京都在住のブロガーKyotaroです。
京都市北区紫野は歩いてすぐ大徳寺に行けるエリア。
広大な大徳寺の北側に位置するのが今宮神社で古来より悪疫退散を祈願する御霊会が起源となった神社です。
今宮神社の歴史は悪疫退散との戦いで「あぶり餅」も関係があるとか。
最近若い女性にも人気があるという「玉の輿」の起源とあわせて紐解いていきます。
今宮神社とあぶり餅は悪疫退散の歴史とともに
今宮神社は京都市北区紫野にある有名な臨済宗大本山である大徳寺の北側に鎮座するパワースポットとしても有名な神社。
そして今宮神社といえば“あぶり餅”をイメージする人も多いのではないでしょうか。
名物“あぶり餅”はたまたま今宮神社前にある和菓子店舗で売られてきたわけではなく、今宮神社の歴史に大きく関係があるのを御存じですか?
詳しく見ていきましょう。
今宮神社の始まりは悪疫退散を祈願する御霊会
京都は平安遷都以降、都として繁栄、華やかなイメージがありますが、その歴史は疫病や災厄に悩まされ続けてきた歴史でもあります。
現代は新型コロナウィルスの世界的パンデミックに医療で対策していますが、平安時代は医療も未発達で悪疫を鎮めるために疫神信仰に頼っていました。
京都では古くから疫病や災厄を鎮めるために地域ごとにたくさんの御霊会(ごりょうえ)という組織が営まれてきました。
ここ紫野の地にも平安時代に御霊会が存在し、疫神を現在の船岡山に安置、悪疫退散を祈ったのが今宮神社の始まりと云われます。
今宮神社の始まりとなった船岡山とは?
今宮神社の始まりとなった船岡山は京都市街が一望できる小高い丘(標高112m)で現在は公園になっていて地元住民の憩いの場所となっています。
今宮神社からも歩いて15分程度の場所にあります。
船岡山には織田信長公をお祀りする「建勲神社」の他、広大な広場や遊具がある公園となっていて大文字の送り火(右大文字)が観賞できるスポットにもなっています。
大文字の送り火が良く見える地元の隠れスポットでしたが、SNSでの拡散もあり今や有名な送り火観賞スポットになりました。
なぜ今宮神社といえば「あぶり餅」なのか?
今宮神社の表参道には向かい合ったあぶり餅屋さんが2軒あります。
ともに歴史があり、今宮神社東門に向かって左手が「かざりや」で創業600年以上、右手が「一文字屋和輔」で創業1000年以上続く、ともに「あぶり餅」の老舗です。
“あぶり餅”の歴史はとても古く平安時代にまで遡り、初代一文字和助が香隆寺の名物であった“おかちん(勝餅)”を今宮神社の神殿にお供えしたのが始まりと云われています。
のちに悪疫が流行した際に一条天皇が紫野の疫神を再興、疫病退散のご利益があったことにより、“あぶり餅”は厄除けの和菓子として愛されるようになったのです。
“あぶり餅”を食べることで疫病退散を願い、今宮神社をお参りすることでご加護がある、由緒ある和菓子でもあるんですね。
手打ちの餅を親指ほどの大きさに丸めて串刺しにして程よく香ばしい炙り具合がたまらないですね。(一人前あぶり餅13本お茶付で500円税込み)
お土産として三人前から持って帰れるのですが、賞味期限が当日中なのであまりお土産としてはおすすめ出来ません。※持ち帰りだと餅が硬くなって香ばしさが失われます。
やはり店の軒先でお茶と共に頂くのが最高ですね。
昔、子供の頃と変わらぬ香ばしい味がとても懐かしかったですね。
あぶり餅を食べて駐車場無料に
2軒のあぶり餅屋さんの近くにはコインパーク(50台程度)がありますが、ここに車を停めて「かざりや」もしくは「一文字屋和輔」であぶり餅を食べると会計時に60分無料の駐車券が貰えます。
今宮神社には参拝者専用の駐車場がありませんのであぶり餅屋さん近くのこのコインパークが最寄りとなります。
到着後、まずあぶり餅とお茶で一服してから今宮神社を参拝すれば、駐車料金は60分まではかかりません。
通常の参拝であれば、あぶり餅を食べて今宮神社参拝まで1時間あれば十分です。
今宮神社の歴史は京都繁栄・苦難の歴史とともに
このように創祀以来、悪疫退散をはじめ多くの信仰を集めてきた今宮神社。
京都の繁栄と戦乱による荒廃の歴史を辿ってきた今宮神社ですが、特に徳川綱吉公生母の桂昌院からの崇敬が厚かったと云われています。
桂昌院は荒廃していた社殿造営に尽力され、そのおかげで今宮神社は祭礼も盛況を取り戻し、現在に至ります。
今宮神社が「玉の輿神社」と呼ばれるのは、地元西陣の八百屋の娘から徳川三代将軍の家光公に見初められ側室となった桂昌院のサクセスストーリーにあるんですね。
詳しくは次の項で紹介しましょう。
今宮神社の玉の輿の起源と桂昌院の関係について
続いて今宮神社の“玉の輿”の起源とそのご利益、パワースポットとしての魅力についてまとめました。
特に“玉の輿”のご利益にあやかり、パワーを貰って帰りたいと願う女性参拝者が近年増えています。
今宮神社の再興に尽力されたという桂昌院との関りを中心に見ていきましょう。
今宮神社に伝わる「玉の輿」起源は桂昌院
今宮神社で有名な「玉の輿」ですが、その由来について紹介します。
良縁に恵まれるご利益が今宮神社を訪れる若い女性参拝客が近年増えた要因になっています。
若いOL風の女性から大学生まで、とにかく女性が本当に多いです。
人気の秘密は単なる縁結びではなく「玉の輿」の起源になった徳川五代将軍綱吉公の生母である桂昌院にあやかろうというもの。
桂昌院は京都西陣の八百屋の娘として生まれ「お玉」と呼ばれていました。
三代将軍家光公の側室となってのちの五代将軍となる綱吉公を生み、その後は五代将軍生母として大奥で従一位の高位まで上り詰め、権威をふるった事が「玉の輿」の起源と云われています。
当時、八百屋の娘が将軍家の側室になるなど“あり得ない”ことだったんですね。
八百屋の娘「お玉」が「桂昌院」となるまでのサクセスストーリーが起源となり、今宮神社の歴史の一部となって現在も「玉の輿」や「玉の輿守」にあやかろうという信仰に繋がっています。
俗にいう「玉の輿」はこの今宮神社に残る桂昌院の言い伝えが起源となってるんですね。
今宮神社の御祭神とご利益について
今宮神社は古くから疫病、厄災を鎮める信仰が厚く、また桂昌院の崇敬が厚かったことから健康長寿、良縁開運のご利益があります。
御祭神は本社中御座に大己貴命(おおなむちのみこと)、東御座に事代主命(ことしろぬしのみこと)、西御座に奇稲田姫命(くしなだひめのみこと)、そして摂社疫社に素戔嗚尊(すさのをのみこと)をお祀りしています。
今宮神社にある「阿保賢(あほかし)」とは?
今宮神社には「神占石(かみうちいし)」と呼ばれる「おもかる石」があります。
この「神占石」は“阿保賢(あほかし)さん”とも呼ばれ病気や怪我の平癒へのご利益があります。
願いを叶える条件が、決して「石を怒らせてはいけない」ということ。
手のひらで軽く3回打った石を持ち上げた後、次は願いを込めて3度手のひらで石を優しく撫でてから持ち上げた時に、その重さが軽いと感じれば願いは叶うといいます。
何事も優しい心で念じましょう、という教えなんですね。
Kyotaroも挑戦しましたが、どうも重さが変わらないような、まだまだ心の穏やかさが足らないのかも…(汗)
また、出直して改めて挑戦しようと思います。
今宮神社の境内にある摂社・末社
境内には摂社・末社が複数あり、本殿参拝の後、すべてをお参りしてると結構な時間がかかりますので今宮神社へはゆとりをもって参拝に訪れましょう。
ちなみに境内の摂社・末社は、宗像社、織姫社、大将軍社、日吉社、若宮社、稲荷社・織田稲荷社、地主稲荷社、月読社の八社があります。
また、さらに大国社・蛭子社・八幡社・熱田社・住吉社・諏訪社・香取社・鏡作社を一堂に祀った細長い社の八社もあり、まさにパワースポットと呼ばれるのも納得できますね。
今宮神社のアクセスと駐車場について
●今宮神社
TEL:075-491-0082
〒603-8243 京都府京都市北区紫野今宮町21
■拝観時間 9:00~17:00
■拝観料金 境内自由
■アクセス 主要ターミナルより市バスが便利
・市バス四条烏丸より市バス46系統「今宮神社前」下車すぐ
・市営地下鉄「北大路駅」より市バス204、205、206系統他「船岡山」より徒歩7分
■駐車場 東門参拝道に有料コインパークあり
※2軒のあぶり餅屋であぶり餅を食べる(購入する)と60分駐車無料券を配布
まとめ
今宮神社は見どころもたっぷり、東門参拝道にある「あぶり餅」も楽しめるのでぜひ時間に余裕をもって参拝に訪れたいパワースポットですね。
周辺には大徳寺や金閣寺、建勲神社(船岡山)などもあり、見どころの多いエリアです。
京都駅を起点に地下鉄+市バス、もしくは市内主要ターミナルより市バスを利用するのが便利なアクセス方法となります。
また自家用車(マイカー)で行く場合は、うまく“あぶり餅”の「かざりや」「一文字屋和輔」であぶり餅を食べて60分駐車無料券を貰う方法をおすすめします。
※「かざりや」「一文字屋和輔」は水曜定休ですのでお出かけ前に必ず営業確認を。
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