京都在住のブロガーKyotaroです。
今回はKyotaroの地元からも近い松尾大社の見どころを紹介します。
松尾大社には初詣を始めよく参拝に行ったことがあるのですが、実は境内にパワースポットがあったり、摂社があることを改めて知りました。
身近過ぎて近所の神社という印象でしたが、上賀茂神社、下鴨神社と並んで京都最古の神社といわれ、旧社格で官幣大社、現神社本庁の別表神社という格式ある神社です。
京都五社めぐりをしてマップを見ると意外なことに気付きますよ。詳しく見ていきましょう。
松尾大社はお酒の神様、醸造祖神のご利益とは?
松尾大社は平安時代より皇城鎮護の神(=都の守り神)として称えられた京都最古の神社のひとつに数えられます。
京都五社めぐりというご朱印めぐりがあるのですが、松尾大社は都の西の守護を司る“白虎”にたとえられます。
松尾大社の御祭神
松尾大社の御祭神は須佐之男神(すさのおのみこと)の御子である大年神(おおとしのかみ)の御子、大山咋神(おおやまぐいのかみ)と市杵島姫命(いちきしまひめのみこと)です。
また古事記によると市杵島姫命は中津島姫命(なかつしまひめのみこと)の別名とのこと。
大山咋神が祀られたのは松尾大社の社殿が建立された飛鳥時代よりも以前らしいです。
太古の時代よりこの地方の松尾山山頂に近い大杉谷上部の磐座に祀られ、住民の生活守護神として崇敬されたことに始まると云われます。
松尾大社の創建について
松尾大社は歴史上あの“秦氏”ともゆかりがあります。
松尾大社創建は秦氏による功績
“秦氏”は当時、秦の始皇帝の子孫と名乗っていたようですが、近年の歴史研究で朝鮮新羅の豪族とされています。
その“秦氏”が五世紀前後、朝廷の招きによって松尾に来往した際に、松尾山の神を一族の総氏神として仰ぎ、この地方の開拓に従事したという言い伝えがあります。
秦氏は桂川上流の保津峡を開削し、桂川両岸の荒地を農耕地に開発、桂川にも堤防を築き上げました。
現在の社殿と「酒の神」由来
農耕地開拓とともに諸産業も盛んとなり、秦一族が得意であったという酒造も盛んになっていきました。これが「日本第一酒造神」と云われる由来です。
701年(大宝元年)文武天皇が秦忌寸都理(はたのいみきとり)に命じて山麓の現在地に社殿を営み、山上の磐座の神霊を社殿に移したのが、現在の松尾大社の始まりです。
松尾大社のご利益について
松尾大社は京都洛西約十万戸の総氏神として氏子の崇敬を集め、古来より開拓、治水、土木、建築、商業、文化、寿命、交通、安産など幅広い守護神として仰がれてます。
いわゆるインフラと無病息災、安産祈願など生活のあらゆることの願い事へ対してご利益があるとして崇拝されているんですね。
色々ご利益があるけど実は醸造祖神「酒の神様」
でもKyotaroが幼い頃、親から教わったのは松尾大社は「酒の神」ということのみ、実際に境内には大きな酒樽を積み上げた蔵があります。
ご利益の中でも特に醸造祖神として、全国の酒造家、味噌、醤油、酢の製造及び販売に携わる方々からの格別な崇拝を受けています。
松尾大社境内の見どころとパワースポットを紹介
松尾大社の境内にはパワースポットと呼ばれる場所があります。
せっかくお参りに来たならご利益にあやかりたいところです。でも普通に参拝してたら参道から楼門、舞殿の向こうにある本殿を参拝して気付かずに帰る、なんてことになります。
ここでは松尾大社境内の見どころとパワースポットについて紹介します。有料の「松風苑」の紹介もご覧ください。
松尾大社境内の見どころ
鳥居
松尾大社には一の鳥居、二の鳥居があります。一の鳥居は阪急電車「松尾大社駅」を出たらすぐ目に着きます。デカいです。
二の鳥居は一の鳥居から石畳参道をまっすぐ行った正面、境内入口に立っています。
お酒の資料館
二の鳥居をくぐると左手、お土産売場があるのですが、隣接して無料の資料館があります。
酒造りに関する資料や醸造具展示と映像が流れていて、ここは出入り自由になっています。
楼門
立派な楼門で京都西山の善峯寺楼門に似た雰囲気があります。
普通は平安神宮や八坂神社の真っ赤な楼門をイメージするひとも多いと思いますが、松尾大社の楼門は歴史を感じるというか、趣があります。
手水舎
松尾大社では亀と鯉が神の使いにされています。境内の“撫で亀さん”“亀の井”とともに手水舎の水口にも亀が祀られています。
亀は松尾大神が乗って来られ、松尾山の磐座に鎮座されたのちに嵐山にある亀山になられた、という言い伝えがあるほど、神聖な存在なのです。
撫で亀さん
手水舎の脇にある“撫で亀さん”は撫でることによってご利益があるというありがたい“亀”なのですが、現在はコロナ感染拡大防止の為、お蔵入りされています。残念。
樽うらない
昔からある、酒樽の底をくり抜いて的にした“樽うらない”。地元ではあまりやる人はいないのですが、初詣の時は県外からの参拝客も多く珍しいのか行列ができます。
相生の松
雄株と雌株の根がまるでひとつのような生え方をしているのが“相生”の名の由来になっており、恋愛成就と夫婦円満のご利益があると云われます。
椋の霊樹
もともと“蓬莱の庭”入口付近に立っていた「京都の名木」で樹齢800年を超える椋の大木。1993年(平成5)7月の大雨によって枯朽した。
本殿
重要文化財に指定されており、箱棟の棟端が唐破風形になっているものは松尾大社だけといわれ、他に類例がないとか。
柱や長押の一直線と屋根の曲線との調和、木部・桧皮の色と柱間の壁の白色とが交錯して醸し出す独特の色彩、数々の彫刻意匠の優美さは中世日本の特色を遺憾なく発揮しています。
松尾大社境内にあるパワースポット
松尾大社にはパワースポットと呼ばれる箇所がありますが、これがわかりづらい所にあるのでつい、知らずに帰る人も多いようです。
本殿右手をすすむと祓戸社があり、その脇に「磐座登拝道入口」という立木があるのでその奥へ進んだ“松風苑”入口の先、山手の方にあります。
亀の井
小さな御手洗川を渡った先にある霊泉“亀の井”。延命長寿、蘇りの名水として信仰されています。
酒処は水の綺麗なところが多い、といいますが、ここの水もかつて酒造りに使われていたと云われます。
三宮社、四大神社
亀の井のすぐ近くに祀られる摂社で三宮社は玉依姫命が祀られ農業殖産の守護神、四大神社は春若年神、夏高津日神、秋比売神、冬年神の四季折々の神々が祀られた生活の守護神。
霊亀の滝
松尾大社のいちばん山手に鎮座する滝の前の小さな社。自然と調和したスポットで目の前が滝なので神聖なパワーを感じずにはいられない。
真っ赤な鳥居の左上の後方に見える岩が天狗に見えることから“天狗岩”と呼ばれています。少しわかりづらいですが。
松尾大社境内の“松風苑”
松尾大社にある“松風苑”は昭和庭園学の第一人者である重森三玲氏による明治以降における現代最高の芸術的作品との呼び声が高い。
“松風苑”は3つの庭から成り、三庭に配置された二百余りの石はすべて徳島県吉野川の青石を使用しています。
曲水の庭(平安風)
松尾大社が最も栄えた平安時代を表現。御手洗川の清水が七曲りする優雅な庭園はまさに平安貴族たちが好んだ華麗な姿を想起させてくれます。
上古の庭(磐座風)
松尾山中の神蹟をイメージして作られた庭園で御祭神2神を表すふたつの巨石をはじめ、数多くの石が周囲に配置され、山上の磐座をイメージして作られました。
蓬莱の庭(鎌倉風)
中国に伝わる“不老不死の島”こと“蓬莱の島”をイメージした庭園。鎌倉時代に代表される池泉式回遊庭園を取り入れ、全体が羽を広げた鶴のような形をした庭園です。
松尾大社境内にある摂社
松尾大社境内には摂社が本殿南側に4社に加え、伊勢神宮遥拝所と祓戸社があります。
摂社4社と伊勢神宮遥拝所は以外に気付かない人も多いので本殿に向かって左手の方に進んでみましょう。
衣手社
松尾大社御祭神の大山咋神の兄弟にあたる「羽山戸神」を祀る。山裾や農耕地における地主神。
一挙社
その名の通り「一挙神」を祀る摂社。どんな困難も一挙に解決するという古来からの言い伝えがある神様。
金刀比羅宮
言わずと知れた「大物主大神」を祀る、商売繁盛と交通安全の守護神。
祖霊社
松尾ゆかりの功績者をお祀りしている社。
伊勢神宮遥拝所
ここから伊勢神宮の方角に向かってお祈りすると遥か彼方にある「伊勢神宮」にその願いが届くという遥拝所。上賀茂神社にも伊勢神宮遥拝所があります。
祓戸社
祓戸の大神が祀られています。本来は祓戸社へお参りしてから本殿を参拝するのが習わしらしいのですが、初めての人はとても小さいので気付かずに先に本殿参拝しちゃいますね。
京都五社めぐりのひとつ“白虎”の松尾大社
松尾大社は「京都五社めぐり」の一社であり、Kyotaroも松尾大社で色紙を購入して自転車で「京都五社めぐり」をしたことがあります。
京都五社めぐりとは?
「京都五社めぐり」とは四神相応の京と題して、“北に玄武(上賀茂神社)”“東に蒼龍(八坂神社)”“西に白虎(松尾大社)”“南に朱雀(城南宮)”が中央を守護、その中央とは「平安神宮」のことです。
まさしく京都の四方と中央を守護する五つの社をめぐる「京のご朱印めぐり」のひとつ。
京を警護する四社の意味
色紙購入時に渡された京都地図を見るとわかりやすく、それぞれの神社の場所が記されており、碁盤の目になった街並みを象徴するような配置に驚く人も多いでしょう。
ちなみに京都の中心を走る「四条通り」の西の終点は「松尾大社」であり、東の終点は「八坂神社」なのです。
「松尾大社」から真っ直ぐ進むと突き当りは祇園にある「八坂神社」に辿り着きます。
また「上賀茂神社」から賀茂川~鴨川を下って南に行くと「城南宮」に辿り着きます。
そう賀茂川~鴨川は字こそ異なりますが読み方はどちらも「かもがわ」で京都市街を南北に流れる河川なのです。
まさに東西南北を守護するという意味でこれ以上ない位置にあるのがこの四社なのです。
平安神宮は精神的な京の中心?
一点だけ、平安神宮は決して京都の中心にあるわけではありません。
都が東京に移され衰退する京都復興の象徴として明治期に創建された神社ということで恐らく精神的な意味合いでの“京の中心”という位置づけなのでしょう。
松尾大社にある無料駐車場で注意したいポイント
松尾大社には参拝者専用の駐車場があります。駐車スペースも100台は止められるくらい広い駐車場があります。
でも注意したいのが、紅葉シーズンと初詣の時期は車では来ないようにしましょう。
理由は簡単、大渋滞にはまり、身動きが取れなくなるからです。
最近は周辺住宅街の抜け道から松尾大社の駐車場へ行く道を利用する人もいるのですが、ここも大渋滞。
しかもたちが悪いのが離合できないような住宅街で大渋滞をおこすので地元住民からすれば大きな迷惑。
騒音、ゴミ、近隣住民とのトラブルなどちょっとした問題にもなってます。
阪急電鉄嵐山線「松尾大社駅」から徒歩3分で境内に行けます。
参拝客が多い時期は公共交通機関を利用しましょう。
松尾大社へのアクセスと駐車場について
●松尾大社
TEL:075-871-5016
〒616-0024 京都市西京区嵐山宮町3
■拝観時間 8:00~16:30
■拝観料金 境内自由
※松風苑 大人500円 学生400円 子供300円
■アクセス
・阪急嵐山線/「松尾大社駅」下車徒歩3分
・市バス/JR京都駅より28系統「松尾大社前」下車徒歩すぐ
・京都バス/JR京都駅より73系統「松尾大社前」下車徒歩すぐ
■駐車場 100台/参拝者無料
まとめ
如何でしたでしょうか。地元にある松尾大社をこの上なく深堀してみました。
松尾大社は実は4月の桜が終わると山吹の花が境内あちこちに咲き乱れる名所でもあるんですね。
Kyotaroも地元の神社として慣れ親しんでいましたが、実は京都最古の神社といわれ、パワースポットとしての魅力を感じる神社です。
見どころもあり、多岐にわたるご利益が得られるありがたい神社です。
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