
■駐車場 専用の無料駐車場あり(50台程度)
まとめ
今回は曼殊院門跡の見どころ、行き方から駐車場についてまとめました。
拝観順路の最後に“幽霊掛け軸”がある、という不意打ちを食らいましたが、庭園をはじめ境内には見どころがたくさんあります。
国宝の黄不動尊、古今和歌集、曼殊院本が所蔵されており、Kyotaro個人的には“武田信玄”や“織田信長”“豊臣秀吉”“徳川家康”の書状が展示されてるのには痺れました。
車で行かれる場合はシーズンと時間帯に注意して行きましょう。
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