京都在住のブロガーKyotaroです。
京都には散策しながらのんびり一日を過ごせるエリアが結構あります。
その代表的なエリアは大きく分けて“嵐山嵯峨”“東山”“大原の里”の3つ。
特に東山が広大なエリアに跨っており、北は銀閣寺から南は清水寺まで“東山三十六峰”沿いにたくさんの寺院や神社、観光地が点在しています。
今回はそんな東山の最北端エリアとなる「哲学の道」沿いのスポットを散策しながら楽しめるモデルコースを紹介します。
実際にKyotaroが歩いたルートなりますのであなたの参考になれば幸いです。
四季折々の景観が美しい哲学の道でカフェと散策を楽しもう
「哲学の道」は京都屈指の観光地として人気があり、特に春の桜シーズン、晩秋の紅葉シーズンは大勢の観光客が訪れます。
また「哲学の道」周辺には銀閣寺をはじめ、法然院や少し離れますが、真如堂や金戒光明寺といった有名寺院も点在しており、歩いて巡ることが出来るのでとても人気があります。
まず「哲学の道」の歴史と楽しみ方について紹介します。
哲学の道の歴史
「哲学の道」は1890年(明治23)に現在の東山山麓に完成し、1912年(明治45)に延伸した琵琶湖疎水の分線沿いに続く桜並木の散策路となっています。
当時から多くの文人や哲学者から愛され、この地に移り住んだ偉人もいたほどで、静かで自然豊かな景観に惹かれる人が多かったようです。
鹿ケ谷の若王子神社から浄土寺橋までの約1,8㎞の散策路で近隣には世界遺産の銀閣寺(東山慈照寺)をはじめ、著名な社寺が複数点在、観光地としても人気が高いスポットです。
京都の伝統的な歴史と文化が息づいた場所として地元民からも愛される憩いの場所となっています。
1968年(昭和43)に地元住民より環境保全整備の声があがり、その熱意に京都市が応える形で1972年(昭和47)に散策路として完成しました。
美しい景観は努力の賜物
「哲学の道」が散策路として完成後も地元住民、上下水道局による献身的な清掃や環境保全整備への努力があり、現在に至ります。
“桜” “蛍” “紅葉” “雪化粧”の四季折々の景観が地元住民だけでなく、観光客からも憩いの場として喜ばれるようになり、徐々に訪れる人が増えていきました。
その後、1986年(昭和61)には「日本の道百選」にも選出されるほどになり、全国的にも有名になったのです。
多くの文人や哲学者たちが都会の喧騒を離れ、静寂な地を求めてこの地に足を運んだ気持は現代に生きる我々も理解できるような気がしますね。
哲学の道の楽しみ方について
「哲学の道」は観光地として充分、魅力的で春の桜や秋の紅葉はとても美しく、約1,8㎞続く散策路を桜や紅葉を眺めながらのんびり歩くだけでも充分楽しめます。
また散策路の途中には個性豊かなカフェや雑貨屋、陶芸工房、ギャラリーなどもあり、どこか芸術的な雰囲気を醸し出すお洒落な一面もあります。
京和菓子で有名な「叶 匠寿庵(かのうしょうじゅあん)」の京都茶室棟(※8月現在コロナ休業中)や「よーじやカフェ」など有名どころから個人で営まれる個性豊かなカフェが疎水沿いに並んでいます。
散策しながら目に留まった店に立ち寄ってみる、カフェは気にったロケーションであれば入ってみるのがいいでしょう。
今回は猛暑日ということもあり、Kyotaroは「GREEN TERRACE」というカフェで休憩がてらのんびり過ごしてきました。
ここは谷崎潤一郎氏とその義息子嫁であった渡辺千萬子さんゆかりの地でもあったのです。
カフェ「GREEN TERRACE」の前身は喫茶店?
実は「GREEN TERRACE」がある場所は谷崎潤一郎氏の義息子の嫁である渡辺千萬子さん暮らしていた場所です。
渡辺千萬子さんといえば谷崎潤一郎氏の著書「瘋癲老人日記」に登場する“颯子”のモデルになった人物であり、1978年から2003年までこの地で喫茶店「アトリエ・ド・カフェ」を経営されてました。
現在は「GREEN TERRACE」という名に変わっていますが、ここはテラス席もあり、本当に静かで落ち着く場所でした。
窓側のカップル席で「哲学の道」の桜並木を眺めながら「春に来ると桜が見れるな~」と思いながらボーっと過ごしました。
哲学の道の周辺にある名勝・神社仏閣について
「哲学の道」は観光地として楽しめますが、周辺に点在する社寺や名勝、観光スポットへの移動手段としても便利な“散策路”です。
途中に複数の看板が小まめに立ってるので方角と所要時間まで書いてあり、迷うことはありません。
銀閣寺、法然寺、大豊神社、哲学の道起点となる若王子神社は疎水沿いにあり解りやすいのですが、金戒光明寺、真如堂、平安神宮はやや哲学の道からも10~15分程度離れてるので道に迷わないよう注意しましょう。
「哲学の道」周辺に点在するスポットについて紹介します。
銀閣寺(東山慈照寺)
東山文化の中心として室町幕府8代将軍・足利義政が建立した「山荘東山殿」が起源となった庭園が美しい寺院。
池泉式回遊庭園と観音殿のコントラスト、独特の白砂の砂盛「銀沙灘」「向月台」は有名で、義政の思想の影響を強く受けた「侘び・寂び」の文化を体感することができます。
幸せ地蔵尊
1681~1684年(天和年間)に「長泉寺」として創建され、その後聖護院門跡の末寺となって正式名称を「祥雲山弥勒院」という。御本尊は富士山本地仏である大日如来を勧請。
「哲学の道」に面した小さなお堂には地蔵菩薩が祀られており、赤ちゃんを抱いている姿から「子安地蔵」とも呼ばれています。
法然院
「法然院」は専修念仏の元祖である法然上人が弟子の安楽・住蓮とともに修行をしたという草庵がはじまりの寺院です。美しい山門と白砂壇が有名。
法然上人の四国への流罪によって荒廃しますが、江戸初期になって知恩院38代萬無和尚の弟子・忍澂和尚によって現在の伽藍など「法然院」の基礎が築かれたと云います。
大豊神社
大豊神社は全国的にも珍しい“狛ねずみ”が有名な神社で境内にある大国主命を祀る「大国社」の前に2体の“狛ねずみ”が鎮座しています。
本殿には菅原道真公をはじめ少彦名命、応神天皇をお祀りしており、境内社には“狛ねずみ”以外にも“狛鳶” “狛猿” “狛狐” “狛巳”が鎮座する非常に珍しい神社である。
若王子神社
京都にある“洛中熊野三山”のひとつで熊野詣における京都の起点となるのが「若王子神社」であり、「哲学の道」起点としても知られます。
御神木が梛であることから、進学や縁結びなど人生における様々な苦難をなぎはらうご利益が言い伝えとなっており、学問成就のお参りに訪れる人も多い。
金戒光明寺
「金戒光明寺」は“黒谷さん”の愛称でも親しまれ、京都守護職を命じられた会津藩の本陣としての歴史がある浄土宗大本山の寺院です。
春には桜、秋には紅葉が楽しめ、法然上人ゆかりの御影堂、大方丈、阿弥陀堂が境内にあります。塔頭寺院の西南院三重塔からは法然上人も眺めたという夕日が眺望できます。
境内周辺にて“アフロ仏像”こと「五劫思唯阿弥陀仏(ごこうしゆいあみだぶつ)」を探してみましょう。
平安神宮
いわずと知れた京都を代表する神社で巨大な朱鳥居で有名な「平安神宮」。敷地も広大で4つのエリアから成る庭園「神苑」は必見。
京都市左京区岡崎にあり、東山観光・南北の起点となるスポットで周辺には京都市動物園、京都市京セラ美術館、京都国立近代美術館、金戒光明寺、岡崎神社などがある。
哲学の道へのアクセスと駐車場について
■哲学の道
鹿ケ谷の若王子神社から浄土寺橋までの約1,8㎞の散策路。
環境保全など管理は京都市が行う。散策路は自由に散策できる。
場所 京都市左京区
アクセス
※おすすめは銀閣寺側から南へ下るルート
市バス/京都駅から5・17・32・急100・急102・203・204系統
「銀閣寺道」下車、徒歩10分
市バス/烏丸今出川から急102系統、同志社前から203系統
「銀閣寺道」下車、徒歩10分
市バス/金閣寺道から急102・204系統に乗車
「銀閣寺道」下車、徒歩10分
駐車場 専用駐車場なし※市営又はコインパーク利用
※散策+周辺観光を楽しむなら公共交通機関をご利用下さい。
まとめ
京都東山を代表する散策路「哲学の道」の紹介でした。疎水沿いに続く美しい景観は必見の価値ありです。
独特の雰囲気を持ち、環境保全に地元住民、京都市が一体となって作り上げた景観といっても過言ではありません。
お気に入りのカフェでまったりするのも良し、精力的に「哲学の道」を基点にあちこち巡るのも良し、のんびり桜や紅葉を愛でるも良し、好きに自由な時間をお過ごし下さい。
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